シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年03月30日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 宇宙進化に従い、これらの被造物は、今日、人間に見せるような姿に発達した。蝶と鳥をみれば、勿論、地上的な形姿をも有しているが、これまでの説明により、蝶は本質的には、光の生物であり、地上的な素材(物質的実質)は、蝶に付着しているだけであることがわかる。

 蝶自身が、自分が何モノであるか、を語れるなら、蝶は以下のように告げるだろう。

「蝶が光からなる体を持っていることは、既に述べたが、蝶は、自らに付着されている地球的素材(物質的実質)を、荷物のように、外的な重荷のように感じ、身につけている。」

 同様に、鳥は、熱に浸透された空気の動物である。というのも、本質的に、鳥は、体内に拡がる熱に浸透された空気の存在で、その他のものは、鳥が、この世で背負っていく荷物である。

 このような動物たち、つまり実際、今日もなお、その光の性質や、熱の性質を、地上的な土の覆いや、水の覆いで包んで維持するだけの生物たちは、地球の進化の最初期(土星紀)に出現した。

 土星紀に出現した、これらの生物がもつ形姿は、人間が地上生活に下降する前の、霊界で過ごす時を現世でも見通せる者(霊能者)に、霊界での経験を思い起こさせる。確かに、これらの生物は、地上的な形姿をもつが、地上の素材が(荷物として)付着しているだけである。

 しかし、蝶という浮遊し活動する発光存在を正しく思い浮かべ、付着している地上的な実質を、除外して考え、また、鳥を、熱の浸透した空気存在にする翼の溢れる力を、輝く光線として考えるなら、その荷物としての外面の覆い故に、その地上の姿や大きさに見える、このような生物たちは、やはり地上に下降する前の人間を知る者(霊能者)に、人間の地上への下降を思い出させる。

 霊界の参入者は、そのとき次のように言う。

「蝶のなかに、鳥のなかに、人間が地上に下る前に生きていた霊の形姿を、いわゆる高次のヒエラルキア(位階)の存在を思い起こさせるものがある。」



 霊的な理解力をもって、蝶と鳥を眺めると、これらは、まだ地球進化に下降していなかったときに、自らの周囲に存在していた霊の形姿で、それはやがて、小さな存在へと置き換えられた「変容された記憶」なのである。

 地球の素材(物質的実質)は重く、克服すべきものなので、蝶は本質的に有している、その巨大な姿を、小さな存在に縮めた。

 蝶から地球の素材を全て分離できたなら、蝶は霊的存在として、いわば発光存在として大天使の姿にまで拡がることができる。既に、空中に棲む動物のなかには、霊に即した形で、高次の領域に存在するものの地上的な模像(似姿)を有している。

 (宇宙は高次元のフラクタル構造になっているということなのであろう。高次元の像が、3次元では、鳥の翼や蝶の翅、或いは、人間の記憶や思考をつくっている。

 ある霊能者によると、人間の背中、つまり左右の肩から、霊線が、先祖へと伸びて、繋がっているらしい。つまり、祖先の霊たちが、現世の人間を、人形劇の黒子や腹話術のように、前に流行ったパペットマペットのような感じで、高次元から、霊感を送っているようである。)

 従って、古代の遺伝的な霊視者の時代では、飛行する動物の形姿から、高次の霊的存在の象徴的形姿や具象的形姿を描き出すことは、いうまでもなく芸術的な営みだった。この営みには内的な根拠があった。

 根本において、蝶と鳥の物質的な形姿は、その霊的存在の物質的変容に他ならない。霊的存在たちは変容するわけではないが、蝶と鳥は霊的存在たちの変容した模像であるが、ただし、両者は別の存在である。

 従って、既に述べたことに遡り、再度、これから述べることを描写したら、更に理解できる。

 蝶は本質的に光の生物であり、その生存中から絶えず霊化された地球の素材を宇宙に送り込むという事実を以前述べた。

 さて、このとき宇宙に送り込まれる霊化された地球の素材を、通常の天文学の太陽に対する表現をかりて、「蝶コロナ」と呼ぶ。

 絶えず「蝶コロナ」が宇宙に放射されているが、この「蝶コロナ」のなかに、鳥類が死ぬたびに宇宙に委ねられる霊的実質が放射され、つまり、鳥類により、霊化された素材が宇宙に放射されていく。



 人間が霊界から物質界に下降するとき、人間を、この地上での生存へと呼び寄せるのは、第一に、この蝶のコロナであり、つまりこの霊化された地球素材の独特の放射である。そして、更に、鳥コロナの光線が、引力のように感受される。

 このような事実により、大気圏のなかの生物の高次の意味がわかる。現に、生き活動する場所全てに、霊的存在を探求すべきである。

 霊的存在を探求してはじめて、個々の存在領域がいかなる意味を持つのか、という真実に到達できる。

 地球は、蝶コロナの光放射と鳥コロナの光線を宇宙空間に送り出すことで、いわば人間を再受肉へと誘う。この事実は、人間が、死と新たな誕生(転生)の間、しばらく純粋な霊界で過ごした後、再び新たな地上生(転生)へと人間を呼び寄せる(1)。

(1)新たな地上生へと:シュタイナーによる神秘劇「魂の目覚め」の第八景における新洗礼者の描写も参照のこと、『四つの神秘劇』(1910-1913GA14)所収。

 従って、人間が蝶の世界や鳥の世界を見る際、当然の如く抱く複雑な感情の謎を解くのを困難に感じるのも不思議ではない。なぜなら、実際に存在する真実は、人間の潜在意識の奥底深く潜んでいるからであり、実際に存在するのは、新たな地上生(転生)への憧れの記憶である。






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Last updated  2010年04月02日 16時54分29秒
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