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まろ0301

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2009.07.28
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カテゴリ: カテゴリ未分類
『栽培植物と農耕の起源』中尾佐助 岩波新書

 「こんな内容を書いた本はどこにもない」と著者は「あとがき」で書いていますが、そのとおりです。この本を初めて読んだときの驚きと興奮は今でも憶えています。

 「触れれば落ちる野生種の粒、この性質は野生のものが種子を自然散布するのに適応した性質である。栽培種のほうはこれに反して鎌で刈り取る人間の収穫法に便利な性質である。人類は野生の穀類を利用し始め、その品種改良の初期に、野生の脱落性から非脱落性に改良したものと想像されている。」

 知らなかった・・・。

 「現在の栽培イネは、ほとんど一斉に出穂する。それが不ぞろいだったら、収穫は穂だけ選んでひとつの水田に何回も行くほうが合理的だ。稲作農業では、品種と農法の発達により、穂刈りから根刈りへと進歩する。」

 弥生時代の石包丁は、穂刈りの道具。その当時の田んぼでは、稲穂のみのり方はバラバラであったわけです。

 「バナナは種無しの果実という点では大発達である。果物類でバナナほど倍数性を上手に利用したものは、文明国でもまったく比べられるものがない。その改良は、ほとんどこんにち民族名すらはっきりしないような未開発地域の土民たちが成し遂げたものである。」

 「種無しバナナ」、これは盲点でした。種がないのが当たり前と考えていましたから。

 「人類はかつて猿であった時代から、毎日食べ続けてきて原子力を利用するようになった現代にまでやってきた。人類は、戦争のためよりも、宗教儀礼のためよりも、芸術や学術のためよりも、食べるものを生み出す農業のために、いちばん多くの汗を流してきた。農業こそは、人間の努力の中心的存在である。」

と著者は書いていますが、これは冷静に考えればそのとおりです。食べ物を巡っての努力、そのままでは食べられなかったものを食べられるように改良した努力、それを知ることは私たちが暮らしている社会を少しまともにしてくれそうです。






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Last updated  2009.07.28 22:40:00
コメント(6) | コメントを書く


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Re:『栽培植物と農耕の起源』(07/28)  
夏の読書には、いい本ですね。
こういう本を高校生には読んでもらいたいと思います。
たしか、タバコの歴史みたいなものもこの先生の本だったのでは?
(2009.07.29 00:45:18)

Re:『栽培植物と農耕の起源』(07/28)  
tokiwa37735  さん
若い頃に読んで、感銘を受けました。
今も書店に並んでいるのですね。

こういう本を子供に読ませたいものです。 (2009.07.29 08:45:37)

Re:『栽培植物と農耕の起源』(07/28)  
万年浪人 さん
ぜひ、読みたい本ですね。
よく「石包丁で稲刈りできない」と学生が疑問を持ちますが、「稲刈りではなく、穂先をしごく道具」というと「じゃあ、茎はどうするんですか」と。「別に引っこ抜くかなんかして、屋根や生活道具にする」と。
実に次々に疑問が湧いてきますが、それこそが思考の進化というものでしょうし。
農業って、ほんとはワクワクするものなんじゃないでしょうか。いまの産業構造の偏りも、再構築すべきなんでしょうね。 (2009.07.29 10:09:57)

身近なものから  
まろ0301  さん
MoMo太郎009さん
>夏の読書には、いい本ですね。
>こういう本を高校生には読んでもらいたいと思います。

☆身近なものの歴史を知ることは、眼から鱗のもとですね。バナナを見るたびに思い出せるのですから。

>たしか、タバコの歴史みたいなものもこの先生の本だったのでは?

☆「タバコの歴史」宇賀田為吉 岩波新書、でしょうか?
 中尾さんの本で、『花と木の文化史』岩波新書 と言う本があります。江戸時代を中心として日本の園芸文化を研究した本でこれもまた面白いです。
(2009.07.29 21:01:32)

復刊  
まろ0301  さん
tokiwa37735さん
>若い頃に読んで、感銘を受けました。
>今も書店に並んでいるのですね。

☆時々復刊をしてくれますから。大きいところではそろえていますが、小さいところでは無理でしょうね。名著なんですが。

>こういう本を子供に読ませたいものです。

☆読んで驚いて欲しいですね。
(2009.07.29 21:03:38)

根刈り  
まろ0301  さん
万年浪人さん
>ぜひ、読みたい本ですね。
>よく「石包丁で稲刈りできない」と学生が疑問を持ちますが、「稲刈りではなく、穂先をしごく道具」というと「じゃあ、茎はどうするんですか」と。「別に引っこ抜くかなんかして、屋根や生活道具にする」と。

☆日本で根刈りが普及するのは確か室町あたりと思いますが、その前提として一枚の田全体が同一品種で同じ時期にみのるという事が必要になりますね。

>実に次々に疑問が湧いてきますが、それこそが思考の進化というものでしょうし。
>農業って、ほんとはワクワクするものなんじゃないでしょうか。いまの産業構造の偏りも、再構築すべきなんでしょうね。

☆若い人たちが可能性を追求する場として頑張っているようで、サポートは必要だと思いますね。
(2009.07.29 21:06:53)

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