シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2007年05月15日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 前回のように、正方形と十字架の対応のように、あらゆる物理的なもののメンタル的な対応物を同様につくることができるという。

 この正方形は考え得るなかで最も簡単な例であるという。もし、2つの交差する垂直な直線が正方形に対するのと同様な関係において、何らかの物理的な物体の相関物を構築することができれば、それぞれの物理的な物体のデーヴァ的、或いはメンタル的な像が得られるという。勿論、そのプロセスは正方形以外の物体に関しては非常に複雑なものとなるという。

 では、正方形のかわりに立方体を思い浮かべてみる。立方体は正方形とよく似ている。立方体は6つの正方形の境界の図形である。シャウテンは、立方体を構築する6つの正方形の特別なモデルを作ったという。

 さて、正方形における4つの境界線の代わりに、境界を形成する6つの面を思い浮かべる。そして、堰き止められた力の境界が垂直な直線ではなく垂直な面から構成され、更に2つではなく3つの互いに垂直な軸を想定する(xyzの空間座標のこと)。

 そうすれば、正に立方体を規定したことになる。立方体のメンタル的な対応物がどういうものか、もう大体イメージできる。この立方体にも、互いに補完する2つの図形があり、立方体は3つの互いに垂直な軸と面に対する3つの異なった方向(x,y,z)をもつ。

 この3つの面の方向に、堰き止める作用を考える。先に述べた正方形の場合には2つの軸の方向と4つの直線があったように、3つの軸の方向と6つの面は、特定の種類の(力、もしくは流れの)対立としてイメージできる。

 この問題について考察する人であれば誰でも、これらの図形をイメージするには、最初に作用と反作用の対立、或いは堰き止めの概念(平衡、或いは均衡)に至る必要がある。この場合、対立という概念が必要であるという。ここでは事象はまだ単純だが、幾何学的な概念に関連して修練を積むことにより、もっと複雑なもののメンタル的な対応物をも、事象に即してつくり出すまでに至るだろう。

 この幾何学的なイメージ活動は、人間を、ある程度まで、より高次の認識へと至るための道を指し示すという。しかし、既に、別の立体のメンタル的な対応物を探そうとするとき、いかに途方もない複雑さが生じるかを想像することができる。立方体以外には遥かに複雑なものが現われてくる。

 1つ非常に複雑な空間形式と作用を伴った人間の形態と、そのメンタル的な対応物を考えてみる。それがどれほど複雑なメンタル的な構造になるかを想像することができる。ほんの概略ではあるが、シュタイナーは、著書「神智学」のなかで、人間の形態のメンタル的な対応物が大凡どのように見えるかについて述べたという。



 中心から外に向かう流れをイメージすることができる。これらの軸方向の1つを考察する。空間はその1つの方向のなかで、中心から外へ向かって流れると同時に、別の方向から、つまり無限の彼方から中心に向かって流れていると考えられる。

 そしてこれらの流れを、一方は赤、他方は青の色として思い描く。その2つの流れが出会う瞬間、合流して1つの面を創り出す。このように立方体の面は2つの対立した流れの表面における出会いとして捉えることができる。このことは、立方体が何であるかについて、生きた視覚的イメージを与えてくれる。

 つまり、立方体は3つの互いに作用する流れ(力)の交差といえる。

 それらの相互作用を総合的に考えると、3つの方向ではなく、前-後、上-下、右-左という6つの方向が関係しているのが分かる。実際には6つの方向があるという。そして、一方には点から出る方向、他方には無限から返ってくる方向の2種類の流れがあることにより、事態は更に複雑になるという。

 このことは、より高次の理論的な神智学を実際に適用するときの1つの観点を与えるという。空間におけるどの方向も2つの対立する流れ(力)として捉える必要があるという。そして、物理的な立体は、この二つの流れ(力)が融合した結果であるという。

 さて、この6つの流れ、6つの方向をa、b、c、d、e、fとしてみる。この6つの方向、或いは6つの流れをイメージし(次回では、このイメージをいかに形成するかについて述べる)、そして、最初と最後のaとfを、無いものと考え、消して考えるならば、4つのb、c、d、eが残る。この残った4つは、アストラル界だけを見るときに知覚できる4つの流れであることに注目するとよいという。

 3つの通常の次元と、本来それに対立して振舞う3つの更なる次元に関する何らかのイメージを提供することを試みてきた。物理的な立体は、これらの次元が互いに対立的に働く結果として成立し、ここで物理的なレベルにある次元の1つとメンタル的なレベルにある次元の1つをないものと考えるならば、4つの次元が残り、そのとき、これは物理的世界とメンタル界との間に存在するアストラル界を表わすという。

 世界についての神智学的な観点は、実際、通常の幾何学を超えた、より高次の幾何学に従って働くという。通常の幾何学者は立方体を6つの正方形で表されるものとして記述するが、秘教学者は立方体を6つの相互に貫入する流れの結果として、つまり、作用とそれに対抗する反作用、或いは対立する力の相互作用の結果として把握しなければならないという。

 ここでは、そのような1組の対立を体現する概念、世界進化の奥深い秘密を示す概念を、外なる大自然からとった1例で示す。ゲーテは「蛇と百合のメルヘン」のなかで「開示された秘密」について語っているが、それはこれまで語られた言葉のなかでも最も真実で賢明な言葉の1つであるという。自然のなかにはまだ見たことはないが、全く手に取るようにわかる秘密が、多くの変換プロセスを含めて存在する、というのは真実であるという。そうした例の1つを紹介する。

 人間を植物と比べてみる。これは、はじめ遊び半分のようにも見えるが、深い秘密を示しているという。

 植物は土のなかに何を有しているか?といえば、根であり、そして上方に、茎、葉、花、実が育つ。植物の頭である根は大地のなかにあり、その生殖器官は地上に、太陽により近いところに発達する。これは純潔な手法の生殖と呼び得るもので、植物全体を逆にして、根を人間の頭と考えると、それは上に頭があり下に繁殖器官のある人間を、逆転した植物となるという。



 植物を象徴する1本の線、人間を象徴する別の線、そして動物の象徴としての対立する第3の線が合わさって十字架を形成する。動物は水平の位置を占め、我々人間が植物と共有するものを横断している。

 プラトンは全体(宇宙)魂について語っているが、全体(宇宙)魂は宇宙身体にかけられて、つまり、宇宙身体という十字架に縛りつけられていると考えられる。世界魂を植物、動物、人間としてイメージすると、それは十字架になるという。

 世界魂はこの3つの領域のなかに生きることで、この十字架に縛られていると考えられる。ここでは力の堰き止め(均衡、平衡、滞留)の概念が拡張されているのが分かる。植物と人間は2つの互いに補い合いながら分岐し、しかし交差する流れを表す一方、動物は上方と下方への流れの間に割り込みながら、その境界に現れる堰き止め(均衡、平衡、滞留)を表しているという。

 同様に、カマローカ[アストラル領域]はデーヴァと物理的世界の間に位置するという。互いに鏡像の関係にあるデーヴァと物理的世界の間に堰き止め(均衡、平衡、滞留)の表面、つまりカマローカの世界があるが、そのカマローカ界の外的な表現が動物界である(人間も死後、動物界で精神性に応じて獣となる)という。

 この世界を知覚するためには霊力が必要だが、その知覚に適した器官を既にもつ人は、これら3つの領域の相互関係において見るべきものを認識することになるという。動物界を堰き止め(均衡、平衡、滞留)から現れたものとして把握するならば、植物領域と動物領域の関係、動物領域と人間領域の関係を見出すことになる。



 動物を食べる人は堰き止め(均衡、平衡、滞留)の状態との関係を発達させているといえる。真の活動は対立する流れが出会うところにあり、このように捉えることで、一連の思考の切欠を与えるが、それは後になって不思議な手法で、全く別のかたちで再現されるという。

 要するに、正方形は2つの軸が線によって切られることで生じ、立方体は3つの軸が面によって切られることで生じる、ということを見てきたが、では、4つの軸が何かによって切られる、ということを想像できるだろうか?

 立方体は4つの軸が切られるときに生じる空間構造(4次元図形)の境界である。

 正方形は3次元の立方体を境界づけている。次回は、立方体が4次元図形の境界を形成するとき、どのような図形が生じるかについて見ていく。 





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Last updated  2007年05月15日 19時09分23秒
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