シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2007年03月01日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 つまり、秘儀参入の前段階において、自らの人生の精神的な総括が求められるのである。だから、秘儀参入には、少なくとも35歳(7歳×5段階)以上の人生経験(主に精神的な体験)を必要とするといわれている。 誰も他人の人生を生きることはできず、自らが自らの課題を背負って生きているのである。

 さて、人類の歴史においては、誰かを選んで秘儀参入に向け、準備させる、ということが、いつの時代でも行われてきたという。しかし、極端な唯物主義の時代、つまり15世紀以来今日に至るまで、これはある程度中断されているという。この間に、秘儀に参入することの真の意義が忘れられたという。

 人々は認識への欲求を、秘儀参入無しに満足させることを望み、そのため、物理的な世界だけが適正な探求の場であると徐々に信じられるようになったという。しかし、実際のところ、物理的な世界とは一体、何なのか?と問い、その物理的な側面だけを考慮したとしても、全てを物理的世界で説明することはできないという。

 物理的世界は、それを満たす精神を理解できたときに、はじめて理解することができるという。人類はこの認識を再び取り戻す必要があるという。現代人は今、岐路に立っている。世界は分裂し、益々混乱の様相を呈している。けれども、この混乱、逆巻く闇、全てを破壊しようとする暗い熱情の真っ只中で、人間の中に新しい精神性を目覚めさせようとして苦闘する精神的な力の存在に気づいている、先験的な認識を有する人たちがいる、ということも知っているという。そして、秘教が未来に準備するものは、唯物的な時代の大騒ぎの真っ只中でも、まだ聞くことができるこの精神の声に耳を傾ける姿勢を提供することであるという。

 人間は、いつの時代にも、精神的な世界を知覚するようなやり方で、人間としての組織を発達させようと努力してきたという。時代によって条件は変化するが、古代カルディア時代、或いはブルネット・ラティーニの時代を振り返ると、人間は今日に比べて肉体やエーテル体にもっと緩やかに結びつけられていた、ということが分かるという。人間が、肉体やエーテル体にしっかりと固定される、というのは当然の成り行きであるという。

 つまり、それは今日の教育からいって避けられないことであるという。いずれにしても、多くの場合、歯が生え替わる前に読み書きを学ぶように強いられる現状なのに、どうして精神的な存在たちとの交流を期待することができるのか?という疑問が問われるという。なぜなら、天使や精神的な存在たちは読むことも書くこともできないからであるという。

 読み書きは人間進化の過程で、物理的な条件に対応して発達してきたという。そして、もし、人間の存在全体が純粋に科学的な探求へと方向づけられているならば、肉体やエーテル体により硬く密接に結びつくことはあっても、そこから退くことは明らかに困難になるという。

 現代は、現代人が肉体とエーテル体から離れている睡眠中には、いかなる精神的な経験をも持つ可能性がない、というような方法で、現代の文化生活全体を秩序づけることに一定の満足を見出しているといえるという。現代の文化を罵倒したり非難したりするつもりはなく、それは現代の不可避的な表現であるという。後で、その意味について議論するが、さしあたりは、物事とは、このようなものとして受け入れる必要があるということを強調しておきたい。

 太古の時代では、アストラル体と自我は、目覚めの状態においてさえ、今日に比べて肉体とエーテル体にもっと緩く結びついていたという。秘儀参入した人たちもまた、彼らにとって自然であった体の緩い結びつきに頼っていたという。実際、遥かな過去においては、ほとんど全ての人が秘儀に参入することができたが、人間の地位を超えて上昇することが、誰にでも可能であったのは遥かな過去の時代、古代インドや古代ペルシャの時代だけだったという。



 ここで、今日の人間も、秘儀参入するとき、同様の限界に左右されるのか、という疑問が生じるが、ある程度、そのようなことがあるという。ここでは、精神的な世界へと導く真実の道と偽りの道に関して、十分かつ明確な説明を加えるつもりなので、今日の秘儀参入への途上に横たわる困難に関して指摘する。

 古代人は、秘儀参入者になるにあたって、その自然に備わった資質に依存していたという。現代人もまた、秘儀参入の入口まで連れていくことはできるという。実際、適切な魂の訓練を通して、精神的な視覚を発達させ、精神的な世界を知覚することができるように、アストラル体と自我組織を形成することができるという。

 しかし、精神的世界を覗く、この視覚を完全なものにし、完成させるためには、今日でもなお、何か別のもの、極端に微妙でデリケートなものに依存しているという。可能なのは一歩一歩先に進むことだけなので、今日、以下に記述することに関して、安易に最終的な結論を出さないように注意する必要があるという。

 今日の秘儀参入においては、人はある程度年齢に依存しているという。人生に期待がもてるような、37歳で秘儀参入を始める場合を取り上げる。秘儀参入を試みる人が、瞑想や集中、その他の修行を通じて、誰かの指導の下、或いは何かの教則本に基づいて、自主的に実行し始めるとする。

 瞑想、或いは、何らかのテーマを繰り返し実行することで、秘儀参入者は、まず地上における彼の生活を振り返る能力を獲得するという。彼の地上生が一つのまとまった織物の形で、彼の内的な目(心眼)の前に現れるという。それは丁度、物体が三次元空間の中に置かれているように、例えば、手前に椅子があり、椅子に座っている人や、向こう側には机、その後ろには壁というように、周囲の全てを、遠近法によって、同時性の中で見るという。

 このように、現代人は秘儀参入のある段階において、「時間」の本質を覗き見ることになるという。時間の経過が空間的な印象を与えるという。さて、その人は、37歳のときに自分を振り返る。その人は36歳のとき、35歳のとき、そして、誕生のときに至るまで、何らかの経験をしてきたわけで、その人は、自分の前に一つの(人生の)織物を、時代を遡りながら見るという。

 今、秘儀参入のある段階において、ある人が人生を逆向きに振り返ると仮定する。37歳の時点で振り返り、誕生からおよそ7年目の歯の生え替わりの時期までを第1期、7歳から14歳、つまり思春期までを第2期として、振り返ることができる。そして次に、14歳から21歳を第3期、そして37歳までの残りの人生を、第4、5期として、振り返ることができる。

 彼は人生をパノラマのように、いわば時空間的な透視能力をもって探求することができる。彼が、空(無)になった日常の覚醒意識から生まれる意識を、この知覚に加えることができるとき、ある種の(霊的な)知覚力が、彼を貫いて閃くという。彼は洞察力を獲得するが、その洞察力は非常に広範な形態を取り、誕生から7歳までの経験、14歳から21歳、そして、その後の時代の経験は、彼の中で、異なる反応を喚起するという。それぞれの時代が独特の反応を示し、それ自体が独自の視覚力をもつようになるという。

 さて、63、4歳の人について考える。彼は37歳より後の年齢期を振り返ることができる。21歳から42歳までは、比較的均一のように見える。それに続く年齢期はもっと相違したものになるという。42歳から49歳まで、49歳から56歳まで、そして56歳から63歳までの時期において、彼の知覚に重要な相違があるのに気がつくという。これら全ての年齢期は、彼の成立の枢要な一部分になっているという。

 それらは彼の地上における人生の精神的な側面を表しているという。もし、彼がこの内的な視覚(心眼)を発達させるならば、彼の様々の洞察力が、特定の年齢期における彼の存在レベル(人生)に依存していることを理解するという。誕生からの7年間の第1期は、7歳から14歳までの第2期とは異なった洞察力を、彼の中に目覚めさせるという。14歳から21歳までの思春期、21歳から42歳までの年代は更なる相違を、そして、もっと後の年齢期に属する異なる洞察力が、それらに続くという。

 人生の経験に関する記憶像をもつ能力を獲得すると共に、その記憶像を消し去る空の意識から導かれる洞察力を達成したと仮定してみる。すると、インスピレーション(霊感)の力が働き始め、その結果、もはや物理的な目を通したものではなく、精神の眼(心眼)である新しい視覚器官を通して、人生の各年齢期を探求するという。



 そのとき、もはや様々な出来事があった人生の年齢期の像を魔法のように出現させるのではなく、インスピレーション(霊感)を通して、精神的な眼(心眼)や耳で、それらを知覚する地点へと達したと感じるという。

 あるときは、7歳から14歳までの人生の期間を超感覚的に眺め、別のときは49歳から56歳までの期間を、ちょうど外界で眼や耳を使って聞いたり知覚したりしたように、超感覚的に聞くという。インスピレーション(霊感)の世界においては、7歳から14歳までの期間、そして42歳から49歳までの期間から導かれる力が使われるという。

 この世界においては、様々な人生の年齢期(期間)が異なる認識器官になるという。このように、心眼の視覚範囲は、ある程度、年齢に依存しているという。37歳では、秘儀参入の経験を1次情報として語ることが完全に可能だが、63歳になれば、より深い知識をもって語ることができるという。何故なら、後者の年齢では、別の(精神的感覚)器官を発達させているからだという。

 人生の年齢期(期間)が(感覚)器官を創造するという。さて、ブルネット・ラティーニやアラヌス・アプ・インスリスのような人物を書籍等に載っているような情報からではなく、超感覚的な知識から記述することを試みる。もし、我々が37歳になったとき、彼らのことを描写するなら、本来の夢のない睡眠の中で、無の覚醒意識を持ちながら、彼らと精神的に関係していることを発見するという。

 隠喩(オカルト)的に言えば、この世で、我々の仲間の人間と語るようにして、あの世で彼らと語り合うことができるという。そして、不思議なことに、精神的な事柄に関して、彼らと語ることができるのは、現在の叡智と精神レベルからのみ可能であるという。そのとき、我々は、いかに多くのことを彼らから学ぶことができるかを知るという。我々は、彼らに耳を傾け、彼らが伝えようとすることを信頼して受け入れなければならないという。





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Last updated  2007年03月01日 21時54分18秒
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