もう少し長い連続講義ならば、これらの問題を詳細に議論することが比較的容易だっただろう。ここでは、ごく簡単にそれらの問題に言及しただけで、その根底に横たわるものを少ない言葉で述べるのはほとんど不可能といえる。
この質問に答えるに当たっては、秘教的探求の結果を簡単に要約することから始める。まず、宇宙における空間的関連について、観察や特定の観点から、我々が引き出す結論は、それがいかなるものであれ、常に一面的なものだが、プトレマイオスの太陽系が一面的な観点を示しているように、コペルニクスのモデルを含む他の全ての太陽系に関するモデルもまた一面的なものといえる。
移動する物体間の関係についての我々の結論は、我々の特定の観点に基づいているが、これらの関係は、その観点からは測定され得ない運動によって不可避的に補足され、変化させられる。
以上の前提を注意事項として述べたが、我々が地球と太陽の動きの関係についての見方を発展させるのに役立つ、別の秘教的発見に関して考察することを提案する。
太陽は空間中を曲線を描いて移動していると想像する必要がある。もし、この曲線を十分に遠くまで辿るならば、それは複雑な螺旋形状をしていることが分かる。
地球は太陽を追いかけて同じ軌道を進む。太陽との関係で地球がどこに位置するかを考察するならば、地球が、左にあるときには、観察者が太陽を見るには、右の方を見なければならないことが分かる。さて、別の配置の可能性を考察する。
見る方向に矢印を示す。最初の例では、ある一方向(左から右へ)からの視点で太陽を見たが、今度は反対方向(右から左へ)からの視点で見る。容易に理解できるが、このモデルを正確に視覚化するならば、地球は太陽を(螺旋状に)追いかけているので、我々は最初に一方向から、そして、次に別の方向から太陽を見ることになり、地球が太陽の周りを円周状あるいは楕円状の軌道を描いて回っているように見えるのである。

いま述べたように、この要約は長期にわたる秘教的探求の結果を示すものだが、その他の関係を考慮するならば、更に複雑なことになる。太陽の運動に関する、よりよい概観を得るとき、気づかなければならないのは、コペルニクスの体系を、学生等のために描いてみせるのに用いる単純な線が益々複雑になり、ついには全く描くことができず、全てが空間の領域から滑り落ちてしまうことにある。
人智学の観点から述べようとしたのは以上のことである。
物理学の歴史的観点からコメントするならば、上で概観した探求の結果について、今日、非常に衝撃的と思われることは、コペルニクス的な見方の中に元々備わっていたことにある。
コペルニクスは3つの法則を考え出した。最初の法則は、地球が自転しているということ、第2の法則は、地球が太陽の周りを公転しているということ、第3の法則は、概念的なレベルでは、地球の公転は、暫定的説明を提供するに過ぎないものであるということだが、実際には、地球の太陽に対する関係は固定的なものとなっている。
この第三法則は、コペルニクスがその第二の運動、つまり、太陽を巡る地球の回転を記述したとき、ある種の計算を簡便に行うための方便として、それを仮定したということを確信しており、それを事実として述べるつもりはなかったことを証明している。今日、我々は常に、この第三法則を無視し、太陽系に関するコペルニクスのモデルは第一と第二法則だけを包含していると思い込んでいる。
けれども、もし、コペルニクスの観点を本当に研究するならば、天文学的な計算に基づくだけで、この第三法則は本当に必要であることがすぐに分かる。既知のように、このようなことは科学の歴史の中ではよく起こることである。
注釈;非常に衝撃的な内容だが、シュタイナーは、要するに天動説も地動説も一面的な見方にすぎないという。秘教的事実によれば、天動説も地動説も同時に成り立ち、天動説は、実は、霊的世界で天体を見た場合で、地動説は、物質世界で見た場合に相当するのである。
天動説は、地球から霊視的にみたもので、実際、地球の周りを惑星が回っているようにみえるのである。それは遠くの軌道から、土星、木星、火星、太陽、水星、金星、月、そして地球となる。これらの霊的軌道から、地球上に生きる人間は霊力の影響をうけるという。人間に限らず、あらゆる生命体は、この天動説の霊力を基に創造的活動の影響を受けるという。
太古では、それら土星、木星、火星、太陽、水星、金星、月の霊力は、それぞれ、天使の位階で呼ばれたという。土星(座天使)、木星(主天使)、火星(力天使)、太陽(能天使)、水星(権天使)、金星(大天使)、月(天使)である。アトランティス時代、これらの天使たちから交信を受けとるために、神託所が設けられていたという。その神託所の名残が、今日の神殿となり、遺跡として残されたという。ちなみに天王星、海王星、冥王星は、我々の太陽系外と考えられたという。
この7つの神託所のうち、一つの神託所が自然の力を利己的に用いたために、自然破壊を招き、アトランティス大陸の水没を招いたという。ノアは、それぞれの神託所の弟子たちを集め、水没を免れ、我々のポストアトランティス時代を築いたという。それが聖書にあるノアの箱舟伝説の真相であるという(ノアは別名マヌと呼ばれたという)。
また、天動説の要点は、コペルニクスの第3法則に記述されていたが、それは弟子たちにより省かれ無視され、第2法則の地動説にあたる公転の部分だけが後世に誇張され残されたという。その唯物的観点はガリレオに引き継がれていくことになる。
古代人は、勿論、霊視できたので、天動説であったという。古代人のうちでも、現代人のような唯物的見方は、非常に高度に教育された秘儀参入者だけが、習得できたという。つまり、霊的な基本知識(叡智)を習得した後に、一部の選ばれた者に唯物的見方を伝授したという。
地動説と天動説を矛盾なく説明するものは、ここで述べられた、太陽と地球が共に螺旋軌道を描き、地球が太陽の後を追いかけているというものである。それらは実際、DNAの右巻き螺旋構造や植物の葉のつき方等、自然の成長のなかに黄金分割として、見出せるのである。太陽からくる太陽ニュートリノの傾きもここから説明できるであろう。
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