シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2008年06月30日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 さて、たとえ中世的な意味でも、魂への神秘的下降が生じるなら、その過程(プロセス)は次のようなものになる。

 外界が、光や色の領域や、或いは、人間の感覚に与える、あらゆる印象(イメージ)と共に、神秘家の前にある。神秘家は、この全てに知性をもって働きかけるが、外界に囚われたままに留まり、外観を貫いて、外界の源泉に至ることはできない。

 そこで、神秘家の魂は外界の概念的なイメージ、特に、受け取る印象(イメージ)から来る経験を、苦であろうと楽であろうと、或いは共感であろうと反感であろうと保持する。

 人間の自我は、興味や内的生活全体と共にあり、外界及び、外界が人間に刻印づける印象へと向かわせる。だから、第一に、神秘家が外界から目を逸らすときには、外界が朝から晩まで神秘家の魂の中に生じさせた全てのものを計算に入れなければならない。最初、神秘家には、内的生活が外的生活の繰り返し、或いは、その投影のように見える。

 では、外界から、その中に投影された全てを、忘れようとして、つまり、世界から引き出された全ての印象や概念的イメージを消し去ろうとして、魂が奮闘するなら、魂は空虚なままに取り残されるのだろうか?

 真の神秘的経験は、魂が別の可能性をもつという事実に依存している。そのため、魂が、その内に有する記憶だけでなく、共感や反感という感情をも消し去るとき、それでも、魂は何らかの内容をもっている。神秘家は外界の印象が、その色鮮やかな像と、それが魂に与える影響により、魂の隠れた深みに存在する何かを抑圧するような効果を持っていると感じる。

 外界に向かうとき、その生活は、より繊細な魂の経験をうち消すように、輝き出る力強い光のようなものであると感じられる。しかし、外界からの全ての印象が消し去られるとき、エックハルトが、呼んだような内的な閃光が輝き出る。そのとき神秘家は、目も眩むような外界を前にして、知覚不能であったために、以前、そこに存在しないように見えたものを魂の中で経験する。

 神秘家はそのとき、その事を明白にさせるため、魂の中で経験するものは外界において出会うものと比較できるのかと問う。否、大変な差異がある。外界における、我々人間の事物に対する関係は、それらの事物が、その外面しか見せないために、その事物の内面性へと貫き至ることができないというような差異がある。

 色や音を知覚するとき、その背後に、隠された側面と見なさざるを得ないものが横たわっているということに気づく。しかし、外界の印象や概念的イメージを消し去る瞬間、魂の中に生じる経験に関しては、事情が異なってくる。つまり、事物が、外面だけを、見せているとは言えなくなる。何故なら、その背後の存在は、事物の内にいて、事物の一部だからである。



 そして、小さな閃光が輝き始めるとき、魂の中に自らを現すものを観察するなら、全ての成長と衰退、誕生と死に関する考えが、それには適用できないということが分かる。何故なら、ここで、何か独立したものに出会い、内と外というような外界に属する概念は、それに相応しくないからである。ここで、把握するのは、もはや事物の表面もしくは外面ではなく、その真の存在における事物そのものである。

 自身の内にある不滅の要素を確かなものとし、そして、その要素と精神、すなわち全物質の主要な基盤として考えるべき存在との緊密な関係を確かなものにするのは、正に、この内的知識を通してだけである。

 この経験は、神秘家に、「自分は以前の経験を克服し、抹殺しなければならない、通常の魂生活は終わり、そして生と死に対する勝利者である真の魂が自分の内に生じる」、と感じるように導く。

 神秘家は、死後に生じる通常の魂生活において、この魂の内的な核の目覚めを、内的な再生として、つまりキリストの死と再生という歴史的経過(プロセス)に似たものとして経験する。こうして、神秘家はキリスト事件が内的で神秘的な経験として、魂と精神の中で生起するのを見る。

 もし、この神秘主義的な道を最後まで辿るなら、全ての経験の統合とでも呼べるようなものに到達することがわかる。何故なら、その道は感覚知覚の多様性、すなわち知覚と感情の潮の満ち引きや思考の豊かな多様性が単純化されるという、魂生活の本質に属しているからである。というのも、生活の中心点である自我は、魂生活の全体に統一を創り出そうとして絶えず働いているからである。

 だから、明らかなことだが、神秘家が魂経験の道を歩むとき、その経験は、あらゆる種々雑多なものが、自我により方向付けられた統一に向けて努力するような方法で、神秘家の前にやって来る。従って、全ての神秘家の中に精神的な一元論とでも呼ばれるものを見い出す。





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Last updated  2008年06月30日 19時57分34秒
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