週刊未来経済
●
今週(8/13~8/19)の焦点
今週だけの問題ではないが、 世界に広がる信用リスク
が経済実体に波及するか
が気になる。というのも長年続いた金融緩和がこのところ引き締め方向に向かって
いる事実があるからだ。緩和期に膨張したマネーは、国の実体経済成長への活用
という、本来の政策当局の意図とは違って、住宅を始めとする資産の高騰を世界中
で招いた。その結果があり余るマネーそしてバブル崩壊の不安となって表れた。
この環境が変わった今、単にマネーが収縮するだけに止まらず、個人消費の落ち
込み→企業業績悪化→設備投資低迷、という形で景気悪化に繋がらないか懸念が
ある。そうなると中国をはじめとするアジア経済や輸出に依存する日本経済も無事
ではあり得ない。このような悪い連鎖とならないことを祈るばかりだが、その場合は
経済金融政策の舵取りが重要となる
。
その場合、欧米は政策金利の利下げという方策が採れるが、日本の場合、この
低金利の下では制約がある。また財政悪化の下で公共工事の出動もできない。打
つ手がない、というのが現状だ。残るは規制緩和を進める、ということだが、格差批
批判から競争自由化も図り難い。安倍さんの腕力では現状これも望み薄。まさにレ
ームダック状態だ。 外部環境の好転に身を任せるしかないのが今のニッポン
である。
●市場動向
(先週8/6~8/12の市場動向)
予想通り、信用リスク問題が米・欧・アの世界市場を襲った。どこまで損失が
拡大するか予測がつかないところに投資家の不安があり、リスク資産を手放し、
現金を保有するという指向を呼んでいる。放置すればアジア金融危機などの悪夢
再来になりかねないのだが、救いは各国の金融当局の断固たる姿勢と、原油・金
などが落ち着いた動きを示していたこと。また先週末の米国株式市場も最終的に
動揺の程度は小さかった。 連鎖暴落はとりあえず避けられた
、というところか。
日本も世界の動揺を受けた展開
となった。日本の金融機関はあまり実害を受け
ていないとしても、グローバルにバブルマネーが駆け巡る状況では無傷ではいら
れない。また政局不透明という固有の事情があるだけに事態はより深刻となった
一週間となった。煽りを受けた形で新興市場の下げがきつかった。
NYダウ 13239.54(+0.4%)
米国債金利 4.810 (+2.6%)
ドル円 118.36-42(118.02-08)
WTI原油先物 71.47 (▲0.8%)
金先物 681.6 (▲0.4%)
日経平均 16764.09 (▲1.3%)
TOPIX 1633.93 (▲2.3%)
日経ジャスダック 1966.98 (▲3.3%)
マザーズ指数 762.53 (▲8.6%)
ヘラクレス指数 1255.19 (▲6.3%)
(今週の市場予測)
日米欧の金融政策当局が資金を潤沢にする政策を採ったことで、パニックは避け
られたのが先週の動きだ。今、 米国当局はサブプライムローンを組み込んだ資産が
どれだけ蔓延しているか調査
しているが、この結果が注目される。リスク連鎖底なし
化への懸念が払拭されれば相場は安定に向かうことも。但し、日本以外の市場は、
高騰の調整過程という見方もでき、反転して再度高値への挑戦ということは考え難
い。一進一退の値動きとなるだろう。
日本市場は
安倍政権の弱体という背景はあるものの、明らかに 下げ過ぎである
。
世界の株価が宴に酔っていた間にも蚊帳の外で低迷していた。この間、発表された
企業業績も総じて良かった。テクニカル面でも歴史的な大底圏にある。したがって
動揺が収まれば反転、上昇に向かうと想定する。但し、これまで物色されてきた国
際優良銘柄よりも、これまで無視されてきた内需型の銘柄に関心が移っていくので
はないかと考える。具体的には、通信、小売などを考えている。もっとも銀行株は、
この環境のなかでは手がけ難いだろう。
●指標発表と予想値
今週も 米国で発表される経済指標から目が離せない
。小売業売上高で消費の堅調
さを確認できるか。消費者物価指数で物価上昇していないことが確認できれば、利下
げも検討できる。ニューヨーク連銀製造業景気指数が良ければ米国経済の腰の強さ
を判断できる。相変わらず日本発の材料は指標面からは出てこない。
8/13(月)
8:50 (日)6月経常収支 +1兆6095億円
8:50 (日)第2四半期GDP・一次速報 (前期比) +0.2%
21:30 (米)7月小売業売上高(前月比) +0.2%
8/14(火)
21:30 (米)7月生産者物価指数(前月比) +0.1%
8/15(水)
21:30 (米)7月消費者物価指数(前月比) +0.2%
21:30 (米)8月ニューヨーク連銀製造業景気指数 18.0
22:15 (米)7月鉱工業生産(前月比) +0.3%
8/16(木) (米)住宅着工件数 140.0万件
●FPの視点-経済の未来への不安
冒頭で述べたように、今の経済の問題点は、あまりに投機的な資産投資へ偏り
過ぎていることである。最近、起きた米国での橋の崩落なども国として固定資本の
形成を怠ってきたことが背景にある。
日本でもGDP統計によると、 政府による固定資本形成
は長期間の間、実質で
前年比マイナスを続けている。財政が逼迫しているとはいえ、あまりにサボルと
米国で起きたようなインフラ災害が発生しないとも限らない。また将来の成長に
も弊害が出兼ねない。 最低限、国が責任をもって投資するべきこともある
。
もうひとつ気掛かりがある。文科省の科学技術白書によると、 政府研究開発投
資
のGDP比率が、先進国で90年代の後半以降、 伸び悩んでいることだ
。無論
日本もそうだ。伸びているのは中国と韓国のみである。
研究開発投資は、将来の成長の源となるものであり、これが近年、低調となっ
ていることは、 未来経済への不安要因
となるものだ。国として公的資金を金融市
場で運用しようという計画があるそうだが、とんでもない話である。そんなときで
はない。目先のカネを稼ぐより、 将来に向けて投資を行うべきだ
。たまには野に
出て遠くを見詰めるべきだ。近視眼になってはならない。
■17文字の小宇宙
┗■ きょうの感動: チューリップ
└────────────────────────────
┗■ 永久保存 画布は路上の
チューリップ
えいきゅうほぞん がふはろじょうの ちゅーりっぷ
└────────────────────────────
┗■ その心
子どもたちが、舗装された道路の上にチョークで描いた絵を
見かけることが、ときどきあります。この光景に出くわすと、ど
こか潤いめいた気持ちになります。
女の児が描くらしく、お姫様や花の絵が多いようです。花は
その形が子どもの興味をそそるようでチューリップが多いよう
です。なかにはとても上手に描かれていて、保存しておきたい
というようなものもあります。しかし、やがては車や雨で消え
ていく運命にあります。
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雑感(11/12~18) 2012.11.18
11/5(月)~11/10(土)雑感 2012.11.11
週刊未来経済 08.3.17号 2008.03.17
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