シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2007年02月19日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 そのとき、元素の世界を覗き、周囲の至るところに土、水、空気、及び火を知覚していたことだろう。土とその粗雑な物質、水とその液体要素の間に、更なる区別をつけ、分類しようなどとは少しも思わなかっただろう。

 現代人は物理的な感覚を持った存在として元素の世界に通じている。けれども、ここで既に記述されたことを意識する瞬間、また、人間の中では、頭蓋の空間へと駆け戻る感覚神経が更に差別化され、特殊化されると同時に、その感覚神経領域において、脳という感覚神経統合器官の原型の兆候が形成されることに気づくという。

 その結果、我々は、それ以上深く自分自身の中に入らなくなる。つまり、我々は外に向かうようになり、誕生から死までの間に経験するものを、土、火、空気、及び水という四つの元素の性質に付け加えるという。

 大脳は頭蓋空間へと駆け戻る感覚神経索の段階的な変容に基づいて発達するという。人間の中で自分自身へと押し戻される、この大脳は、誕生から死までの生活においてだけ意味があるもので、精神的な世界に関する理解にとって、この大脳からなる知性は、ほとんど重要ではないという。

 我々の世界と境を接する最初の精神的な領域に参入しようとするときでさえ、知性は沈黙させられなければならないという。大脳は、より高次の(精神的な)知覚を妨害する器官であるという。しかし、知性が沈黙させられても、我々人間は感覚的な経験からは逃れられないという。

 そのためには、感覚を精神化し、イマジネーションを達成しなければならないという。通常の過程では、感覚に導き出された外界のイメージは、感覚により受け取られ、知性がそれらを抽象的で死んだ思考へと変化させるという。

 もし、我々人間が知性を沈黙させ、それでも感覚を通して世界を経験することができれば、あらゆるものをイマジネーションの形で受け取ることになるという。そのことを意識し、通常の生活における意識を、より高次で、より精神化された状態へと発達させることによって、ついには人生に対する、より深い洞察が得られるのということに気づくようになるという。

 目や耳のように、我々の体の周囲に配置された器官は、元素の世界と絶えず連絡を取り、死後数年を経た死者を知覚しているという。この世界についての知覚が失われるのは、知性が介入するからだという。人間の周囲に配置された器官は精神的な世界、死者の世界を仲介するが、この世界、土、水、火及び空気の4大元素の世界は、知性的な意識によって消し去られるという。

 人間は、明白に規定された輪郭を持つ物理的な世界、誕生から死までの間に滞在する世界だけを見る。これとは非常に異なって秩序づけられた第二の世界が本当に存在するということは疑いのないことだが、このような世界は知性によって消し去られ、人間が眺めるのはただ日常意識にとって見慣れた世界だけであるという。



 動物の場合、大脳が発達していないために、これらの知覚に与ることができるが、自我意識をもっていないため、その知覚は精神的(理性的)ではなく、原始的な魂の力にのみ浸透されているという。動物は人間のように感覚が精神に照らされたときに、知覚するものを、周囲の世界に知覚しないという。動物の知覚は人間の知覚と同じ種類なのだが、劣ったものであり、個的なものになっていないという。

 金属に関して、いわゆる鉱物世界の現実の実質に関して、これから記述することは、必要な留保をもって受け取る必要のあることだという。以前、金属の性質を通して、魂を内的に活性化させることについて、つまり言い換えれば、金属との内的な交流を、道徳的な意味で発達させることが、今日の人間の精神的な発達における枢要な部分をなすことに関して記述したとき、注意を促した。

 効能(希釈)化された金属の人体組織に対する処方は臨床医の役目である。なので、既に議論した以外の金属の知られざる要素に関して、記述しようとしていることを、必要な留保をもって受け取って欲しいという。特に水銀の秘儀は精神的な面から世界にアプローチする人たちにとって、すなわち物理的な実質の中に精神の働きを知覚することが可能な人たちにとって、特別な重要性を有しているという。

 ただし、金属の水銀は、精神(秘教)的学問が、水銀という一般的な言葉で呼ぶもののほんの一部に過ぎない。水銀とは液体金属の性格をもつ全般を含んだものであるという。今日知っているような自然界には、秘教が呼ぶような性格に与る金属、水銀と見なされる金属はたった一つ、つまり水銀しかないが、本来、これは水銀という種を構成する一つに過ぎない。

 秘教学においては、水銀とは水銀(液体)的な性質をもつ全般を包含しているという。水銀は、単に水銀の典型例と見なされるに過ぎない。

 この水銀には奥深い秘密があり、水銀の人間に対する影響とは、人間が物理世界の全ての印象から、そして元素の世界からも、引き離されるというものだという。

 秘儀参入者は、人間の脳のような器官が、物理的な世界から作り上げられたのを知っているという。また人間は、この物理的感覚の世界から、他の多くの器官を作り上げたが、特に、物理的な生活には不可欠の一連の腺組織全体を作り上げたという。

 更に言えば、第二の意識レベルに関係する世界として記述された世界からも、多くの器官が作り上げられたという。銅と鉄は人間をこの第二の意識レベルに引き上げるという。水銀の影響は異なり、それは宇宙の中に必須のものだという。そして、水銀(液体金属)は、実際、微細な拡散状態で普遍的に存在しているという。我々はいわば水銀(液体金属)の大気に取り囲まれているという。

 人間が通常以上の量の水銀を吸収する瞬間、人間の有機体は、物理世界と元素の世界から作り上げられた全ての器官を中和しようとし始めるという。そのとき、人間のアストラル体がいわば刺激され、星の世界から作り上げられた器官にだけ頼るようになるという。

 なので、水銀の金属性に、つまりその金属的かつ液体的な性質、水銀に特徴的な要素、基本的に手で感じられないほど微細でありながら、それでも人間に関係する要素に意識を集中するやいなや、人間は「第三の人間」に浸透されるようになるという。

 人間は銅との関係を通して内的な緊張を創り出すと同時に、肉体を捨て去り、死後間もない死者たちを数年にわたって追っていくことができるような第二の人間に内的に浸透されるようになることは、既に述べた。



 というのも、人間は、心と感覚を失ったかのように、内的な発酵状態、乱れと流れ、脈打つ生命と動きの中にあるかのように感じるという。そして、彼はこの内的な活動が外の活動と一つになっているのを感じるという。

 既に記述したように、水銀を用いることなく、この状態は内的な生活の意識的な訓練によって生じるという。水銀の活動的な影響を通して、人間は脳の存在を感じることをやめるという。脳は空虚な空間になるが、かえって知性を失い、それが精神的な世界の知覚にとって有益なことになるという。

 何故なら、脳は、精神的な目的にとって全く役に立たないものであるからだという。彼が実際に感じるのは彼の有機体全体に浸透する(流体的な)動きと活動であるという。とはいえ、この発酵は最初、内的な消耗に苦しむのと同様に非常に苦痛に満ちたものであるという。





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Last updated  2007年02月19日 19時15分34秒
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