シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2007年01月21日
XML
カテゴリ: 神秘体験空間
 人間は、好き嫌いや価値判断を、他者に求め、共感、或いは反感することができるが、動物は、そのようなものはないという。端的にいえば、人間は、人間同士で教育し合えるが、動物は他を教育しようとも思わないのである。

 ところが、このお互いに対立する自我の領域に接して別の領域が存在しているという。精神世界では、ライオンの魂たちは全く同様なことを行っていて、ライオンにとって個々のライオンは糸の先についた多くの踊るボールにすぎないという。そのため、秘儀参入の第一段階に達した人たちが、新しく獲得した意識を持って動物界の真の本性を見ると、ちょっとしたショックを受けることになるという。

 新たな世界に参入すると、次のように感じるという。我々もまた本来この別の世界に属しているが、我々は、これ(自我)を地上に引きずりおろしている、と。動物は自身の中の司令塔のようなものを、いわゆる集合魂、或いは種の魂をこの別の世界に残してきているという。

 地上で見ることができるのは四つ足の動物だけで、動物が精神世界に残してきたものを地上に引きずりおろし、その結果、動物とは異なる形態を、我々人間は獲得しているという。我々の中に生きているものもまたこのような高次の世界に属しているのだが、人間存在の我々は、この自我を地上に引きずりおろしているという。

 第一段階の秘儀参入者は、このようにして、別世界を知るようになるが、それは動物たちを媒介として知ることになるという。けれども、それには更なる意識形態が必要になるという。つまり、夢の意識を目覚めの生活へともたらす必要が生じるという。このことによって、動物界の内的な成り立ちに対する洞察を獲得することができるという。

 この第二の世界は魂の世界、あるいは物理的な世界と区別するために魂界またはアストラル界と名づけられるという。我々は別の意識形態を通して、このアストラル界を知るようになるという。このように日常的に存在する世界とは異なる世界への洞察を、別の意識を通して獲得する必要があるという。

 魂の生活をもっと更に強化し、活性化することも可能で、集中や瞑想を行うだけでなく、強化された魂の内容を再び排除するように努力することも可能であるという。魂の生活を強化し、思考と感情を強めるという最も骨の折れる努力の末に、それを再び変化させ、最終的に無に帰すことができる地点にまで至れるという。そのとき、我々は「空になった意識」の状態と呼ばれる状態に帰着するという。

 さて、普通、「空になった意識」の状態は眠りを誘起するという。このことは次の実験で確かめられるという。まず、被験者から全ての視覚的な印象を取り除き、闇の中に置き。次に、全ての聴覚的な印象を取り除き、沈黙に包まれるようにする。そして、他の全ての感覚印象を奪うように努めると、被験者は徐々に眠りに落ちてしまうという。

 このようなことは、もし、あらかじめ我々の思考や感情を強化していれば、起こり得ないことであるという。我々の意識を意志の働きによって空にしたとすれば、このような場合でも起きたままでいることが可能であるという。そのとき、その人のなかでは、現象世界はもはや存在せず。我々の通常の思考や記憶は忘れ去られるという。



 ここで、新しい意識とその精神世界との関係を特別に理解するために役立つものが外的な自然の中にあるという。丁度、動物界を普通とは異なる方法で知覚することによって通常の意識よりも一段高い意識に気づいたように、それとは全く異なった方法で構成されている植物界の中で、この新しいレベルの意識を認識することができるという。

 通常の意識では植物界はいかに見えるかというと、緑々とした牧場の至る所に鉱物的な地球の中から花々が咲き出ているのが見える。青色や金色、赤や白の花々、そして活力ある緑の中に、目の前に絨毯のように広がる植物界の美しさの中に喜びを感じるだろう。地球が花と植物に彩られたこの光り輝く衣に包まれるのを見て、我々は心を躍らせ、喜びに満たされるのが一般的だろう。

 そして、目を上方に向けると、眩しく輝く太陽、透き通った昼間の空や曇った空があるだろう。この天と地球の間に、花々に彩られた野原を見下ろし、そして空を見上げることとの間に何らかの関係がある、ということに人々は気づいていないという。

 昼間、目の前に広がるこの花のカーペットを見て強烈な喜びを感じた後、夏の一日が終わって夜の帳が下りるのを待つと仮定するならば、目を天蓋に向け、星々が空いっぱいに広がる様々の輝く星座として配列されているのを見るだろう。そして今、新しい歓喜が上方から魂を捕らえるだろう。

 昼間、地上を覆う植物を、心を内的な喜びと歓喜で満たすものとして見下ろすことができ、そして夜空を見上げれば、昼間にはあれほど青く見えた空に今や光り輝く星々が散りばめられているのが見られるだろう。我々は、魂に現れる美しい空を見て内的な喜びを感じるが、これが通常の意識による反応といえるだろう。

 もし、意識を空にしたまま、目覚めた意識にとどまり、精神に浸透された意識を完成させたならば、昼間植物に覆われた地球を探求し、夜には煌く星々を見上げるとき、次のように感じることが可能になるという。

