シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2006年03月20日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 我々が生きる現代の、サルディスの教区への手紙について、前回、まとめた。端的にいえば、現代人は、あまりに物質主義に陥り、利己主義になってしまったので、もはや、霊的には死んでいるといわれるのである。

 霊的に死んでいるとは、自己を向上し、切磋琢磨し、他者に愛を与えるような存在から、堕落して、自己の利益ばかりを求め、他を省みない、エゴイストのことであるといってよいだろう。

 エゴイストは霊的に死んでおり、宇宙の進化から取り残されざるをえない。

 利己主義や自己愛は、低次の自我であり、物質や周囲の環境に執着することから、生じるとされる。この低い自我を、霊的に、高次の自我に向かわせないと、人間は、最後の審判の日に再び、獣へと戻されるというのが、黙示録の趣旨である。

 現代人のほとんどが、このように、いわば霊的に死んだ状態なので、第1の死といわれる、肉体の死を、非常に恐れるという。エゴイストは、肉体の感覚器に依存してしまうので、肉体が死んでしまうと、それに依存していた自我(自己認識)が、建築物が土台から崩れるようにして、路頭に迷う存在と化してしまうのである。

 幻を追い求めて、彷徨うことになる。もはや消えてしまい、崩壊してしまった砂上の楼閣を、当て所も無く求め、その欲望、欲求に苛まされるといえよう。

 お釈迦さまは、人生を苦と説き、この苦を克服するために、八正道を説いたが、人類は、この八正道を、この地球紀の間に、実践し、魂のものとしないと、人生が苦ばかりでなく、魂そのものが永遠の苦となるのである。肉体を有する人生は束の間の苦であるが、その束の間の苦を克服しないと、永遠の苦へと埋没してしまうのである。これが第2の死である。

 人生の苦を、愛をもって克服せよ。汝の敵を愛し、隣人を愛せ。

 そうすれば、肉体の死に臨んで、苦を感じることなく、かえって安らぎを見い出すだろう。そうすれば、肉体の感覚に囚われることなく、肉体を棄てた後に、霊的に生きることを知るという。そして、キリストに出会うという。キリストは、第2の死への克服法を教えるという。第2の死は、第1の死を克服したものに、与えられる試練でもあるという。第1の死の肉体の死のあとに、キリストとともに歩む者は、もはや第2の死を感じないほどに、愛に目覚めるという。



 第5文化期までは、文化はいわば下降してきた。第5文化期の中頃から、再び、かってあった霊性に目覚め、上昇しはじめていくということが、黙示録で語られているところのものであるという。

 このように、第5文化期(ポストアトランティス文化期)に、精神生活へと、再び上昇し、正しく道を歩むことを知り、この道を進むならば、第6文化期のフィラデルフィアの教区に、自由に愛を他者に捧げることができるようになるという。

 個的な自我を見い出し、自らが望まないときは、外的な力が、働きかけることができないように、自らを閉じることができ、このように、閉じることができると、自らの意志を無視しては、誰も開けることができないようになるという。そして、自らが開けるときは、どのような力によっても、閉じることはできないという。これが「ダヴィデの鍵」のことだという。

 この「ダヴィデの鍵」とは、高次の自我のことに他ならない。

 この高次の自我を、自由と愛のもとに開けよ。自らの意志により、開ければ、高次の自我は、他の誰にも閉じることできない。また、自らの意志により、閉じれば、誰も、その高次の自我を、開けることはできない。

 高次の自我を開けたり閉めたりできるのは、まさに、自我そのものの、愛と自由の行為、実践にかかっているのである。

 だから、ダヴィデの鍵をもつキリスト=イエスはいう。

 「わたしはあなたの前に、門を開けておいた。この門は、誰にも閉じることはできない。」

 キリスト=イエスのゴルゴダの秘儀(十字架刑)を知り、体験をイメージすることにより、人間のなかに、愛と自由への高次の自我の門が開かれたのである。

 誰でも、この愛と自由の門を、キリスト=イエスを通して、通過していくことができるのである。これが天国の門とされる。

 高次の自我への道を、見い出しえるのは、自分のなかの自由と愛への営み故によるのである。再び、精神生活への道を見い出すことなのである。



 その来るべき愛の都の建設のために、現在はその準備段階である、物質やエゴ性ではなく、霊性であり、愛を育てるということが、次の第6文化期の課題だとされる。第6文化期、フィラデルフィアという友愛の文化こそが、かって、アトランティス時代の第5根幹人類のアーリア人が、我々のポストアトランティス時代をつくったように、次の第6の時代をつくりあげる、中心となるという。

 我々はいま、霊性、精神性に再び目覚め、エゴや執着心を棄てて、次の文化期で、自分ではなく、他者の幸福を願いながら、愛を育てることが課題であるとされるのである。





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Last updated  2006年03月20日 20時00分12秒
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