シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2007年02月22日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 通常の科学的な手続きによって例えば肝臓や肺の形態を理解することができ、もう一段高次のレベルの知識(そして、その知識は、より粗雑な側面においてのみ現代物理学に知られているに過ぎないという)をもってすれば、感覚器官の構造を理解することが可能だという。だが、秘儀参入の知識を通して、その一段高次の知識に近づく以外には、直立姿勢をとる人間の循環器系が示す奇妙な特徴や不思議な金属の特質を理解することは決してできないという。

 このことが示すのは、秘儀参入の知識なしに、ここに記述した意味で病気の本性を理解することは決してできないということである。何故なら、金属が病気を癒すことが可能なのは、その物理的な性質によるものではないからであるという。

 金属の物理的な特質に関する理解をもてば、脳の損傷を癒すことは可能だという。しかし、循環する液体の障害を治療することは不可能だという。ただし、このように金属で治癒可能と言うことは実際、厳密に正確ではないという。何故なら、金属の物理的特質によって治療できるのは脳の最も粗雑な実質だけで、脳内には液体も循環していることから、現実には金属だけで脳の損傷を治療できるわけではなく、精神的(秘教的)な知識の助けがあって、はじめて可能といえるからだという。

 確かにそうかも知れないが、シュタイナーの唱えた治療芸術では、今日の医学の成果をどのように説明するのか?と問われるなら。それに対する答は、現代医学的に治療が可能なのは、それが金属の精神的(秘教的)な要素に関する古い伝統的な知識の記憶をいまだ保持しているからである、というものであるという。

 現代医学が使用しているのは、伝統的な知識と、ほとんど役に立たない、純粋に物理的な発見の組み合わせであるという。もし、唯物主義が伝統的知識の犠牲の上に立って勝利を収めるならば、化学療法だけでは、いかなる根治的治癒作用ももたらせない、ということになるという。今新たに精神的(秘教的)なものに接近しなければならず、何故なら、太古の超感覚的な能力に関する古い伝統的知識は徐々に失われていくような人間進化における一地点に立っているからであるという。

 銀の金属性の背後にある秘密は非常に特別な種類のものであるという。銅の背後にある宇宙的な衝動(形成力)が、最初の高次レベルにある意識を人間の中に目覚めさせ、水銀の背後にある別の宇宙的な衝動(形成力)が星の世界、つまり死と再生の間で滞在する精神的な世界に関係する第二の高次のレベルにある意識を目覚めさせるならば、銀の金属性は全く異なる段階の意識を目覚めさせるという。

 人間が銅と水銀の本性に対して採用したのと同じプロセスによって銀に対する人間の関係を強化し、高めるとき、人間は、内にある、より奥深い組織に関係するようになるという。人間は水銀によって、リンパ液の循環システムに関係づけられるが、銀によって今度は、宇宙の循環、宇宙の精神性に関係づけられるようになるという。銀に対する人間の関係を強化することは、前世から生き残っている全ての力と衝動(形成力)との直接的な接触をもたらすという。

 もし、人間が銀の奇妙な性質に集中するならば(そして、それは、ときとしてその効果が表れる以前かもしれないという)、自分の内部で、液体の血管中における循環だけではなく、血流に乗った熱の循環にも関係する力に集中することになるという。そのとき、当の人間は、人間としての地位を、血液中の熱の循環に、つまり物質ではあるが同時に血液中の精神的な要素でもある、ある種の内的な熱を感じることに負うことになるという。そして、この熱の中に、前世からの力が活発に働いていることに気づくという。人間の銀に対する関係の中に表現されるのは、血の熱的な活動に影響を及ぼすことが可能なもの、そしてまた前世との精神的な結びつきを提供するものであるという。

 なので、銀は前世から現世にまで生き残っているものを人間に思い出させるような金属としての効能を保持しているという。



 人間との関係で銀の力を指し示すときには、直接この力に訴えかけているという。銀の秘儀はこのようにして人間の前世に関係しているという。銀は精神的なものが全てに浸透していること、物理的な世界においてさえそうであることの驚愕すべき例の一つであるという。銀を正しく理解する人は、それが人間の繰り返される地上生の象徴であることを知っているという。

