シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年11月30日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 さて、エアバニは、ギルガメッシュと親密な友情を結び、それから2人は共同して、小アジアの都市ウルクに、真に平和で堅固な社会を作り出すことができた。このことが可能だったのは特に次のような理由による。

 つまり、この第2の人物(エアバニ)が、地球への受肉をあまりしなかったことにより、地球外の宇宙での滞在中に維持されてきた叡智を比較的多くもっていたからである。すでに、前回(13年前)のシュトゥットガルトの講義でも述べたように、この人物には、一種の霊視、霊聴、明瞭な(光明を得る)神的認識があった。

 そして、ギルガメッシュという人物のなかに存在していた古来の侵略の習慣とリズム志向の記憶に由来する魂の状態と、エアバニという人物の宇宙の秘密を見通す能力が合流することから、この2人の時代よりも少し古い時代には、普通にあったように、西南アジアの都市に社会秩序が確立されていった。

 この都市に平和が訪れ、住民の幸福が訪れた。そして、事実経過全体を、別の方向へと導いた、ある特別の出来事が再び起こらなかったら、この都市は秩序を保っていただろう。

 この都市には、ある女神の秘儀(イシュタル)があり、この秘儀は、非常に多くの宇宙の秘密を保持していた。当時の意味においては、一種の統合的な秘儀とでも呼べるもので、すなわち、当時、この秘儀のなかに、アジアの様々な特徴的な秘儀における啓示が集められていた。

 様々な時代に、秘儀の内容は変更させられ、変容し、その地で保存され教えられた。叙事詩のギルガメッシュという名の人物は、最初、このことが理解できず、この秘儀の地は、矛盾だらけの内容を教えている、と非難した。

 ギルガメッシュという当時の権威者(ギルガメッシュとエアバニの2人は、都市全体に秩序を与え管理した人物である)から、秘儀が非難されたことで、様々な困難が生じ、結局、古代の秘儀において、神々に伺いを立てることのできた権威者、すなわち、秘儀の祭司たちが、神々に伺いを立てる、という事態に発展した。

 第2講が理解できれば、古代の秘儀では、高次ヒエラルキア(位階)の霊的存在たちに伺いを立てることが実際に可能だった、という事実を、訝しく思うことはないだろう。第2講で述べたように、古代東洋では、アジアは本質的に最下層の天であり、最下層の天においても、当時の人々は、神的-霊的存在たちの実在を知り、これらの精神的存在たちと交渉を持っていたからである。

 特に、秘儀のなかで、神々との交渉が続けられた。そして、イシュタルの秘儀の祭司職が、啓示(光明)を得る場合に常に伺いを立てていた霊力(女神)に伺いを立てた結果、この霊力(女神)が都市に対して一種の刑罰を科する、という状況になった。



 肉体的な病気や、特に魂の錯乱等である。そして、ギルガメッシュの味方となった人物、叙事詩でいうエアバニと呼ばれる人物が、この困難のために死ぬ、という結果になるが、エアバニは、ギルガメッシュの地上での使命を継続するために、死後も、霊的に、ギルガメッシュの傍らにとどまり続けた。

 叙事詩におけるギルガメッシュという名を担う人物のその後の人生及び転生や、その後の進化を、エアバニという特徴ある人物との間の交流が更に続いた、ということから、理解する必要がある。エアバニの側からギルガメッシュに霊感や啓示が与えられたのである。

 すなわち、ギルガメッシュは、自身の意志だけで、つまり単独で行為を継続したのではなく、2人の意志と、2人の意志の合流から行為を継続した。

 上記の事実をもって、古代にあって、魂の1つの可能な能力を再度、眼前に据えることになる。古代、人間の心情は、今日のように一義的ではなかった。従って、感覚も、今日のような自由な体験は存在し得なかった。

 当時可能なのは、一度も地上に受肉したことのない霊的存在が、地上のある人物の意志を通じて働きかけるか、或いは、このギルガメッシュの場合のように、既に死を通過して死後の生を送っている人物(エアバニ)が、地上の人物(ギルガメッシュ)の意志を通じて話し、行為するかの、いずれかだった。

 ギルガメッシュの場合はその典型だった。このように2人の意志の合流から生まれた心情が、ギルガメッシュのなかに、浮かび上がり、彼自身の魂(精神)が、本質的に、どのような歴史的状態にあるか、ということについての、かなり明確な認識をもつことができた。

 ギルガメッシュは、インスピレーション(霊視)をもたらしてくれる霊(エアバニ)の影響により、自我が、死すべき物質(肉)体とエーテル体のなかに下降してきた、という事実を知り始め、そして、ギルガメッシュにとって、不死の問題が強く集中的な役割を演ずるようになってきた。

 ギルガメッシュの憧れ全ては、この不死の問題の背後に、どうにかして到達することに向けられた。当時地上での不死に関して語るべき内容を保管していた秘儀は、ギルガメッシュには、当初、明かされなかった。この種の秘儀は、まだ伝統と、この伝統から現存する生きた認識の大部分をもっていたが、地上では古代アトランティス時代の太古の叡智が有力だった。

 しかし、かつて霊的存在として地上を歩き廻っていた太古の叡智の担い手たちは、とっくに地球を退き、月に宇宙的コロニー(住居)を建設していた。月は現代科学が描写するような硬く凍結した物体ではなく、そのように考えるのは、子供染みた発想である。

 (シュタイナーは、月は、物質的天体だけを指すのではないと述べている。一般的に冥界と呼ばれる領域を指すとしている。現代人の物質的な「月」は、その一部にすぎないという。)





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Last updated  2010年12月08日 16時57分35秒
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