シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2007年07月31日
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カテゴリ: 神秘体験空間
■質問:シュタイナー博士、肉体が空間的な体で、形成力体(エーテル体)が時間的な体であるとはどういう意味か?肉体もまた時間の中で活動し、成長したり衰退したりするが。

 シュタイナーの応え;
 この質問には確かなところもあるが、不正確な思考に基づいている。もっと正確な基礎を与えるには、まず時間の概念を分析する必要がある。通常、我々が出会う現実においては、空間と時間が入り交じっている。肉体を空間的なものとして、形成力体(エーテル体)を時間的なものとして、考えることができるのは、空間と時間を分離するときだけである。

 通常、客観的認識においては、時間は所与のもの(予め与えられたもの)として存在しているわけではない。既知のように、時間は空間の意味で測定される。つまり、我々が時間と呼ぶものに関して知る手段として、空間的な単位の変化を用いている。

 しかし、今は時間を測定する別の方法を考える。時間に関して、真の経験へと移行するには、通常、人々が無意識に行っているように、もはや空間的な意味で時間を測定することはない。我々の思考は、イマジネーション的(霊視的)な認識を通して、実際に意識的になる。

 例えば、もし、1922年4月12日4時4分と何秒でもいいが、そのときの魂の生活を検証すれば、時間に関しての真の経験を持つことになる。そのとき、魂の生活の時間的断面を見る。この時間的断面は何らかの特別な空間的断面を含むことはないが、この地上における過去の全てを含む。

 それを図式的に描くならば、いま経験が線分aからbへと流れているとして、線分abの断面ABを引く必要がある。経験全体を、この断面の中に挿入せざるを得ないが、それでも、その中には1つの展望がある。

 遥かな過去に遡って横たわる出来事は、最近の出来事に比べて、少ない強度を(記憶による)もって再現できる。しかし、これらの出来事全ては、単一な断面の中に存在している。その結果、経験と時間との結びつきは、時間のみを分析するときとは、異なったものとなる。

 時間を心的イメージのレベルにまで上昇できるのは、物理学において行われるように、空間を理解する方法に従って時間を分析しないようにするだけでなく、魂の生活に関して考察するときである。けれども、抽象的思考のみで行う限り、魂の生活は時間の中に付着したままに留まる。



 例えばある空間の有機体が消化不良を起こしているときには、空間の有機体の他の部分もまた悪い影響を受けることが分かる。空間の有機体において、個々の領域はそれぞれが空間的に離れているのに対して、時間的な有機体において(我々が以前と以後とを区別するという事実にも関わらず)、異なる時間は有機的に関連している。

 次のような例を挙げる。「ある非常に年を取った人々が若い人々、特に子供達に語りかけるとき、その老人の言葉は、直ちに(挨拶のように)老人自らに跳ね返ってくる。つまり、老人の言葉は子供達にとっては何の意味ももたないが、別の老人には意味をもつ。」

 老人たちが子供達に語りかけるとき、老人の言葉は子供達の魂の中へと真っ直ぐに流れ込む。他の人々に祝福(激励)をもたらす老人たちの力の源泉を見出すには、ときとして幼い子供時代にまで遡る必要がある(通常、このような事柄に関して研究することはないが、それは非常に稀にしか全体としての人間を見ようとしないからである。そのような事柄を観察するには十分長く注意を払うことはない。現時点における観察力の範囲では不十分だが、それは人智学の仕事になる)。

 もし、十分に遡るならば、老年になってから、他の人々を祝福する(励ます)特別な精神力を有し、その言葉が若い人々の中に祝福として流れ込むような人々は、自身が子供だった頃に、どのようにして祈る(祝福する)かということを学んでいたことが分かる。

 比喩的に言えば、子供の頃に、祈るために、合わせる両手は、老年になってからの、祝福する両手になると言うことができる。

 既知のように、ある人が老年になってから及ぼす他の人々への影響と、その人物がまだ幼かった頃に存在していた敬虔な感情その他のものとの間には結びつきがある。以前の性質とその後の性質とは有機的に結びついている。

 それぞれ人間には無数にそのような結びつきがあるが、それを見るのは全体としての人間(全人生)を理解するときだけである。今日、我々の生活全体が、この現実から疎外されている。我々は現実の中に浸っていると考えているが、自分で自分を欺いている。

 今日の文化の中では、我々は抽象主義者である。我々は真の現実に何の注意も払わず、今述べたような性質を無視する。また、我々が子供、特に低学年の子供に教えるときには、明確に規定された概念を与えないようにする必要があるという事実にも注意を払わない。

 そのような概念が後の生活に及ぼす影響は、手足を縛り、手足が成長し大きくならないように強制するような作用に似ている。我々が子供達に伝えることは1つの有機体でなければならず、柔軟でなければならない。有機体と言ったときに何を意味するかが、徐々に分かるようになることを望むべきである。

 勿論、イマジネーション(霊視)だけが、この意味の完全把握を可能にするが、単に、人間の生活においては、出来事の時間的プロセス(経過)は空間的な有機体ではなく、むしろ時間的有機体に関連しているということに気づくだけでも、有機体の性質に関しての考えを得ることは可能である。

 ここからわかるように、時間はそれ自身、現実(真実)を有する、ということは数学からも推察できる。



 事実、通常の計算は、常に時間的プロセス(経過)に対しては外的なものに留まり、時間そのものにアプローチすることを許さない。例えば、もし、月の満ち欠けを計算するために、式にマイナスの数字を入れたとしても、より遠い過去の段階に至るが、(月の満ち欠けという)物事から離れることはない。

 動き回れるのは空間の領域の中だけである。このように、実際の物理的な人体に関しての正しい考えを発展させるのは、時間的要素を空間的要素から分離できるときだけであるといえる。

 人間に関しては、このことが根本的に重要だが、もし、人間の中の時間的要素が、独立した実体として、そのプロセス(経過)を辿り、空間的要素は時間的、或いはダイナミックな要素により支配されることを知らなければ、いかなる人間理解にも到達することができない、という理由による。

 なので、機械においては、時間的要素は空間中での活動の1つの機能に過ぎない。そこが違う。人間においては、時間的な要素は現実の実体であり、一方、機械的装置においては、時間的要素は空間の1つの機能に過ぎないといえるだろう。

注釈;シュタイナーは、時間と空間を厳密に分ける必要性を説く。我々は時間そのものを測ることはできず、なんらかの空間の差異や、物体の運動を基にして、時間を計測しているのである。なので、時間そのものを測っているのではなく、空間、或いは物質の変化を基に時間と呼んでいるのである。つまり、変化、運動等の速度を測り、そこから時間を抽出している。



 霊視で顕れる時間を、時間霊と呼んでいるが、それは簡単にいえば、あらゆる経験のいわばエキスのようなものである。あらゆる経験や体験が詰まったものが、時間なのである。だから、何年何月何日何秒の経験と体験を、魂から検索してくれば、そのときの体験が時間として現れてくるのである。ここでの、この時間の基準は、魂の成長度合い、つまり進化度合いからくる。

 魂の進化度合いの差異から、時間が現れてくるというのである。単純にいえば、経験が豊富なほど、より進化度合いが進んでいて、時間が進んでいるといえる。これを老人に喩えているのである。ちなみに、この世に現れる仮の肉体の成長度と、この魂の進化度合い、つまり年齢とは関連しないらしい。経験豊富な大人の魂の子供が、経験未熟な子供の魂の親から生まれることもある。これを霊視すれば、親子が反対にみえるわけである。

 霊視の身につけ方は、人間全体をみることからはじまるという。どの人間の成長も年齢を基にして、同等に解釈できるからである。早い話、精神の成熟度といえる。

 有機体が可逆でないのは、この魂の経験、体験が蓄積されていくからである。経験や体験は忘れることはあっても(勿論、魂の無意識の部分に隠されるだけだが)、消え去ることはないからである。だから、悪い行為そのものは忘れることはできても、決して、宇宙からは消え去ることはないのである。このような悪の行為は、宇宙の善き霊たちには拒否され、自らで解消するまで、背負わされるという。これがカルマである。

 悪い行為を消すことはできないので、代わりに、悪い行為を改めるための善い行為の経験、体験を行わなければならない。これがキリストがいった、天は自ら助けるものを助けるという意味である。人間は、過去に行った悪しき行為を解消するために、カルマを背負い、そこから善き行為を引き出すための、肉体を選択し、その善き行為を行える可能性に見合う土台を遺伝として、受け継いで、この世に生まれる。

 悪しき行為には、善き行為でもって償わなければならない。これが悪き目には善き目を、悪しき歯には善き歯をという真の意味である。左手が行うことを、右手に知らしめてはいけないという意味でもある。

 悪しき行為を、いかに善き行為で解消してきたかが、死んだ後、善き霊たちにより、審判され、善き行為は善き霊たちに受け取られ、悪しき行為は、拒否され、新たなる課題として背負わされる。これが最後の審判の意味である。





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Last updated  2007年07月31日 23時53分42秒
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