 なので、銀の秘儀は生殖とその秘密に結びついているという。何故なら、人間の存在が世代から世代へと繰り返されるのは生殖の過程を通してだからで、以前の地上生の中にあった精神的な存在は生殖過程を通して再び受肉するという。これは血の秘儀と同じ秘儀で、血の秘儀、血の熱の秘儀とは銀の秘儀のことであるという。

 これまでの記述で、今や人間の正常な状態について知るようになった。次に、その異常な状態についての探求へと進むことにする。さて、血はその熱を、人間の現在の環境からではなく、前世において通過した領域から取り出す必要があるという。人間の血の熱が、精神的に前世に結びつけるものによって活性化されず、現在の環境の影響を受けると想像すると、その場合、結果として病理的な状態が生じるという。

 その病理が生じるのは血の熱に結びつくもの全てが、現在の自然の関連から、つまり以前の地上生からではなく、そこから分離されるからだという。発熱とは何なのか?と問うなら、神秘(秘教)学の立場から言うと、発熱は人間の有機体が輪廻転生との関係を断ち切ったために生じるという。もし、ある病気において、患者の有機体が以前の受肉から切り離される危険に陥るように、外的な世界によって働きかけられているということが確かめられたならば、太古の医者は治療のために銀を処方するという。

 この種の非常に興味深い例が、アーレスハイムのベークマン博士の医院で見られたという。精神生活においては、今述べたような状態が突然生じることがあるという。血の奇妙な特性のために、人間の有機体が外的な状況を通して、以前の受肉からの突然の分離、遊離に脅かされるという。そして、このことが正にベークマン博士の医院において、ある患者に起こったことだという。

 痙攣していた患者が、突然予期せぬ高熱、通常の医学が言う原因不明の熱を発したという。ベークマン博士は、先験的な理解をもって直ちに銀治療を施したという。患者の話から、その患者が完全に宇宙的な関連の図式を示していることが明らかになったという。このようなことから、一方では、人間の精神的な進化に結びついているものと、他方では、病理的な状態に導くものとの間の相互作用について、どのように処置すればよいかに関して学ぶことができるという。

 秘儀参入者が地上における以前の生を探求できるのはいかなる方法を通じてか?と問うなら、普通の人生の場合のように、前世に結びつけられ、カルマに巻き込まれている限り、通常の意識をもって前世を振り返ることはできないという。

 前世の影響は現世の中で感じ取られるという。人間は、自らのカルマを、その影響の下に成就し、人生はカルマによって決定されるという。これらは通常の意識なしには、振り返ることはできないが、もし、前世を振り返りたいのであれば、しばらくの間、通常意識の限界を超える必要があるという。そして、前世を客観的に見ることができるようになったとき、前世を振り返ることができる位置に立つことになるという。

 勿論、全く正常な方法で、現状に復帰できなければならず、そうでなければ、秘儀参入したのではなく、精神異常の人になってしまうという。

 これは精神的な成長の過程で生じる現象であるという。人間は、自らを前世につなぎ止める、もやい綱を解くという。異常な場合や病理的な状態では、病気がその働きを行うという。

 病気とは、人間が精神的な視覚やその他の意識レベルを達成するために、通常は、より高次の領域において達成しなければならないものを、低次な領域において、異常な方法で示す表現なのだという。



 このように、例えばカルマに関連する全ての病気に対する素晴らしい治療法となる銀の金属性に関する探求は、銀の秘儀から発し、その他の深遠なる秘儀へと導く。人間における、様々な意識状態に関連した金属的な(精神的な)本性について記述してきたが、今度は、これらの意識状態に対する探求を、これらの状態を通して、到達が可能な別世界との関連へと広げていくことにする。つまり、次回は、精神的(秘教的)な知識に向かう正しい道に関して、より詳細に探求することを提案する。





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Last updated  2007年02月22日 21時36分07秒
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