シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2008年02月07日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 死と新たな誕生との間、人間を追求していくと、つまり、前回述べたように、人間の形姿を上(頭部)から下へと徐々に失っていきながら、人間が、更に動き活動しているのを見る事が出来る。しかし、いわば最後の脚が、下から失われると同時に、素晴らしい霊形姿が、形成され、その霊形姿のなかに全天球の模像があり、同時に、それが、来世の自分の身体に備える未来の頭の原型となる霊形姿となる。

 ここで人間は、下位ヒエラルキアの存在たちだけでなく、セラフィム、ケルビム、トローネといった最高次のヒエラルキア存在たちが関与する活動に織り込まれる。

 このとき何が起こるのか。このとき起こる事は、実際、本質的な人間として、イメージできる最も驚くべきことである。というのも、このとき、その人間の、今生(現世)での下部人間としてのものが、頭部形成へと移行するからである(つまり、今生(現世)の活動を含む手脚の四肢が、来世の頭となる)。

 人間が、この地上を動きまわるとき、表象(イメージ)の器官、思考を担う器官は、貧相に捉えると、頭部だけに思えるが、上記のことから、思考は同時に、胸部の同伴者でもあり、思考はとりわけ、四肢の同伴者ともいえる。

 だから、頭部だけで思考するのではなく、例えば、四肢で思考を始める瞬間に、カルマの現実(リアリティ)全てが、開かれる。我々人間が、カルマについて何も知らないのは、常に、この本来、表面的(皮相的)な器官、貧相な脳だけで考えるからである。

 もし、指で思考を始める瞬間(指での思考に奮起するなら、人は頭部の神経で、思考するよりも遥かに明快に、正しく手指、足指で思考できる)、完全に物質になっていないものを用い、或いは、下部人間で思考し始めた途端、思考はカルマとなる。

 手で、物を掴むだけでなく、手で思考するとき、人間は、手の思考と同時に、自らのカルマを追求していく。そして、特に、足で歩くだけでなく、足で思考するとき、特別、明瞭にカルマを追求できる。

 人間が地上で、偏狭なのは、人間の思考全てを、頭部領域に閉じ込めているからである。しかし、本来、人間は全人間をもって思考できる。そして全人間をもって思考するとき、この中間部分(胸部)で、全宇宙論が、素晴らしい宇宙の叡智が自身のものとなる。そして、下部の四肢全般にとっては、カルマが自身のものとなる。

 この地上で、歩いている人間を観察し、無関心に陥らずに、その歩行の美しさ、歩行の特徴を追求するなら、そして、例えば人間の手を、動かし、この手の動作を解釈し、どの指の動きにも、人間内部を極めて素晴らしく証左する美の存在(忠実に表現する存在)を見い出すなら、実際、その運動に既に、多くが成し遂げられていることに気がつく。



 そして、死の門に歩み入った後、人間の形姿が溶解していくのを追求できれば(物質的形姿が最初に溶解する)、確かに物質的形姿に似てはいるが、その内的な性質や本質を通じて、その人間の本来の道徳的形姿であると告げるものが、現われてくる。

 存在の真夜中に近づき、セラフィム、ケルビム、トローネの領域に到達すると、人間は上記のようになっていく。次いで、驚くべき変容(メタモルフォーゼ)が生じ、このとき、形姿が溶解するのをみる。

 しかし、この事は、本質的には重要なことではない。形姿は溶解するように見えるが、実際、このとき高次世界の霊的存在たちが人間に共同して働き、人間は自分自身で、そしてまたカルマ的に結びついている人たちと共に(ある人間が他の人間にも働きかける)、人間の以前の形姿、過去の地上生での形姿から、霊的に、次の受肉の形姿となるものを作り上げるからである。

 この霊の形姿はまず、物質生(来世)で、胎児として人間に与えられるものに結びつく。しかし、上の霊界では、足と脚が頭部の顎(あご)に変化し、腕と手が頭部の頬骨に変化し、下部人間全体が、後の頭部の霊原基へと変化する。

(この事は顔相占術の基になっている。つまり頭部の形姿から、その人間のカルマを観察するわけである。)

 このとき、この変容(メタモルフォーゼ)が起こる様子は、宇宙認識と同時に体験する、最も驚くべきことである。つまり、いわば、はじめに全宇宙の模像が創造され、そして、その人の道徳全てが付着し(以前述べた残余物全てが取り除かれた後だが)、これが形姿へと分化し、存在が生成へと変化していく。

(以上を要約する。死後、下位、中位の天使により、その人間の残余物全てが、頭部から脚部へと取り除かれると同時に、天空の模造に応じて、霊的人間が、脚部から頭部へとつくられ、上位の天使により、その人間の道徳的実質を付加され、次の転生への頭部となり、そこに前世からのカルマに応じて、分化、生成が行われる)

 そして、人間が霊の形姿として更に変化を続け、再び第二ヒエラルキアの領域、第三ヒエラルキアの領域に戻っていくのが見える。この変化した霊の形姿に(霊の形姿は根本的に未来の頭部の原基に過ぎないので)、胸部器官となるもの、四肢器官、腹部の代謝器官となるものが、付加されなければならない。

 では、この胸部と四肢腹部の付加の衝動は何処からくるのか。

 この衝動は、人間が、転生への道の前半にいたときに、第二(中位)及び第三(下位)ヒエラルキアの存在たちが慈悲深く拾い集めたもので、この天使存在たちは、人間の道徳から、この衝動を取り出すが、この衝動を再び下降させ、そこから、リズム(胸部)人間、及び代謝-四肢人間の原基を形成する。

 このとき、人間は、死と新たな誕生(来世)間での霊的生存の後半期に、物質的生体組織の為の成分、いわゆる、物質の素の霊的成分を受け取る。胎児のなかに、この霊の形姿が入り込んでいき、物質力、エーテル力となるものを運び入れるが、この物質、エーテル力は、人間無理解と人間憎悪として過去生(前世)から携えてきたもので、四肢は、そこから霊的に形成され、四肢は、その物質的な模像にすぎない。



 とはいえ、上記の事柄を、上記のように覗き込むとき、人は人間内部と外部の自然との違いに、はじめて気づくのである。





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Last updated  2008年02月07日 21時22分17秒
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