シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2007年02月21日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 前回述べたように、彼女はギリシアのパーセフォニーと同じ存在で、以前、彼女の眼差しは、より地球へと向けられ、つまり、彼女は死後間もない人間の生活に関する経験のように、まだ地球の領域に結びついたものを明らかにしたという。

 今、彼女は「振り向き」、人間の下方には地球、そして元素の世界、上方には星の世界があり、地上で植物や動物に囲まれていたように、今、その人間の周りには星の世界がある。彼はもはや壮大な星の世界を目の当たりにしても、自分がとるに足らないものであるとは感じないという。星の世界は、彼のそのときの大きさで比較すれば、丁度、地上における周囲の環境との関係で感じるのと同じように感じられるという。

 そのとき彼は、その身の丈が大きくなると共に、星の世界へと成長したという。しかし、そこでは、その星は地上から見るような星ではなく、そこは精神的な存在たちのコロニーであることが分かるという。再び既に述べた世界、つまり錫の金属性との関係を通して、人間の中で目覚めた世界の中にいるという。既に述べたように、水銀と錫の間には内的な関係があり、水銀は、人間の存在のある一定の部分に働きかけ、分離し、外的、物理的には星の世界として表現される精神的な世界をもたらすという。

 けれども、そのとき意識状態が変化したため、今や異なる世界の中にいるという。つまり、その意識はもはや感覚や脳によって決定されるのではなく、水銀の金属性が、有機体から引き出したものによって決定されるという。

 全体として異なる世界の中に、星の世界の中にいる自分を見出すという。しかし、このことは別の方法で表現することもでき、「星の世界」という言葉は空間的なものを暗示しますが、今や本当に、この新しい意識レベルを達成することを通して、誕生から死までの間、空間的に存在する世界を後にし、中間的な世界、死から再生までの間、滞在する世界に参入することができるという。

 これが水銀の隠された秘密だという。つまり、水銀は人間を現象世界から引き離し、中間的な世界への扉を開くが、それが可能なのは水銀が人間存在の部分、つまり地球から導き出されたのではなく、中間的な世界の存在たちによって、人間の中に植え付けられた部分と内的な関係を有しているからだという。そのとき人間が経験する液体の循環は、彼が死から再生までの間に通過する世界によって決定されるという。

 このとき、ある別の事柄に関して知るようになるという。それもまたブルネットー・ラティーニが女神ナチュラの影響下に受け取ったものだというが、宇宙的な液体の循環に関連した液体の循環の中で生きている、ということが意識されるようになるという。

 このとき、肉体という乗り物を感覚から導かれた意識と共に脱ぎ捨て、死から再生までの間に滞在する世界にいる自分を見出すという。そして、液体の循環の本性に通じるようになると共に、いかにこの内的な活動が、つまり、死と再生の間に滞在する領域が精神の4つの気質、多血質、胆汁質、憂鬱質、或いは粘液質という性質を決定したかを理解し始めるという。

 このとき、人間の成り立ちに関しては、感覚のみに頼るとき以上に深い洞察を有することになるという。粘液質として生まれるとすれば、自分の鈍感さ、自分の無精が前回の死と今回の誕生との間のこの領域の経験によって決定された、ということに気づくという。しかし、物理的な液体循環の中に自らを顕現する、この気質との関連でもう1つの要因に関して考慮する必要があるという。



 様々な精神的な気質を省みるとき(そして、女神ナチュラがブルネットー・ラティーニに精神的な気質の存在とその本質に関する目を開かせたことは、彼にとっては圧倒的な経験だったという)、死と再生の間の生活が液体の循環と関連する、これら四つの異なる精神的気質の本性を決定したと結論づけられるという。もし、もっと深く探索するならば、運命を司るカルマが、その中で役割を果たしているのが分かるという。

 たとえ、この特筆すべき液体金属である水銀の物理的な面を充分に熟考するとしても、水銀を理解し始めるのは、その隠された秘密、すなわち液体水銀の微細な一滴が、秘儀参入者に奥深い秘密を明かすようなことを、充分に意識するときだけであるという。この滴は死と再生の間の世界にその起源を有し、その構造を、その世界に負う器官の中に精神的なものを浸透させることができるという。

 死と再生の間の経験は、流体性のものであり、秘儀参入者はこれを水銀と呼び、このなかでカルマが、前回の生と未来の生への展望から決定され、この精神的な流れが、人体の器官を物理的に形成し、そのなかに、精神的な気質を流れ込ませるという。

 このように、世界のあらゆる事物は相互に織りなされ、関係づけられているという。物質的なものは幻想で、そして、物質の観点からは精神的なものもまた幻想であり、抽象に過ぎないという。実際、物質的なものは精神的なものに、そして精神的なものは物質的なものに織りなされているというのが真実だという。

 真実(精神的なもの、物質的なもの)

 もし、中間的な領域に、実際に起源をもつ人体器官に関係する障害が、人間の有機体の中で発生したら、その障害を修復するような力を活性化する必要がある。死と再生の間の生活に起源を有する循環器系の不具合を持つ患者が医師の診察を受けると仮定する。すると医者は、その循環器系統が精神的な世界との結びつきを断たれているような患者に直面することになる。これがこの患者の診断病歴となる。精神的な要素と物理的な診断との関係は、以前に示唆したような意味で理解する必要があり、誤解のないようにもう一度繰り返すと、この患者の循環器系は精神的な世界から、酷く断たれているという診断になるという。このような場合、何が処置される必要があるのだろうか?

 循環器系と精神的な世界との結びつきが回復されるように、体内に金属性を導入するのが正しい処置であるという。これが水銀(液体金属)の人間に対する作用であるという。水銀は人間の有機体に対して、精神的な世界からのみ築かれ得るような器官が、その精神的な世界との関係を断ち切ったとき、それらを再び接触させるような方法で働きかけるという。このようにして、意識状態に関する知識と病気に関する知識との間に存在する、幾らか危険で、同時に必要な関係を理解できるという。このようにして、一方の知識が他方に移行するという。

 このような事柄は古代の秘儀では決定的な役割を果たしていたという。以前、触れたような事柄にも光を当てるような、次のことを考えてみる。自然の秘密に関しての女神ナチュラの教えを通して、彼女に気づくことができた古い精神的な視界が失われていた時代に、ダンテの教師であるブルネット・ラティーニがスペイン大使の地位を離れ、興奮状態の中で帰ってきたという。

 生まれ故郷に近づき、彼の党である、ゲルフ党の運命が聞こえてきたとき、彼の興奮は高まり、彼はこの全てを、彼のもとに若干の発熱がやってくるような心の状態で経験したという。正に秘儀参入者が呼ぶ、水銀の金属性が周囲から働きかけたという。

 若干の発熱を、どのように理解すればよいかというと、それは環境中の水銀、宇宙全体に細かく分散した水銀の影響を感じることを意味しているという。ブルネット・ラティーニは、この水銀の影響を経験した結果、人間がそのような経験に与ることができない時代にも関わらず、精神の世界に近づくことができたという。

 このようにして、人間の中には、自然科学が見出すものや死後、数年以内の死者と接触を持つ人が見出すものが存在するのみでなく、人間の根本的な存在は、もっと遥かに崇高なもの、死と再生の間に生きる、純粋に精神的な領域にも関係しているということを理解するようになるという。





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Last updated  2007年02月21日 19時44分31秒
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