シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2006年10月17日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 キリスト教の説く三位一体とは、父と子と聖霊からなる創造の原則のことであるが、顕教では、このことを理解できないばかりか、触らぬ神に祟りなしとばかりに超法規的原則、絶対的原則とみなし、権威主義でさえある。しかし、秘教では、たちまちこのことはイメージとして理解されうるものになる。宇宙の存在の全てのものは、内から外への分裂と、外から内への融合と、そしてその間の均衡によりなるというのである。

 これを光の球を用いて簡便にイメージできる。内から外へ向かう光の光源を中心とし、これを父と呼ぶ、光球の表面で光が折り返され、外から内に向かう光の球の表面を、子と呼び、そして、光球の内部の光が伝播する空間を、聖霊と呼ぶのである。そうすると、宇宙は存在全ては、この光球のなかの3つの光の作用プロセスから説明できるのである。錬金術師は、この3つのプロセスを夫々鉱物名で表現したのである、内から外の父の働きを、塩プロセスと呼び、外から内への子の働きを、燐(硫黄)プロセス、そして、聖霊の働きを、水銀プロセスと呼んだようである。

 つまりは、宇宙の存在全てはこの3つのプロセスの、父である塩プロセス、子である燐(硫黄)プロセス、そしてその均衡の聖霊の水銀プロセスの三位一体の原則からなるという。これらは、前回述べたように、人体のなかでは、心臓より上位の神経-感覚器官の塩プロセス、心臓より下位の新陳代謝器官の燐(硫黄)プロセス、そして心臓の律動器官の水銀プロセスの働きを意味し、植物のなかでは、根のなかに、塩プロセス、花や実のなかに、燐(硫黄)プロセス、そして、その間の葉や茎のなかに、水銀プロセスの働きを意味する。そして、これら塩プロセス、燐(硫黄)プロセス、水銀プロセスから、天体の配置が生まれ、その際、地球とその他の惑星の調停者は、水銀を生じる水星で、その反作用として、地球のなかにあらゆる鉱物の金属が形成されるという。これら天体に調和と秩序を与える太陽は、これら3つのプロセスを精巧に構成させ、物質としての金を生じ、霊と物質の調停者であるという。

 余談だが、この3つのプロセスを現代科学論で説くならば、内から外の塩プロセスの働きは、マクロ宇宙論では、ホワイトホールとして、外から内の燐(硫黄)プロセスの働きは、ブラックホールとしてもみなすことができるだろうし、またミクロ宇宙論では、塩プロセスを核分裂、燐(硫黄)プロセスを核融合としてもみなすことができるだろう。それらの均衡のなか、いわば水銀プロセスと呼ばれるなかに、物質現象が見い出されるのである。

 この3つのプロセスの三位一体の創造原理は、太陽系の天体構造のなかに見い出されるものだが、この太陽の天体構造は、人体のなかにその影響力をそのまま持ち込むという。人体には心臓を太陽とした太陽系があり、太陽の上位の火星、木星、土星の惑星群のなかに、人間の上部があり、太陽の下位の月、水星、金星の惑星群のなかに、人間の下部があるという。ちなみに、天王星と海王星は、太陽系に外宇宙からお客としてきた惑星なので、元々は太陽系の惑星ではないという。冥王星は、最近惑星とはみなされないものとなったが、神秘学では、以前から記述されていないようである。

 このような太陽系の空間構造は、人体内では時間構造に移りかわるという。人間の人生における前半期は、主に、太陽上位の火星、木星、土星の作用の影響をうけ、後半期は、太陽下位の月、水星、金星の作用の影響をうけるという。

 これと同様に、人生の成長を4つの体である、自我、アストラル体、エーテル体、肉体から考えると意味深いものとなり、誕生から歯の生え変わる約7歳までが、主に前世のエーテル体のエキスから物質体を展開させる時期で、現在、科学でいわれている遺伝的素養は、神秘学では、誕生前の天体の配列、主に、太陽上位の火星、木星、土星の作用の影響から生じ、その惑星群の、受胎前に人間に作用する分散と散乱プロセスの反作用から生じるものだという。

 7歳までが、主に肉体の形成で、このときの幼児の、エーテル体とアストラル体は、母親と共有したもので、依存しているという。だから、幼児は、母親の存在を的確に知覚できるという。7歳から14歳までに、徐々に母親から自らのエーテル体が独立し、肉体を制御するようになっていくという。このときに、肉体とエーテル体が共にかみ合わないような不具合が生じると、身体に不均衡が生じ、アストラル体が、これを調整する必要が生じるが、その際、アストラル体がその充分な力を有していないと、しばしば舞踏病のような物質的放出現象が生じるという。このような物質的放出現象は至る器官にみられ、とくに心的障害を示すものとなるという。