 確かに、昼間、花々が散りばめられた地球の豊かな彩りが我々を喜ばせ、魅惑したが、本当のところ、人間は何を見ているのだろうかと問うならば、無数の天の星々を見上げると、空になった覚醒意識、つまり全ての地球的な外見的内容を除去された意識には、星々は、輝いたり煌いたりするだけのものでなく、実に様々の形態をとるものとして顕れるという。

 何故なら、あの高次の領域には、素晴らしい真髄の世界、すなわち壮大で力強く崇高な動きと流れが至る所に存在しているからだという。このような光景を前にして、感謝に満ちた尊敬と、尊敬に満ちた感謝の中で頭をたれ、その崇高さを認識するという。秘儀参入に至る中間段階にさしかかると、このような認識に至るという。

 そして、植物の起源が高次の領域に横たわっていることを知るようになるという。以前では、個々の星々の閃きと輝き以上のものではないと考えていたものが、真の植物存在であり、この段階に達した人は初めて見るのだが、例えば、今までは、すみれそのものではなく、ただ朝露の中にあるすみれの花の上の一滴の露を見ていたかのように感じるという。

 我々現代人は、一般的に1つの星の中に1つの輝く露を見るが、実際には、動き、流れる力強い世界がその背後に横たわっているという。秘儀参入の中間段階に達した人は、植物界とは本当は何なのかを知るという。そのとき、植物界の真の姿は地上にはなく、壮大で力強く、崇高な大宇宙の中に見出されるという。そして、昼間、彩り豊かな花のカーペットの中に見ていたものは、高次の世界が反射したイメージであることに気がつくという。

 秘儀参入の中間段階に達すると、真の形態や存在たちが動き、流れる大宇宙が地球の表面に反射していることを知るようになるという。鏡を覗き込むとき、自分がそこに映し出されているのを見るが、鏡に反射しているのはただ、我々の外的な形態(外見)であり、魂ではないことを知るだろう。天は地球にそれほどはっきりと反射されるのではなく、黄色、緑、青、赤や白の植物の色として映し出されるという。植物は、いわば、天が地に反射された像、影のように微かな天の反映であるという。



 中間段階に達し、1つの新しい世界を知ると、その高次の世界には「植物人間」、すなわち自意識を付与された存在が見いだされるという。なので、現象世界とアストラル界の他に、第三の世界、真の精神世界を発見することができるという。星々はこの宇宙的世界の雫であり、植物は雫が反射したイメージであるという。

 その外見は、鏡の中の反射像が現実を表現していないように、現実ではないという。すなわち、植物は、地球上におけるその外見的な表現であり、実体ではなく、1つ1つの星々が雫のように輝き出している超越的な世界の無限に多様な豊かさとの関係で言えば、その反射像に過ぎないという。

 そして、この中間段階の人間は、高次の領域にある真の植物存在と同じものを自分の内に担っていることに気づくという。植物が精神世界に残してきたもの、というのも、真の植物存在は、精神世界に滞在し、地球に送り込むイメージが、地球により地球実質(固体)で満たされるに過ぎず、そのイメージを鏡像生命として投影しているだけであるという。

 人間の魂の本性は、高次の世界に属し、植物界でいう反射像の世界に持ち込むが、人間の魂は、像であるだけでなく、地球上においては、実際、魂を持った精神的な存在でもあるという。なので、人間は地球上において三つの世界に参画しているという。

 人間は物理的世界に住んでいるが、自意識を持った動物はこの世界にはなく、同時に人間も住んでいるアストラル界に、動物たちの自意識は存在しているという。人間は、このアストラル界を物理世界の中に引き下ろしているという。そしてまた第三の世界、真の植物存在が住む精神世界にも人間は住んでいるのだが、植物存在が反射像だけを地球に送り込んでいるのに対して、人間は、魂的生活の現実を地上の世界に引き下ろしているといえるという。



 秘儀参入の初歩段階;アストラル界にある動物の自我(自意識)を知る
 秘儀参入の中間段階;精神世界にある植物の自我(自意識)を知る 

 秘儀参入の中間段階に至ると、自然における三つの世界を理解し、人間が自らのなかに、これら三つの世界をもつことを知るという。植物が星々に至ることを、ある程度感じられるという。植物を見るとき、ここ地球上には、植物の反射像、真の現実性から引き離された像のみを表している存在がいる、と感じるという。

 夜、星々に眼差しを向ければ向けるほど、植物の高次の世界の中にある真の存在を益々感じるようになるという。地球から天を仰ぎ、宇宙が地球と1つであることを知覚するとき、自然の世界を1つの全体として見ることになる。

 そして、人間としての自分を振り返って、我々は、植物においては、天に至るあの要素(自意識)を、地球的な存在性の中へと取り出した。そして、我々自身の中に、物理世界、アストラル界、そして精神世界を担っているのだ、といえるという。

 客観的ではっきりとした知覚を発達させること、様々の領域を通過しながら精神の世界に至るまで自然を追求すること、人間に対する洞察を、精神的な本質に至るまで獲得すること、これらが精神的な探求において踏み出すべき最初の一歩であるという。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007年01月21日 09時04分08秒
コメント(0) | コメントを書く
[神秘体験空間] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: