山の高い所は雪を被っている。空は曇っていて、風は穏やかだが冷たい。
沖合に貨物船が一隻見える。他に船は出ていない。
一キロ程度歩いて、又海が見える所に出ても同じ所にいる。
停泊しているらしい。
ヒヨが集まったいた道端に、黒い実がだけが落ちていた所に
赤や黄色の実が落ちている。
こちらの実もヒヨが食べ出したのだろう。
自分たちが啄み損ねて、道に落とした実は絶対に拾おうとしない。
落ちた実を踏みつけて歩くと、
プツン、プツンと、子供に返って、その感触を楽しめる。
蜜柑畑の横が庭になっていて、雑木が植わっている。
先日から大きな赤い実が、枝の根本に付いている。
そんな実のなる木があるのだろうか、不思議に思って
今日は双眼鏡を持って出た。それで見ると、何とリンゴである。
リンゴのお尻が上を向いている。
枝と枝との間に、ひょっと置いて忘れたのであろう。もう三・四日になる。
老人、一人暮らしのお宅がある。
その道端に軽トラを止めて車から降り、庭で仕事されている人と話している。
かなり離れているから、自ずと大きな声になる。
道を歩いていれば、嫌でも聞こえる。
もうどうでもいいのよ、
そんなこといったって、あずって死ぬのはいやだろがね、
ちょいちょい病院へ行って、診てもらわんかね、
どうも、この家の人は体調がよくないらしい。
病院へ行って診て貰うよう勧めているが、
一人暮らしで、投げやりになっているらしい。