シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2008年02月14日
XML
カテゴリ: 神秘体験空間
 今日、人類が新たな文明から、人間の心情と心に寄り添う文明、人間の心情と心から直接生み出される文明が再び必要とされることは明白である。今日、子供が小学校に入ったとき、この高度な文明に属する文字、現在ABCとして学ぶことになる、この文字に子供を馴染ませるなら、子供の心や心情のなかの何ものとも関わり合うことはないだろう。

 現代文明に属する文字を学ばせることは、子供の心、心情とは全く関わらないもので、子供がABCを学ばされるとき、子供の頭、心情のなかで発達するものは、霊-魂的に考えて、人間の性質のなかの寄生生物といえるものである(恐らく、依存心のことだろう)。

 このように、実際、人間の教育の歴史全体にわたって、今日、文明から発し、寄生的に人間に迫りくる多数のものがある。従って、子供が学校に入るとき、子供の心情から、創造を行う教育芸術を開発する必要が生じる。

 子供に、喜び、もしくは落胆という、あらゆる感情から色彩を生み出させるように、色彩形成を、「喜びから苦悩まで!」、紙に表出させる必要があり、子供が、自らの心情を、紙面に繰り広げることで、表出したものは、人間と結びつき、いかなる文明の寄生をも、もたらさないものとなる。

 この自主的な色彩表現は、指や、鼻のように、人間から生え出させるが、他方の、文字により、高度文明の成果に導かれることで、人間が受け取るものは、寄生的存在へと至るだろう。

 人間の心情と心に、非常に近いものと、教育芸術とが、このように結びつけられる瞬間、スピリチュアル(心霊主義)なものをも、人間のなかで、有毒なものにならずに、人間へともたらされる。

 第一に、我々の現代文明が、癌に冒されているという診断を得て、次いで、治療、つまり、ヴァルドルフ学校教育を得るに至る!

 ヴァルドルフ学校教育は、別段特別に、特殊に組み立てられているわけではない。そこでは、医学的考察と全く同じ思考法により、文化に関して考察されるものである。

 なので、以前述べたこと、つまり、人間は本来、下からの栄養摂取から、治癒を経て、上への精神的(霊的)発達へと進み、そして、教育は、精神(霊)へと移行された(翻訳された)医学と見なし得ることが、この文化の癌腫というような、特殊なケースにも、適用できるのをみることができる。



 このような関連を見通すだけでなく、この関連において、このヴァルドルフ学校教育を、実践的に強化し、拡張しようと試みるなら、それがどのような気分のものであるかを考察できるはずで、そして今、文明の癌の共通の帰結として、中部ヨーロッパに生じていることを、自身で確実に理解でき、その癌腫が、実践的ヴァルドルフ学校教育を、全く不可能にしないまでも、恐らく非常に危うくする状況にすることに気がつくだろう。

 このような考えを捨ててはならない。この考えを、まだ少しでも可能な場所で、現代文明の癌治療に働きかけようという衝動にする必要がある。実際今日、何倍にも、そのような衝動を増したので、1913年のヘルシンキでの講演会(チクルス)(☆6)で、ある霊認識から、私(シュタイナー)はウッドロー・ウィルソン(☆7、*4)の劣等性に関して述べた。

 *********************************************************************************
☆7 ウッドロー・ウィルソン:Woodrow Wilson 1856-1924 アメリカ合衆国大統領。シュタイナーは上述のヘルシンキでの講演会、1913年6月1日の講演で彼について述べている。

*4 ウッドロー・ウィルソンについて;
 シュタイナーは「バガヴァッド・ギーターのオカルト的基盤」で、ウィルソンの論文("What is progress?")に言及しながら批判している。
 ウィルソンによれば、ニュートンの時代には、重力に関する考えが社会の概念、国家概念にも影響を及ぼしていたが、天体力学の概念を人間の性格に適用するのは不十分で、現代は別の考え方をしなければならない…そしてウィルソンは、ニュートンの概念では不十分で、生体についてのダーウィン主義の法則を{社会に}適用しなければならない、と主張する。
 シュタイナーは、ダーウィン主義のような、純粋に物質的生体組織に由来する法則では不十分で、今日必要なのは、魂、霊(精神)的法則であるとし、ウィルソンの観点を、現代に多く見られる、人智学に敵対する「部分的(中途半端な)論理」の実例として批判する。
 シュタイナーによれば、人智学的世界観は、部分的論理ではなく、透徹した包括的(全体的)思考、あらゆる場所に入り込んでいく論理を前提とする。進化というものも、ウィルソンのようなダーウィン主義の意味ではなく、霊的な意味で考えなければならない、と説く。 ("Die okkulten Grundlagen der Bhagavad Gita" P.87-89)

 別の講義でも、様々な関連で、しばしばシュタイナーはウィルソン主義を批判している。

 ********************************************************************************* ウィルソンはそのとき多くの文化人たちにとって世界の一種の主なる神となり、今日ようやく人々は、もはやそれ以上のことができない為、彼に関しても、多少明確な理解も出てきたが、そのときの状況は、当時、現代文明の癌に関して述べたことと全く一致している。



 この事が、この霊的言語の講義の最後に述べたかったことである。

(シュタイナーは、この現代文明の文化の癌腫を治療するには、教育芸術しかないと説いているのである。その為に、シュタイナー教育を生み出したともいえる。シュタイナー教育には、人智学のエキスが詰まっているので、もはや人智学を理解する必要はなく、シュタイナー教育をそのまま実践するだけでよいのである。つまり、シュタイナー教育そのものが人智学なのである。
 ただし、教師、教員、つまりシュタイナー教育を行う教育者は、充分に人智学を理解し、その態度で臨まねばならない。その意味は、自主性の問題で、人智学に賛同できない者が、その教育を行うことは、人間本来の自由意志に反するからである。)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008年02月14日 19時52分06秒
コメント(0) | コメントを書く
[神秘体験空間] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: