シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年11月29日
XML
カテゴリ: 神秘体験空間
 古代人は霊的な存在で、下方の物質(肉)体やエーテル体と、当人も関知する関係を結んでいた。

 そして、古代人は、現代人が物質(肉)体のなかに、自然の物質が入ってくるのを感じるのと同じように、霊-魂、いわゆる自我とアストラル体のなかに、神-霊的なヒエラルキア(位階)存在が参入して来るのを感じていた。

 (古代ギリシア神話が、神々の物語なのは、古代人が、神々を直接感じていたからであろう。いまでいえば、半神半人の状態といえる。)

 例えば、現代人は、物質(肉)体のなかに、食物や呼吸と一緒に、外の自然界の物質を摂取するのを感じる。はじめ外にある、外界の物質が、人間の内に入る。外の物質は人間に浸透し、人間の一部になることで人間に作用する。

 古代人は、自身の霊-魂が、当時の物質(肉)体-エーテル体から、わずかに分離していることを感じていたが、次のような事実も知っていた。

 第3位階の、アンゲロイ(天使)、アルヒアンゲロイ(大天使)から、最高のヒエラルキア第1位階に至るまでの神的存在たちは、霊(精神)的で同時に物質(実質)的で、人間の霊-魂を通じて浸透し、霊的で物質的な神的存在が、人智学的にいえば、「人間の一部となる」、ということを知っていた。

天使の世界
http://homepage2.nifty.com/aozorakissa/angel5.htm

 従って、古代人は、どの瞬間の生にも、「自身のなかには神々が生きている」、と言うことができた。古代人は、現代人が考えているように、自身の自我が、物質もしくはエーテルの実質により、下から組み立てられ、発達した存在のように解していたのではなく、自我を、神々の恩寵により自分に贈られた存在、つまり上の神々であるヒエラルキア存在の側からやってきて発達した存在として把握していた。



 そして、古代人は、自身の当時の物質体-エーテル体を、いわば荷物や乗り物のように、物質的世界で前進するために使う人生の自動車に似た存在のように把握していた。このような事実を相応しい形で魂の目のなかで捉えないと、人類進化の歴史上の経緯などは本質的に理解できない。

 (仏教の考えとよく似ているし、また、自分の肉体を荷物と捉えるのは、シュタイナーが説く鳥類や蝶などの感覚と似ている。古代人が、鳥や蝶などを神聖視するのは、自分たちとの共通認識の名残なのだろう。)

 さて、様々な特徴ある例を手掛かりに、人類進化の歴史上の経緯を追求できる。いま、眼前に、いわば一筋の糸(琴線)を置いてみる。

 13年前の連続講義でも、これから述べる人類進化のある最古の段階を示す、歴史的-伝説的文献、つまりギルガメッシュ叙事詩(2)を引き合いに出すことで、この一筋の糸(琴線)に触れた。

 このギルガメッシュ叙事詩の一部は、伝説的だが、13年前の講義で述べた経過を、今回は、霊的な観照から直接生じてくるように述べてみる。

ギルガメッシュ叙事詩
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%A1%E3%82%B7%E3%83%A5%E5%8F%99%E4%BA%8B%E8%A9%A9

 当時、西南アジア(近東)のある都市に(ギルガメッシュ叙事詩ではウルク「エレク[Erek]」と呼ばれる)、第2講で述べた特徴の魂の状態(精神)をもち、当時の社会的状態から育った侵略者的性質の民族の代表的な人間がいた。

 叙事詩では、この人物を、ギルガメッシュと呼んでいる。この人物は、古代人の魂の状態(精神)として特徴づけたような性質をもち、今話題としている時代より前の時代からの古い人類の特性をまだ多分に保つ人物である。

 当時、このような人物は、自身を、いわば二重の存在(ドッペルゲンガー)として、つまり、神々が参入する霊-魂(霊的人間)と、地球や宇宙の物質の物質的実質やエーテル的実質が作用する物質(肉)体-エーテル体との間で、二面性を持つことを明白に理解していた。

 (このような認識をもつ人間を、半神半人と呼んでいたようである。)



 この移行とは、比較的、その直前の時代では、霊-魂の下で上方にあった自我意識が、いわば、物質(肉)体-エーテル体のなかに沈みこんでいった結果、内部に神々を感じることのできる霊-魂に対して、「私」と言わず、地上の物質体-エーテル体に対して、「私」と言い始めた、新たな魂の状態の時期にあたり、そのような民族のなかに、ギルガメッシュがいた。

 いま話題にしている新たな魂の状態のなかへと、霊-魂から自我の意識が下降した。

 物質(肉)体-エーテル体のなかへと、自我が、意識的な自我として下降したわけだが、この人物においては同時に、まだ古い習慣、すなわち、当時主流の「リズム化された記憶」のなかでの体験の習慣が残り、賢さ(知性)へと導く要素を生み出す、本質的な死の力に精通しなければならない、と感じる感受性ももっていた。

 このギルガメッシュという人物に関わるのは、この人物の魂が、当時、既に数多くの受肉を経てきたが、いま描写したような新たな魂(精神)の状態のなかに歩み入ることで、物質的な生存において、ある種の不確実さを、担うことになったからである。

 死の力を賢さ(知性)へと変え得る侵略という古い習慣や、リズム化された記憶による体験は、もはや地上にとって有効でなくなった。このように、この人物の体験は、過渡(移行)期の体験だった。



 そのため、次のような出来事が起こった。この人物が、古来の習慣から、ギルガメッシュ叙事詩でウルク(エレク)と呼ばれる都市を侵略により占領したとき、この都市に紛争が生じた。当初、この人物はこの都市では歓迎されず、ヨソ者と見なされた。勿論、都市で生じていた困難をうまく処理できなかったせいもあるだろう。

 ここで、運命によりもう1人の人物(ギルガメッシュ叙事詩ではエアバニ「エンキド」と呼ばれる)が導かれる。著書『神秘学概論』に記述した意味での、地球の人類がある期間過ごした太古の惑星状態から、比較的後になってから地上に降りてきた(受肉した)人物である。

 (ギルガメッシュの魂は、地上への転生が比較的多く、エアバニの魂は少なく、それも、充分に長い年月を通して、他の惑星から転生してきたという。)

 人智学徒なら既知のように、地球進化の非常に早い時期に宇宙の様々な惑星へと地球から退いた魂たちが、古代アトランティス時代に、ある魂は早く、ある魂は遅く、相次いで地球に降(くだ)ってきた。

 ギルガメッシュは、比較的、早く地球にもどってきた魂で、ギルガメッシュ叙事詩が記述する時代には、多くの受肉を体験していた。そして、都市に導かれたもう1人の人物(エアバニ)は、他の惑星状態に比較的長い間とどまり、遅れて再度、地球に赴いた魂である。

 13年前に、人智学の立場から、歴史に関して行った連続講義では、上記の事実は幾分異なった観点から述べた。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010年12月07日 16時48分54秒
コメント(0) | コメントを書く
[神秘体験空間] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: