シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2007年04月02日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 長い間、舞台上で、最大限のリアリティをもって、俳優が演じるには、どうするべきかについて、熟考されてきたという。

 このテーマに関する90年代の議論は全く漫画チックなもので、例えば、シラーの登場人物たちが、英雄的な台詞を演説調に話すとき(結局、当時は自然主義が勝ちをおさめたという)、手をズボンのポケットに入れるべきかどうかという問題に関して(というのも、それが当時のファッションだったという)議論されたという。

 なので、精神世界を探求する正しい道を見出すことに関しては色々な主張(理屈)があり、それが芸術の道に従うというのは、健全な部類に属する、基本方針といえるという。 

 最も重要なのは、月の秘儀と、それに関連する全てに浸された古代の秘儀参入学を超越することで、秘儀参入者の隠された(オカルト)認識を実り豊かにするために、自然科学の成果(自然科学による知性的世界征服までも含める)が使用可能なときにだけ達成可能な、あの魂の内的な状態を発達(進化)させることであるという。

 他方、対極(逆説)的な意味において、同様に重要なのは、夢遊病者、或いは霊媒がトランス状態で、元素(精霊)存在に取り憑かれたときで、それらエクトプラズム(幽体)の形態の中で生じることを、確かめるために行われる、生半可で混乱した実験を、探求の特殊(特別)な例とすることであるという。

 というのも、これら2つの道は、本来は同一のもので、いわゆる意識的な夢への探求であり、意識的な探求の基本は、自然科学が、鉱物的な側面のみにおいて知る外界の意識的な理解にあるからで、いわゆる心霊研究が提案する方法は、生半可な探求にしか過ぎないという。

 科学の時代に生きる我々にとって最も重要なのは、精神的な探求のことであり(心霊研究のように科学的実験手法を用いるのではなく)、この道を追求し、夢の世界の対極にある別世界を、通常の覚醒意識を超えて、精神的に探求することにあるという。 

 夢遊病者や霊媒が、生じさせる現象は、通常生活では見られないもので、彼の筆記や動き、会話や味覚は普通の人間のものではない。それは、彼のアストラル体と自我が、肉体とエーテル体の外にあり、(本来の自我に)打ち捨てられ、いわば宇宙(周囲)の影響下に置かれた肉体とエーテル体であるという。

 そのとき、通常の自然の働きを反映した、物理的な肉体と、エーテル体の顕現ではなく、精神的な世界から侵入するものに、我々は直面することになる。



 我々は、霊媒の乗り物が魔術的な目的のために精神的存在の用途に供されることを心に留めるべきであるという。心霊研究協会は、外的な実験により、このことを探求しようとするが、精神的存在に関する知識なしに、これらの顕現の研究は、我々人間には不可能であるという。

 まずは、精神的な関連を調べる必要があるという。我々は霊媒や夢遊病者が生じさせる現象と、その背後にある精神的な基礎を観察する必要があるという。 

 霊媒や夢遊病者を通して示される、これら全ての現象は他の霊媒的な現象とも関連し、霊媒がトランス状態において、人間的、或いは宇宙的な影響の下で、ある行為を行うとき、つまり、(自我とアストラル体はもはや無いので)肉体やエーテル体が、そのある行為を遂行するとき、人間を病気にさせる毒植物が生じさせるプロセスと一時的に(ただし、このとき、それは別要素により決定されるが)、同様のものになるという。

 霊媒的、或いは夢遊病の状態の中で示されるのは、単に外見的かつ一時的な病気の仮面に過ぎず、ある観点から言えば、霊媒や夢遊病の現象の中に観察できるのは(必ずしも観察する必要もないが、常に観察することは可能)、病気の人の中でも生じることで、それは、その人の自我とアストラル体が何らかの異常な仕方で、ある器官から、或いはその有機体全体から立ち去り、別の精神的な影響によって置き換えられていることによるという。 

 スウェデンボルグは、病は悪霊の憑依の結果といっているが、悪霊が病をもたらすということは、太古においては普通に認識されていたといえる。現代では、科学により、これらは迷信とされている。

 太古においては、人間は、この関連に気づいていたので、秘儀は常に治療と関連していたという。そして、人々は今日ほど詮索好きではなかったので、霊媒や夢遊病者に興味を示す必要性も全く感じなかったという。

 というのも、霊媒や夢遊病者の行為は、病気の状態と同じで、よく熟知されたものだったからだという。これらの出来事には医学的な観点からのアプローチがなされたが、これは我々現代人が再び獲得するべき立場であるという。

 霊媒や夢遊病者が、一種の病気の状態と同じという太古の観点からいえば、病気の要因は、自我の意志薄弱にあるといえる。つまり、他者に依存したり、他者に取り入ったり、寄生したりといった優柔不断な日頃の態度が、病の要因となる。キリスト風にいうなら、愛の足りなさが病の要因となる。

 ちなみに、秘教によると、皮膚を美しくするのは、起きているときに、どれだけ道徳的行為を成し、他者に奉仕したかにあるという。それは、他者に奉仕した愛情が、寝ているときに、霊的太陽となって、外から、肉体を蘇生させるからだという。

 よく女優や俳優が美しくなるのも、確かに日頃のケアもあるだろうが、美を提供することで他者に奉仕する行為が、美をよりよく存立させているともいえる。 

 そして、自然現象を通じ、自然科学の手法を用いて、生半可な方法で精神的存在にアプローチする、もう1つの道も正しい方法で追求されるべきであるという。全ての現象、特に人間や動物の病理的な状態を通して表現されるものは、正しい見通しの下に再び見直される必要があるという。そのとき、はじめて、我々は、心霊研究協会が探求を望むような現象を調査できる位置に立つという。 



 太古のこの認識が可能になったのは、イタ・ベークマン博士とシュタイナーが、この研究分野を、心霊研究からは無視されてきた正しい道筋に沿って発展するように努力してきたからであり、イタ・ベークマンが、有能な医者としての知識だけでなく、医療上の所見から精神的な洞察へ、そして、そこから真の治療へと直接導く、先験的な治療の才能をもっていたからだという。

 ホメオパシーの原理による、治癒の手法もここから発展したという。ホメオパシーはハーネマンにより提唱された。現代医療は、アロパシーが主流だが、シュタイナーによると、アロパシーは、ホメオパシーの別観点にすぎないという。

 アロパシーは病原の除去が主題だが、ホメオパシーでは、病原は、本来のもので、病気は、自然がもつバランス(健常は病原が抑制された状態、つまり弱毒化された状態)が崩れ、偏向し、特殊な状態が表に現れたものであると考えるので、アロパシーの病原の除去は、ホメオパシーのポテンシャライズ(希釈化)に相当するという。 つまり、アロパシーも、潜在的にホメオパシーを行っているという。

 このホメオパシーの観点からいうと、健康というのは、宇宙の進化状態に適う人間存在の進化状態のことを指す。人間はアダムカドモンより生まれたが、再びアダムカドモンに戻っていくような円環の過程に沿うことを意味する。現代の求められる健康状態とは、霊我を開発することであり、霊我とは、利己心を抑え、理性を高め、自我によりアストラル体を浄化することに当たる。霊我を完成したとき、人間は病気に罹らない健康体になるという。

 では、遺伝的な病気はどうなのか?という問いが持ち上がるだろうが、その答えこそ、魂を前提にして考える必要がある問題である。つまりは、今生の病気との闘いとその克服が、魂をより一段輝かせるものとなるという。



 これとは、逆の他者の健康を犯すものや、他者への妬むや嫉み等、生活を奪うもの、その根本は他者を欺き、嘘をつくことだが、これらは死んでも猶、その思いは残り、悪霊となって、生きている他者の病気の要因となるという。このような悪霊が多くなると、この世では感染症が多発するようになるという。

 なので、ここに存在するのは、これまで示してきた領域の探求のために従うべき道であるという。自らの努力により、探求自体が秘儀参入の自然科学とでもいうべき、真正な秘儀の医療を発展させるべきであるという。こうして多くの偽りの道と、明白に区別される真の道が全ての人に示され、ベークマン博士とシュタイナーが書いた著書の最初の章に、最初の一歩が示されたという。

 この関連で、指摘すべきことは、真の道と偽りの道との相違は、例を挙げることにより最もよく示されることだという。

 以前、精神の領域を再び自然科学の領域に結びつける芸術への道が見出される必要があることを述べた。そして、今付け加えるべきものは、自然現象に関する探求と関連する正しい道、いわゆる人智学の道を先ず初めに探求してから、芸術に向かう正しい道を見出すことが可能になるということで、それが、現代文明のおかれた状況から、本質的なことであるという。

 というのも、人類は特に病理現象の発生の中に見られる精神的存在の活動を確信できてはじめて、つまり、精神が物質の中で作用し、自らを現すことに関する明白な証拠があるときにはじめて、芸術の中に、精神が活発に浸透することを納得するが、今日、芸術分野において、人類は、いま述べた橋を架けるのとは、全く程遠いところにいるからだという。

 人類が、精神を直接、世界に提示することが可能なのは、芸術作品の形としてであるという考えに、心からの情熱を存分にかき立てることが可能になるのは、恐らく、自然界における精神の活動に気づくようになるときだけであるという。

 ちなみに、シュタイナーは、これらを治療芸術と呼んでいる。

 次回はこれらの事柄についてもう少し述べる。





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Last updated  2007年04月03日 00時40分56秒
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