 舞踏病に類するものが妊婦にも現れるのは、妊娠によって、物質とエーテル体の調和が乱されるからだという。このときも、同様に、アストラル体の強化が望まれるという。



 このような人生の前半期の成長は、太陽上位の惑星群の作用を元に展開され、例えば、幼児期の骨化や硬化症のようなものは、上述のように、上位惑星群の地球に対する反作用から形成されるという。この惑星群の反作用は、いわば中心点に向かう波動のようなもので、いわゆる脱塩プロセスとしていわれるもので、土星が鉛を地中に形成するように、鉛のプロセスとも呼ばれ、鉛は、この脱塩プロセスを強化させるという。なので、鉛は、動脈硬化等、骨化、硬化症を引き起こす要素となるという。ちなみに、近年に、アルツハイマー病が、鉛毒からくるという論文もあるが、太古では、充分認知されていたことなのである。

 幼児期のこのような骨化、硬化症が適度な進行を超え、あまりに波動の中心点に過度な傾向をもたらすと、今度はこれを補正しようとして、正常な骨化へと止められるべき反作用が生まれ、後に、別の側面として、器官に様々な癌腫形成要因をもたらすという。

 つまり、過度な硬化形成作用は、逆に腫瘍形成作用へと転化されるのである。

 また、これと同じように、幼年期に必須として現れる脳水腫、水頭症のような症状は、脳と神経組織の正常な形成には必須のもので、この症状と共に、その反対の脳内の水が減少する症状も必須として生じるという。このような表面的には病気様の必須の症状が、充分にその期間に人体に展開されないと、後々に別様の疾患として発症するという。例えば、水頭症の症状があまりに早く取り除かれてしまうと、後に梅毒等の感染症に抵抗力のない罹り易い人体になるという。

 このような幼児必須の症状と同様に、少年少女期にも、必須の肺炎、胸膜炎に類似した症状が現れるという。これは幼児期に水頭症のようなプロセスが進んだ御蔭で、人体に自ら水のような液体を生み出させ、生体組織全体を液体的なものに下降させたせいで、逆に、肺炎、胸膜炎的症状を生み出させる素質を生じたせいであるという。

 これも水頭症の早めの除去と同じように、このときの肺炎、胸膜炎に類似した症状をあまりに早く除去してしまうと、後に、急性を含めた心内膜炎等の心臓疾患並びに、多発性関節炎等に罹り易い体質を生じてしまうという。

 だから、人体に対して、外見的に健常、病気を問わずに、適度な内的展開を加味しないと、そのとき、人体を外見的物質的に正常な状態に矯正したとしても、後に災いをもたらす要因のものとなるというから、医師は充分な観察経過、とくに直観力が問われるという。

 硬化症と腫瘍形成の均衡と同じような両極性は、人間としての自我の担い手である1つの組織体の形成プロセスと、その個々の細胞プロセスにみられるという。人間を形成する形成力は、太陽系のなかの天体の配置にあるもので、それが人間にそのまま反映したもので、細胞は、これを破壊しようとする我儘で独自な存在だという。人間の全体のなかに人間としての存在の形成力があるのであって、細胞自体はあくまで利己的で独自に生命を展開しようとする我儘な存在で、人間は、これらの我儘な細胞と、生体組織のなかで、闘っているのだという。つまりは、人間形成力は、細胞生命力を克服した上に成り立つものなのである。

 だから、人間の形成プロセスと細胞プロセスにおいて、2つの対立する力の複合体が現れて、諸器官は、この中間に位置し、どちらが優勢であるかによって、肝臓や、心臓になったりして、均衡をとっているという。

 宇宙の形成プロセスが、人間にうつり、細胞プロセスを克服することで、人間という存在を形成しているという。細胞は生命的に我儘に自らを展開しようとするので、水星の調停作用である水銀の作用により、細胞が展開する過度な生命力を奪いとり、そのせいで、細胞は、水銀のような液体存在となるという。こういう水銀、水星の作用が人体に働かないと、器官は中間状態を逸脱し、増長する傾向にあるという。

 三位一体の原則を考えると、このように、天体の配置が人体の機能に影響を及ぼしていることがわかるだろう。





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Last updated  2006年10月17日 22時40分00秒
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