シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2008年02月27日
XML
カテゴリ: 神秘体験空間
 前回、真の思考には、「驚き」が必要だといった。しかし、それで十分ではなく、一歩先に進む必要がある。思考が「驚き」の気分を発するときでも、もし人間が、カルマにより、鋭い機知と賢さの持ち主になるように予め決められ、直ちに、その賢さを自慢し、その賢さに満足すると同時に、賢さだけを発達させることに、全エネルギーを使うなら、当初、感じた「驚き」は、もはや当人を助けることは全くない。

 何故なら、もし、「驚き」が魂を捕らえた後、当人の更なる思考プロセス(過程)において、「考える(思考)」以上の行為がなければ、真実へと至ることはないからである。ただし、人間は無思慮になれ、とか、思考は有害であると言っているわけではない。このような偏った意見が広がることがよくある。

 真の思考は、「驚き」から始まるというような話だけで、人々は、思考は悪であり、有害であると曲解する。人間は、ちっぽけな存在だが、「考える」ことを始め、人間の七つの原則等々を、数え上げることが可能になったとき、わざわざ、その思考を停止すべき理由は何もない。

 勿論、思考は継続されなければならないが、「驚き」の後に、また別の状態が現れなければならず、その状態とは、思考がもたらす全てに対する、「尊敬」という言葉で、最も良く表現できる状態である。「驚き」の後に、「敬虔」ないしは「尊敬」の気分が続く必要がある。

 思考領域に入ってくる驚きの気分を、「尊敬」の眼差しをもたずに、「尊敬」とはまるで無縁の思考では、真実に至ることはない。世の中を不注意に、軽い足取りで、いわば踊りながら進んで行くような、まるでゲーム感覚の思考では、絶対に真実には到達できない。

 真の思考は、「驚き」の気分を通過した後、宇宙に対する「尊敬」の感情の中にしっかりと根を張らなければならないもので、この点において、知識への真の道が、今日の科学と呼ばれる現代科学とは、真っ向から対立する領域(地点)へと至る。

 もし、あなたが、実験室で蒸留器(実験器具)等の前に立ち、物質を分析し、また合成プロセス(過程、手順)に従って化合物を合成する科学者に、次のように言うとする。

「あなたが、真実を探求することは、誠に結構なことだが、確かにあなたは何かを華麗に考え出し、その考察の結果を、頭の中で1つに要約することができるだろう。しかし、それは単なる事実だけに関わる態度で、あなたは、それに対する敬虔さも、尊敬の気持ちもなく、世界の事象に向かっているが、本当は、牧師が祭壇の前で感じるのと同じ敬虔と尊敬の感情を持って、蒸留器(実験器具)の中で起こるプロセスの前に立つべきなのである。」

 今日では、上記のように言われた人は何と言うだろうか?



「蒸留器(実験器具)の中で起こっていることに対して、大いなる(知的な)熱情(情熱)を感じるが、この熱情は、私の個人的な関心事(信仰心)であってはいけないもので、この(知的な)熱情は、真理の探究と何らかの関係を持つべきで、つまり、(私のような)知的人間を、説得して、(何らかの宗教的教条等を)信じ込ませることなど、誰もできはしない。」

 それでも、もし、あなたが次のようなこと、つまり、

「事物の性質に関する探求は、その事物自身に関しての探求であっても、決して尊敬の念を伴わないものであってはならない。人間は、自分の調査対象物に対する尊敬の感情に満たされることなく、一歩でも、その思考において先に進むべきでない」、

 と言うなら、あなたは、今日の科学者の目からみて全くの(新興宗教者のような)馬鹿者としてみられるだろう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008年02月27日 19時42分48秒
コメント(0) | コメントを書く
[神秘体験空間] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: