シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2007年04月09日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 もし、人間が、地上に留まりながら、霊媒やその顕現に関する実験に満足し、精神的存在との直接的な接触を持たなければ、間違った道の途上にいるという。

 精神的世界の中で意識を目覚めさせることなく、例えば表面的な神秘主義のように、躓きながら手探りで進み、成果だけを求めるような、あらゆる活動は、間違った道の上にいるという。

 精神的な世界への沈潜に際して、直ちに、この精神世界を、精神的現実として経験するあらゆる手法は、正しい道の上にいるという。

 なので、月領域に関する内的で生きた認識は秘儀参入への道の1つの出発点で、そして、次のように言える。

 太陽と月の関係において、普通は睡眠の中で経験される人間の通常の経験を、秘儀参入者は目覚めた生活の中で経験する、と。

 そのとき、人間は月の影響を、まるで外的なものとして意識するようになるという。

 そのとき人間は夜を昼の中に招き入れ、そして、精神の目には、夜空を見上げるときに通常見えるような星が散りばめられた夜空ではなく、水星という惑星が最初に昇ってくるのが見え、そして、もし、シュタイナーの著書「より高次の世界の認識」に記述されている指示に従って、真のイマジネーションを成長させることに成功していれば、イマジネーションの世界が、覚醒生活の間に、1つの現実として、この月領域の中に現れてくるという。

 水星の影響が及ぶ領域に参入するとき、これらのイマジネーションは水星存在たちに移行し、そのとき、現実に欠けたビジョンを経験するのではなく、真のイマジネーションとしてのビジョンを知覚し、これらのイマジネーションはそれぞれ、対応する存在たちに移行するという。

 なので、もし、秘儀に参入する道に沿って十分に前進していなければ、そこでは大天使に関するビジョン(領域)を持つはずだが、それは(生きたものとはならずに)単なる(静止した)ビジョンのままに留まるという。



 しかし、(秘儀参入者であれば、)大天使は現実のものとなり、こうして、我々人間の視覚世界が実際に精神を知覚する世界へと移行する中で、水星の影響を意識するようになるという。

 このことは常に強調すべきことだが、これが正しい手法で達成されるのは、完全に意識的に行われるときだけに限られるという。

 そして、もし、瞑想を更に追求すると同時に、自身の内的な存在を益々強化し、活性化させるならば、水星の影響に金星の影響が加えられる領域に至るという。

 そして、金星の影響との接触を持つとき、つまり、金星が、昼へと招来された内的な夜の意識の中に昇るとき、イマジネーション的な光景、いわゆる真の視界を現す像として現れた存在たちが視界から失われ、空になった意識をもって、精神的な世界に直面することになるという。そこに、精神的な存在たちがいることを知るという。

 そのとき、我々人間は精神的な存在たちが住む金星領域に到達し、太陽領域が近づくのを待ち受けることになるという。今までのプロセス全体が、再び太陽を経験するための準備といえるという。

 この全てが生じるのは、目覚めた昼の意識を保持しながら外から太陽の影響を受けるときであるという。

 ここで、既に述べられた道を月から水星(金星)、そして金星(水星)へと辿り、そして、視界が失われても、更に押し進むと、それが地球から月、水星(金星)、金星(水星)、そして、ついには太陽へと続く(進化の)道だったことがわかるという。

 太陽の内的な存在へと参入し、再び太陽を、今度は精神的に眺めると、それは見たところ、捉え処がなく、はっきりとしてはいないが、自身が精神的に知覚していることを知るという。そのとき、人間は太陽の内的な存在をじっと見ているという。

 乱暴な比較だが、それは次のようなことに類似しているという。遠くに何かがあるので近寄ってみると、最初はじっとしている物体だと思ったが、取り上げてみると、手に噛みついてくる。そこで、それは、静止した物体ではなく、犬であることが分かるという感じで、その精神的知覚が、内的な存在によって所有されているのに気づく、と。

 この乱暴な比較により、これらの経験が現実に根ざすという事実に注意を払うことができ、地球から出発して、月の影響を通過し、水星(金星)、金星(水星)を通って、太陽を眺める段階へと至るという。そこで、それは生きた精神的存在であり、その中には、精神的な存在が現に生きている、ということに気づくという。

 これが第一に辿ることが可能な道で、秘儀参入者が進歩(進化)するには、この道のどの段階においても十分な意識を保持する必要があり、そのとき、彼は正しい道の上にいて、そして、もし、人間が、いかなる方法であれ、彼の身体を離れ、意識を失い、そして、眼前で精神的な現実となった宇宙へと参入するなら、彼は間違った道の上にいる、ということが十分に明らかになる。



 以前から、いかに様々の心霊的、或いは秘教的な団体が、時代の要請に従って、自然科学的な手法を戯画化した方法により、外的な現象を通して、精神的世界の探求を試みているかを示した。

 誤解して欲しくないのが、これらの方法を愚弄しているのではなく、というのも、人間が、外的な現象の観察を通して、精神的世界の真の本性を、科学的に認識することを、熱烈に望んでいることが痛いほどわかるからであり、秘教が指摘するのは、いかに、これらの道が必然的な間違いへと導くかということ、そして、真の道の本性とはいかなるものでなければならないかということだという。

 我々はいま科学の時代に生きており、これからも生きていかなければならないから、自然科学の直接的な方法による、精神的世界の探求を考える人たち、その他の純粋に精神的な道は信頼に足るものではないと考える人たちがいることはよく理解できる。

 そして、彼らは、一方では、通常の世界があり、その中で生きる人々、社会生活が要求するものを満たし、この社会生活との関係で考え、行動する人々がいるという結論に達するが、そこには何も特別なものはなく、それはごく通常に受け入れられる生き方であり、そして、科学的な探求の分野では外的な現象、すなわち熱、光、電気、磁気等々が問題になる。

 しかし他方において、人生において、普通ではない状況が生じ、人間は自動筆記を行い、催眠術や誘導の影響下で様々の行為を遂行することもある。彼らはこの方法で通常の世界の中に見知らぬ世界が現れるのではないかと疑い、これらの外的な兆候や普通でない(特殊)現象を説明しようとする。



 この種の現象に関しては無数の例を引き合いに出し、自然科学の統計的な方法によって研究することができるが、この道はいかなるゴールにも、最終的な理解にも導かないという。

 何故なら、精神世界の中に求めるべき人間の方向づけ、必要とされる精神的な方向づけを欠いているからだという。

 これらの心霊研究現象の全ては、それらがどれほど素晴らしくても、外的な世界における雑多な現象の寄せ集めのように見えるという。

 心霊研究に関する認識や理解に到達することはできない。それらを記録し、途方もないものとみなし、精神世界に関する仮説を打ち立てるが、それは無意味であるという。何故なら、それら心霊現象自体が、その源泉を精神世界の中に有し、精神世界の存在が、その真の本性を簡単に漏らすことはないからだという。つまり、これらの方法では、精神世界は、永遠に隠された(オカルト)存在のものとなる。

 なので、我々人間が、いかに霊媒や科学的な事実に取り組んでも、精神的な世界は、いつでも我々人間と共にあるにも関わらず、その真の本質が明かされることはないという。だからこそ、超常現象のようなものは、迷信や、単なる思い込みで、我々の時代では、非科学的なレッテルを貼られ、無視され、隠された(オカルト)ものになる。

 オカルト(永遠に隠された)という言葉そのものがそれを如実に表しているのである。これが秘教が、隠される(オカルト)べき教えという意味の真髄でもある。

 この関連で、以前触れたシュタイナーとベークマン博士の人智学の研究を思い起こしてみると、これら心霊現象を正確に記述しようとする試みがなされているという。

 夢の内的生活に光を投げかける別の探求の道については既に述べたが、丁度それと同じく、この探求方法も精神的な洞察力なしには成立しないという。その探求は、探求すべき現象が、精神世界におけるそれらの対応物に直接関係づける手法でなされるという。

 しかし、これらの心霊現象は、ここで、丁度述べた手法で、外界において出会う個々の奇跡的な出来事とは全く関係がなく、これら心霊現象が属す領域とは、医学や解剖学、生理学の訓練を受け、人間の器官(肺、肝臓、或いはその他の器官)の外的な形態に関する知覚が、これらの器官のイマジネーション的な理解に向けて変容を遂げ、徐々に人間の有機体をイマジネーションにおいて見ることができるようになり始めた人によって知覚される領域のことであるという。

 なので、この知覚が可能になるのは、自然における通常の外的な現象ではなく、異常な(病的)現象と同様な仕方で作用する人間の器官に関して、研究が可能なときであるという。

 つまり、それが可能になるのは、当初の人間的、科学的、解剖学的な認識を、人間の有機体を形成する精神的な洞察力に変容させる立場にあるときであるという。 





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Last updated  2007年04月09日 19時06分59秒
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