シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年08月06日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 プロセルピナ(現代用語では陳腐に聞こえるが)とは、古代人にとっての「自然」を意味し、その自然の生命の半分が天上の世界にあり、あとの半分は、人間に、物質的、感覚的な面だけを現しながら、天上にある生命の半分は、人間が睡眠中に滞在する世界とはいえ、人間の睡眠が真の現実を欠いているために、今日では、もはや人間が活動できない領域で生きる「自然」なのである。

 自然に関する知識は、古いギリシア神話の中で、ペルセポネとしての生きていたものの残響だが、現在の概念は抽象的で、現代人がこの様な事実に気づくことはない。

 悲しみに満ちた表情の中世の知識人たちが、ペルセポネについて知っていたという事実、当時はまだ、ペルセポネを知ることができたという事実は、時間の経過とともに、認識方法(秘儀参入法)がいかに変化したか、を示す。

 この講義のはじめに述べたが、このような事柄の微妙な違い、に対する正しい感情と感覚を発達させることが可能なのは、かつて存在していた知性を、時代を遡りながら振り返るときだけである。

 いま、このような例に言及したのは、古代の知の形態を蘇らせるためではなく、かつての時代に卓越的であった、上記のような知識に対する注意を喚起するためである。

 もし、フィオーレのヨアキムやハンビルのジョンらによって語られるような、「今日、我々が、自然と考えているものは、精神的に理解できないが故に、我々の目から隠されているが、それはかつてプロセルピナとして知られていた。」という言葉を、正確に把握するなら、

 またもし、このプロセルピナの神話(何故なら、唯一神話として生き残っているからだが)を、現代人の中で新たなものにするなら、この神話によって生じるイメージは、これまでの人間との関係に関するイメージを呼び起こすことになる。

 それは、人間が女神「ナチュラ」の抽象的な側面(現代)も、悲劇的な側面(中世)も知らなかった時代のイメージ、すなわち、プロセルピナ-ペルセポネ自身を、輝く美と悲劇的な陰鬱において見ていた(太古の)時代のイメージなのである。



 その最盛期とは、プラトン哲学の時代でも、ソクラテスの対話の時代でもなく、更に遥かに昔の、ギリシア文化の最盛期よりも、知識が遥かに活力のある時代だった。

 既に現在の立場から議論し、この連続講義の中で更に詳細に議論する予定のテーマを正しい観点から眺められるように、人間進化のプロセスの中で、知識が纏ってきた様々な形態に向き合ってみる。

 説明は簡素で不完全にならざるを得ないが、ギリシアの哲学者ヘラクレイトスが、「暗く、陰鬱な」(何故なら、彼が秘儀参入することで得ていた知識全ての上に、後になって、魂的な闇が降りてきたからだが)と自らで呼んだ秘儀参入の秘儀の本性に向き合ってみる。

ヘラクレイトス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%B9

 秘儀(参入)の発達の時代、すなわちギリシア人たちがイマジネーション的な視界(イメージ思考)を獲得し、神話を創造する為に、秘儀に依存していた時代を、そして、ヘラクレイトスが秘儀に参入していた頃のエフェソスの秘儀を眼前に思い描いてみる。

 エフェソスには太古の時代からの知識がまだ残存していたが、その知識はホメロスの時代(紀元前800年代)にまで、そして、衰弱した形とはいえ、ヘラクレイトスが秘儀に参入した時代(紀元前500年辺り)にまでも生き残っていた。

ホメロス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%82%B9

エフェソス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%BD%E3%82%B9

 エフェソスの太古の秘儀はまだ精力的に活動していた。その東側の、自然の豊かな恵みを象徴する女神「ディアナ」、すなわち豊穣の女神の彫像によって飾られていた神殿には、極めて力強い精神的な雰囲気が存在していた。

ディアナ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%8A_(%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E7%A5%9E%E8%A9%B1)

アルテミス神殿
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%86%E3%83%9F%E3%82%B9%E7%A5%9E%E6%AE%BF



 瞑想へと、自然が誘う黄昏時、参入者たちは、神殿の参道を通り、エフェソスの神殿から扇状に広がり、遥か遠方で次第に暗い緑の木々の中に消えていく道を、森へと歩いていただろう。幾分不十分だが、この種の会話がどのようなものかを、以下に示してみる。

 当時の秘儀に、部分的にでも参入した人にとって、弟子が男女どちらであれ、会話を持つことは可能だった。その後、直ぐに奪われることになるとはいえ、当時の両性間における権利の平等は今日よりも、遥かに生きた現実であった、ということが認められる。

 従って、エフェソスでは、男女の弟子について語ることができる。そして、参入者たちの会話の中には、神話のなかのペルセポネの精神的な側面に関する生き生きとした興味があった。





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Last updated  2010年08月12日 16時51分44秒
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