シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2009年10月28日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 聖書の第一章『創世紀』に見られる蛇の象徴は、ローマの地下納骨堂(カタコムブ)では、様々な魚の徴(しるし)として見られ、伝統によれば、この魚の象徴は、キリスト者、或いはキリストを象徴する。このような象徴について空想を巡らせて、独創的事項を多く見つけることができても、やはり単なる推測に過ぎないものとなるだろう。

 人智学徒は、事実や実体のみを扱う。これらの象徴も、霊界から与えられた。この蛇と魚の2つの象徴に次から述べるような真実が含まれている。

 再度、地球は、人間と同じ受肉を辿ってきた事実を思い浮かべる。人間の形姿は、その異なる地球の受肉期、つまり、古土星紀、古太陽紀、古月紀を通して、既に存在していたが、人間の自我は、地球紀になって初めて獲得された。

 この地球がまだ最初の受肉状態、つまり、まだ(古)土星であったとき、当時はまだ岩石や耕作可能な土地のようなものは存在せず、人間の物質的な肉体は、非常に精妙な状態でしか存在できず、徐々にゆっくりと多大な年月をかけて濃密になり、ようやく現在の筋肉の形態をもつようになった。

 今日の周囲の物質を観察すると、固体、液体、気体といった物質の様々な状態があり、秘教学では、固体状の物質全てを「土(大地)」と呼び、地上の水だけでなく、液体状の物質全てを「水」と称し、気体状、ガス状の全てを「空気(風)」と称して、理解し表記している。

 更に精妙な状態があり、これは「火」のことで、今日(1907年)の物理学者は認めないが、「火」すなわち「熱」を、秘教学徒は、実際、土、水、空気と比較できるものであり、ただこの3つよりも、更に精妙な状態であるということを認めている。

 火、すなわち熱を感じとる場所では、空気よりも更に精妙なものが存在し、熱より、精妙な状態を描くなら、光(霊光)に至る。秘教学的な意味で、土、水、空気とみなせるものは、(古)土星上にはなかった。

 これらの(波動が)固定した有形の状態は、太陽紀、月紀、地球紀となり誕生した。(古)土星上で最も濃密な状態は、熱、或いは「火」で、この火の中に、人間の肉体が生き、それは一種の反射像で、土星を取り巻く環(土星状態は常に環をもつ)は、元々、火の鏡像の反射されたもので、火の分泌である。

 (古土星の環が、人間の肉体を反射して形成したという)



 これらの、いわば空気人間は空気のように「透過できる」存在なので、身体を突き抜けていくことができ、さながら、現代の蜃気楼(ファータ・モルガナ、ミラージュ)と比較できる。それほど、太陽人間は軽くフワフワしていた。勿論、この太陽上の空気の存在は、今日よりも濃密で、後の(古)月上でようやく、濃密な水の状態が生じ、この月上の生命体は、全て水の凝縮によって形成された。

 今日でも見ることのできるクラゲなどの軟体動物が、このような水-存在のイメージを与えてくれる。当時の物質的な肉体全ては、このような性質をもち、この種の肉体が、自らの内にアストラル体を受容できた。進化はゆっくりと段階的に先へと進んできた。

 このように、人間と地球は、いわば運命共同体のように関わり合い、人間は自らの惑星に属している。月紀の終末には、ある種、液体状の部分が十分に濃密となり、その結果、芝、泥土もしくはホウレンソウのような割と固定した地盤が形成された。濃密度を最も強めた部分は、現在の植物の樹の木質部に似ていた。

 それから(古)月は変容し、現在の地球になった。更に、固体状態や、鉱物状態が、そこに付け加わった。外的な(肉体の)鞘は固くなり、それに応じて徐々に、あらゆる存在が濃密に固くなった。段々と、人間は肉の存在に進化した。まず土星では熱の存在であり、太陽では空気の存在となり、月では水の存在となり、最終的に地球で肉の存在になった。

 この惑星進化の意味を考察すると、(古)土星上で、物質(肉)体の萌芽・原基がはじめて形成され、(古)太陽でエーテル体が付加され、(古)月ではアストラル体が付加されたが、月上では更に別のことが起こり、(古)月が二つの天体、すなわち一種の精妙になった古い太陽と、それ以外の本来の古い月という2つに分離した。

 当時、古い月上に残った人間は、基本的に今日の人間よりも遥かに劣った、低次の進化段階だった。というのも、この古い月上では、アストラル体が荒れ狂う激情に溢れていたからで、ずっと後になって、地球と共に、自我が付加されてからようやくアストラル体の浄化が始まった。

 そのためには更なる惑星進化が必要で、地球紀が始まったとき、邪悪な月の人間が、再び高次の太陽存在と合体し、古い月と太陽という2つの天体が再び1つになる必要があった。分離した太陽上に生きていた高次の存在たち(エロヒム)は、自らの進化を続けるには、邪悪な月を放逐する必要があった。

 しかし、高次の太陽存在が月から離れたその結果、今度は、この月上に残された邪悪な存在が、月上でありとあらゆる様々な衝動を孕んだ密な塊になり、更に固化してしまったので、月と共に追放された悪の存在全てを再び救済する必要が生じ、そのため、太陽は再び月と一体化する必要性が生じた。

 もし、この太陽と月とが再結合せずに、両者が別々に進化を続けていたら、人間は、決して今日のような形態を保つことができずに、太陽存在も、現在ほど、進化を遂げることもなかっただろう。古い月が独自の道を進んでいたら、つまり、太陽との合一によって、新たなる力を創造できなかったとしたら、月が生み出す最高の存在は、恐らく今日の蛇のような存在だった。

 一方、高次の太陽存在が、もし単独のまま進化すれば、非常に霊的なために物質体を持たず、最低次の構成要素としてエーテル体を保持していたので、太陽上の最高の存在は、魚のような存在に到達できただろう。

 魚の形態は、人間より遥かに高度に進化した存在たちの外的な現れ(形態)である。ちょうどそれは、現在の魚の集合魂[グループ・ソウル]が、実際、非常に高次な存在であるのと同じで、その外的な形態と、魂とは、全く異なる。



 というのも、この魚の姿が、古太陽存在たちの性質が到達し得た最高の物質形態であるからである。

このようなわけで、太陽紀の力全てを、地球紀に受容した太陽の英雄キリストは、魚の徴(しるし)によって象徴される。

 このような深い直観に基づいて、秘教的キリスト教が、魚の形態の意味を保持していたことがわかる。なぜなら、魚の形態は、秘教的キリスト教にとっては、太陽の力、キリストの力の外的な象徴だからである。確かに魚は外的には不完全な存在だが、魚は、それほど深く物質の中に降下しないので、利己主義にはほとんど浸透されない。





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Last updated  2009年10月28日 16時57分06秒
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