シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年07月16日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 前回のように、秘儀参入者は、例えば、動物の世界を媒介にして、別の世界を知るようになる。しかし、更に高次の精神世界をよく知るには、また別の意識形態が必要になる。

 霊視を獲得するには、現代人の夢見る浅い睡眠意識を覚醒意識の生活へともたらさなければならないが、この新しい覚醒意識により、動物界の精神的な構成に対する洞察を獲得できる。

 霊視による別の世界、つまり第二の世界は、魂の世界、あるいは物質的な世界と区別するために、魂界またはアストラル界と名づけられる。人間は、別の意識形態を通して、このアストラル界を知るようになる。現代人は、日常的に存在する世界とは異なる世界への洞察を、また別の意識を通して獲得しなければならない。

 魂の生活を更に強化し、活性化することが可能である。つまり、先に触れた著書に記述されているように、集中や瞑想を行うだけでなく、強化された魂の内容を再び排除するように努力できる。

 魂の生活を強化し、思考と感情を強めるという、最も骨の折れる努力の末に、それを再び変化させ、最終的に無に帰すことができる地点まで至ると、「空になった意識」と呼ばれる状態に帰着する。

 さて、通常、「空になった意識」の状態は睡眠を誘発する。このことは次のような実験でも確かめられる。はじめに被験者から全ての視覚イメージを取り除き、闇の中に置く。次に、全ての聴覚イメージを取り除き、沈黙に包まれるようにする。そして、他の全ての感覚イメージを奪うように努めれば、徐々に、被験者は、眠りに落ちる。

 もし、予め、思考や感情を強化していれば、睡眠は誘発されない。意識を、意志の働きにより、空にしていたなら、闇に置かれ、視聴覚を閉ざされるような場合にも、起きたままでいられる。そのとき、秘儀参入者には、現象世界はもはや存在しない。

 通常の思考や記憶は忘れ去られ、空になった意識をもつ中には真の精神世界が直ちに侵入してくる。通常の覚醒意識が、感覚世界の色や音、熱で満たされるように、精神世界が、この空になった意識を満たす。意識を、意識的に空にするときにだけ、真の精神世界に取り巻かれる。

 また、新しい空の意識と、真の精神世界との関係を、特別活動的に理解するために役立つものが、外界の自然の中にある。



 では、通常の覚醒意識には植物界はどのように見えるか?

 緑々とした牧場のあちらこちらに鉱物的な地球の中から花々が咲きでているのを見ると、活動的な緑のなかに、青や金、赤や白の花々、つまり、目の前に絨毯のように広がる植物界の美しさの中に喜びを感じる。

 地球が花と植物に彩られ、まるで光り輝く衣に包まれるのを見て、心を躍らせ、喜びに満たされる。

 そして、目を天に向ければ、眩しく輝く太陽、透き通った昼間の空、もしくは曇った空がある。しかし、現代人は、天と地球の間、つまり、花々に彩られた野原を見下す行為と、空を見上げる行為との間に何らかの関係がある、ということに気づいていない。

 昼間、目の前に広がる花のカーペットを見て強烈な喜びを感じた後、例えば、夏の一日が終わって、夜の幕が下りるのを待つことを想定してみる。目を天に向け、空一杯に広がる様々に輝く星座として星々が配列されているのを見ると、新しい歓喜が天から、人間の魂を捉える。

 このように、昼間、地上を覆う植物を見下ろせば、(精神的な)喜びと歓喜で、心を満たすことができ、そして、日が暮れて、夜空を見上げれば、昼間に青く見えた空も、光り輝く星々に満ちているのがわかる。

 人間は、魂に現れる美しい空を見て内(精神)的な喜びを感じる。この事実が、人間の通常の覚醒意識による反応である。

 もし、空の意識で、眠らずに、覚醒したまま、真の(善なる)精神世界に浸透された意識を完成させたなら、昼間、植物に覆われた地球を探求し、夜には煌めく星々を見上げるとき、次のように覚ることができる。

「確かに、昼間、地球に散りばめられた花々の豊かな彩りが、私を喜ばせ、魅惑したが、実際のところ、私は、何を見たのだろうか?」

「天にある無数の星々を見上げると、地球的な内容全てが除去され、空になった覚醒意識には、星々が輝き煌めく以上の存在であり、実に様々な形態をとるものとして顕れる。」

「何故なら、天のあの高次の領域には、素晴らしい真実の世界、すなわち壮大で力強い崇高な運動と流れが至る所に存在しているからである。」



 人智学徒は、植物の起源が高次の領域に横たわっていることを知っている。これまでは、煌めきと輝き以上のものではないと考えていた星々が、実は、真の植物存在であり、空の意識から、それを初めて見るが、例えば、この空の意識から、スミレの花をみたなら、それはスミレではなく、朝露の中にあるスミレの花の上の一滴の露を見ているような感覚となる。

 そのとき、1つの星の中に、いわば1つの輝く露を見るが、実際には、運動し、流れる力強い世界がその背後に横たわっている。秘儀参入者は今や、植物界の真実を知る。

 それは地上ではなく、壮大で力強く、崇高な大宇宙の中に見いだされる存在である。そして昼間、彩り豊かな花のカーペットの中に見ていたイメージは、実は、高次世界が反射したイメージなのである。





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Last updated  2010年07月23日 17時00分07秒
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