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「ライブ?」
「そう、古書は生演奏。楽曲を作った人自身が演奏するのを生で聴くのはもちろん最高だと思う。でも、その曲を好きな人がその人なりのアレンジで楽しみながら演奏しているのも聴いていてワクワクするでしょ。同じように、たとえ写しであっても、人が書いた文字が伝える魅力って、音楽と同じだと思うんだ」
「そう……、かな?」
「文字情報っていうけど、その本をどういう紙で作ろうとしたか、っていうのも情報なの。(略)音楽は一度に何人もの人が感動できるし、素晴らしい演奏にはアンコールっていう反応があるよね。書物は音楽のように同時に多くの人を感動させることはないけれど、例えば古書に手擦れがあったら、何人もの人が楽しんだ痕跡、アンコールなんだって思う。読んだ人の感動が古書自体に残るのが古書らしさなの」
白戸満喜子(シロトマキコ)
博士(文学)。青森県立弘前高等学校卒業。慶應義塾大学文学部国文学専攻卒業後、法政大学大学院にて日本文学(近世)を専攻。指導教授は松田修。原典・現物にこだわる研究姿勢を継承している。慶應義塾大学の無料公開オンライン講座FutureLearn「The Art of Washi Paper in Japanese Rare Books(古書から読み解く日本の文化、和本を彩る紙の世界)」で講師を勤める
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