シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年10月28日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 人間世界と精神世界との関連で、第9講で触れた、ベークマン博士との共同研究を挙げる。この研究のなかで、超常現象を正確に記述する試みを行った。内(精神)的な夢の生活に光を投げかける別の探求方法(道)については既に述べたが、その方法と同じく、上記の共同研究のなかの探求方法も精神(霊)的な洞察なしには成立しない。

 この探求方法は、探求すべき現象を、精神世界に起源をもつ対応物と直接関係づけるような方法である。

 しかし、超常現象は、前回述べたような形で、外界で遭遇する個々の奇跡的な出来事とは関係しない。超常現象が属する領域とは、医学や解剖学、生理学の教育訓練を受け、人間の器官(肺、肝臓他の器官)の外(物質)的形態に関する知覚が、イマジネーション(霊視)的な理解に従い変容を遂げ、徐々に人間という生命体を、イマジネーション(霊視)を通じて洞察できるようになり始めた人が認識できる領域である。

 従って、超常現象を理解するには、自然のなかの日常の外(物質)的な現象からではなく、異常な現象と同じ形で働く人間の器官に対して研究できるときである。つまり、超常現象の理解を可能とするには、当初の科学的で、解剖学的な知覚を、生命体へと精神(霊)的に参入することで、変容できる立場にあるときである。

 以前、述べた方法では、人間という存在全体を出発点としたが、今回の、いわゆる精神(霊)的解剖学を通じて、個々の器官を直接知覚し、理解することからはじめる方法は、自然科学を戯画化した統計的手法から外(物質)的現象を理解する、偽(いつわり)のアプローチとは対照的に、真の結果へと導くことができる。

 上記のことからわかるように、超常現象を議論するためには、上記の霊的な道筋に沿って訓練を受けてきた臨床家の協力が必要だった。更に言うなら、霊(精神)的な観点から解剖学を眺めるなら、霊(精神)的な方法で人間の器官を精神(霊)的に理解できるので、目の前のゴールに対して、心に疑問を抱かなくなることがわかる。

 (霊的な解剖学や器官異常を理解する医者は秘儀参入法を学んでいるともいえる。)

 そして、精神(霊)的な知覚の前に、以前に述べたような内(精神)的な(全体)人間ではなく、勿論まだ漠然としているが、力強く、巨大な姿をした外(物質)的で宇宙的な人間(全体として認識できるのではなく、精神「霊」的な知覚を通じて、各器官が内的に現れるような人間)が明らかになる。

 単なる物質的人間ではなく、宇宙的な人間が出現するのは、各器官が精神(霊)的に眺められるからである。



 以前の段階では、月の領域が通常の覚醒意識の中に招き寄せられたのと同じように、土星の領域が科学的な知覚意識の中に招き寄せられる。土星の力から、あらゆる器官の中で特別な形で働いている作用を認識できるようになる。土星の働きは肝臓の中では特に強く、肺の中では比較的弱く、頭部では最も弱くなる。

 上記のように様々な器官に土星の影響を探す、という人智学徒に課せられた目標を意識できるようになる。

 以前、瞑想の段階的な実践により、精神(霊)的に前進(進化)したのと同様に、今度は、土星の探求、すなわち、個々の器官の精神(霊)的構造の探求から、内(精神)的に同化することで、更に木星領域へと到達し、あらゆる器官は、実際、神的-精神(霊)的存在の地上での対応物である、ということが認識できるようになる。

人間は、神的-精神(霊)的存在のイメージを、内に、器官として担っている。

 宇宙(太陽系)全体は、最初、土星領域の中に巨大な(1つの)存在(天体)として出現したが、巨大な宇宙的存在(天体)としての人間全体が、何世代にもわたる神々の内(霊)的-生命的な共同作業の総体として現れるのを、霊視から読み解くことができる。

 (太陽系は土星からはじまったと、シュタイナーは説く。土星から、太陽、月と地球は分離してきた。ただし、ここで述べる、土星は、現在の天体の土星とは異なる。霊的な土星である。物質的にいえば、熱だけの状態である。

 現在の土星も、この霊的土星に類似した状態とはいえる。類似というのは、人間の、子供や大人という成長段階を意味する用語と似た分類という意味である。つまり、土星は、天体の赤ん坊を表す命名といえる。

 土星サターンは農業神からきているが、恐らく、種を蒔くという意味だろうが、サタン、つまり悪魔にも使われる。悪魔も未熟で、個的なので、土星と似ているといえる。熱がありすぎると悪魔になるわけだ。)

 宇宙(太陽系)の歴史に対しても、精神(霊)的な経験をする過程で、秘儀参入者を支え、守護することができる力により活性化されたように、十全たる意識の中で、正しい方法(道)を追求しなければならない。

 宇宙(太陽系)の歴史的な全ての影響は、第一に胎児の段階に現れるが、その出現は一時的である、ということに注意すべきである。



 さて、今日(1924年)、魂の探求に従事する人たちは精神(霊)を顧慮することなど夢にも思わない。自分たちの方法、つまり、様々な霊媒師や夢遊病者を実験室に呼んでテストしながら研究することを好む。

 しかし、精神(霊)的真実は人間のレベル(物質世界)にまで引き下げられることはない。科学的方法で、超常現象に取り組み、徐々に科学的解釈に到達する、と公言する場合は特に真実とは程遠くなる。





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Last updated  2010年11月05日 10時50分29秒
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