シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年07月23日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 さて、鉱物界から、更に学ぶことができる。これまで鉱物の結晶に関する話を述べてきた。既に鉱物の外的な形態に関して議論したが、今度は、鉱物の組成や構造、実質や金属性に関して理解すると同時に、ある種の基本的な金属が、様々な形で安定化の要素として、いかに働くか、を見つけることができる。

 この段階から初めて、人間が宇宙といかに関連しているか、を理解し始め、様々な金属の特徴、鉱物という存在の実質に関して学び、前回触れた人間の中にある重心を本当に感じ始める。

 これから述べることに関しては、鉱物(物質)界の記述用語を、どうしても使わざるを得ないが、文面の上だけで受け取らないようにして欲しい。例えば、心臓や頭について語るとき、現代の常識的な観点では、物質的な心臓や頭が突如として魔法のように自然発生した存在とみなすが、それらの起源は、勿論、精神である。

 従って、人間を、全体性において、すなわち、肉体と魂と精神から構成されている(三位一体の)実体として見るなら、人間の重心は心臓にある、という明白なイメージが得られる。心臓にあるこの重心は、人間を極端に走らせることから防御し、同時に外的な状況によって翻弄されることをも防ぐような安定性を付与する。

 もし、前回触れた勇敢な精神を保つなら、結局は、自身がしっかりと宇宙に繋ぎ止められている真実を見つけることになる。

 意識を喪失している人は、しっかりとは繋ぎ止められていない。もし、魂にショックを受けた状態(というのも、そのような条件下では、通常よりも痛みを感じやすく、結局のところ、「痛み」とは内的な感情が増幅されたものである)であれば、通常の意識状態にはない。

 「痛み」のある状態では、通常の覚醒意識は排除される。

 (モルヒネ等の麻酔で、「痛み」を回避できるのは、意識状態を変えているといえる。だから、多用しすぎると、覚醒意識に戻れなくなるわけである。)

 人間は誕生から死ぬまでの間、一種の中立的(中間的)な意識状態下に生きるが、これは日常生活での通常の目的にとっては都合がよいが、この意識があまりにも弱く、過度に希薄なものになると、気を失う。もし、気を失わない程度に、その状態が、あまりに濃縮されたなら、結果として「痛み」が生じる。



 もし、節の固定部分、つまり物質の力が強すぎると、波の振動は微弱になり、精神は緊張するし、節の固定部分、物質の力が弱すぎると、波の振動が乱れ、精神は乱れる。

 意識は、この均衡を統べる秤のようなものなのだろう。)

 気絶状態での意識喪失、そして、「痛み」の影響での緊張状態等は、正常から外れた両極端な意識状態を示している。

 この両極端の意識は、鉱物界における結晶の実質を理解するようになる前の、鉱物界に対する秘儀参入者の反応、すなわち、気絶状態において、自分が絶えず宇宙の中に解消されてしまうかのような感情と、または、痛みの影響下で、自分が崩壊してしまうか、のような感情を示している。

 (喜怒哀楽を育てなかったために、覚醒意識における自己喪失と同時に感情も失い、空虚感が押し寄せる場合と、喜怒哀楽が利己主義と一体となっていたために、覚醒意識における自己喪失と同時に、感情の保持が困難になり、感情の矛先を向ける対象を喪失する場合といえる。)

 この両極端の意識に走りそうなとき、安定性を付与する全てが心臓の領域に集中しているという事実が、秘儀参入者には感じられる。

 そして、もし、秘儀参入者が既に示したレベルにまで自身の意識を発達させていたなら、通常の覚醒意識を支援し、幾分雑な表現になるが、「当たり前な」意識にしている存在は、地球上に細かく分散し、他のどの器官に対するよりも、特に心臓に対して直接的に働きかける黄金、すなわち金の元素である、ということが分かる。

 これまでの講義から、鉱物の形成、結晶化に関する知見を得た。今度は、その実質、その金属性を知ると同時に、金属が人間にいかに働きかけるか、を認識する。

 外界では、特に鉱物界において金属が結晶として形成されるのを見ることができる。同時に、内(精神)的には、地球上に細かく分散した金の力が、人間の心臓を維持し、日常生活における通常の覚醒意識を支えている、ということが分かる。

 金は人間の心臓という中心点に働きかける。この知見を基にして、更なる鉱物に対する探求をスタートさせる地点に立てる。

 もし、既知の金属である金を取り上げ、その色や固さ、またその成り立ちや構造に関するあらゆる側面を探求すると同時に、その経験を内(精神)的な現実へと変化させたなら、金は心臓に関係している、という事実を見つけるが、別の金属、例えば鉄と鉄の性質を探求するなら、また鉄が人間にどのような影響を及ぼすか、を見つけることができる。



 もし、秘儀参入者が、金の全ての側面に精通した後、鉄に心を集中させたなら、つまり、宇宙全体を忘却し、鉄という金属だけに意識を集中することで、いわば内的に鉄と溶け合い、鉄と1つになるなら、あたかも自分の意識が心臓の領域から上方に移行するかのように感じる。

 意識が心臓から喉頭へと上昇するのを追っていくときに、覚醒意識を保ちながら、十分に精神的な訓練を遂行していれば、害はない。そうでなければ、多少の眩暈を感じる。秘儀参入者の意識が上昇するとき、強力な内的な活動、高次の覚醒意識を発達させている、という事実により、この状況を認識できる。

 この上昇する意識の中に、徐々に自分を移行させるとき、動物の集合魂が見られる世界に接触する。鉄の金属性に(覚醒)意識を集中することで、アストラル界に参入できる。

 秘儀参入者が、金属の形態に精通するとき、高次の精神的な存在たちの領域に至る。すなわち、金属の実質や金属性に精通するとき、アストラル界、すなわち魂の世界に参入する。意識を喉頭へと上昇させると同時に、新しい領域の中に現れ出るが、このような意識の移行が起こるのは鉄に意識に集中したからである。

 そのとき、もはや自分が以前と同じ人間であるとは感じない。もし、この状態が十分に明晰な意識の中で達成されたなら、それまでの自分の自我を超越し、エーテル界に自我が参入したと感じる。秘儀参入者にとっては、もはや地球は消滅し、興味のないものとなる。



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Last updated  2010年08月03日 11時14分00秒
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