シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年12月16日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 では、ラムプレヒト司祭の「アレクサンダーの歌」に記述されたアレクサンダー遠征の目的とは、一体何なのか?

アレクサンダーはパラダイス(楽園、天国)の門まで行く!

 なるほど当時のキリスト教的な表現に置き換えられてはいるが、これから詳述していくように、「アレクサンダーの歌」は本質的に、かなり真実と一致している。というのも、アレクサンダーの遠征は、単なる侵略ではなく、もしくはアリストテレスの助言に背いて異邦人をギリシア人と宥和させるために行われたわけでもないからで、アレクサンダーの遠征は、真の霊的に高い目的に貫かれ、実際に、霊的存在から発動されたからである。

 ラムプレヒト司祭は、アレクサンダーの生きていた時代から15世紀後に、非常に献身的な方法で、アレクサンダーの遠征を描写したが、彼の書物から読み取れるのは、アレクサンダーはパラダイス(楽園)の門までは行くが、パラダイス(楽園)には入らなかった、ということである。

 なぜなら、ラムプレヒト司祭の言うように、パラダイス(楽園)に入ることができるのは、真の謙譲(謙虚さ)をもつ者だけだからである。前キリスト教時代でのアレクサンダーは、まだ真の謙譲(謙虚さ)を持つことができなかった。

 というのも、キリスト教が、はじめて真の謙譲(謙虚さ)を、人類のなかにもたらすことができたからである。ともかく、狭量ではなく、広量な心の感覚で、アレクサンダーの遠征を把握するなら、キリスト教司祭ラムプレヒトが、アレクサンダーの遠征に、幾許かの悲劇を感じている様子が人智学徒には見える。

 さて、「アレクサンダーの歌」の叙述により、注意を喚起したかった点は、西洋の人類史に先行し、東洋の人類史に付け加えた状態で後続し、描写するためには、このアレクサンダー遠征の例から始めても、驚く必要はない、ということである。

 というのも、この例からわかるように、人間の感情の根底にある経験は、中世の比較的後期に至るまで、単なる普遍的な感情として存在していた経験だけでなく、これまで特徴を述べてきた、2つの魂を通じて生じた経験を、実際、非常に劇的に描き出す、この「アレクサンダーの歌」が生み出されるほど、具体的に存在していたからである。



 この世界史上の悲劇は、既に外的に現われている。実際、世界史上の特別な運命との関係から、アリストテレスの著作の一部しか、西洋には伝わらず、その後、その一部が、教会に保管されたことで、悲劇として露呈している。

 実際、アリストテレスの著作の一部とは、論理学の著作と、論理学に関する著作のみだった。しかし、今日でもなお、アリストテレスの自然科学的な著作に含まれる内容に参入できる人は、宇宙と人間との関連において、アリストテレスの洞察がいかに強力であったか、が見えるだろう。ここで1つの事実だけに注目して欲しい。

 今日、人智学徒は、土(固体)状のエレメント(元素霊)、水(液体)状のエレメント(元素霊)、空気状のエレメント(元素霊)、火状、或いは熱エレメント(元素霊)について、そして更に他には、エーテル(生命的要素)についても話す。

 アリストテレスはこのことをどのように記述するか?

 彼は地球を以下のように記述するだろう(下図参照)。固体状の地球(図参照、明色の核)の周囲に、液体状の地球の水の部分(明るい赤)と、空気の部分(青)、そして全体は火(深い赤)に貫かれ、取り巻かれている(深い赤)。

 アリストテレスにとっては、地球は月の領域まで含んでいる。そして、地球を含む月の領域へと(地上の領域だけでなく、月の領域までを含む)、宇宙の星々(天体)や獣帯から、空間-宇宙的なエーテル(外側の明色)が入り込んでくる描像を記述するだろう。このエーテルは、月の領域まで降りてくる。

whistory-4-2.gif

 今日でも、このような内容を、学者たちは、アリストテレスに関する著書のなかに読むことができる。しかし、アリストテレスが、弟子のアレクサンダーに、繰り返し言った内容は、以下のようなものだった。

「この地上-熱的な存在の外側にあるエーテル、すなわち、光エーテルや化学エーテルや生命エーテルは、かつて地球と結びついていた。これらのエーテル全ては、地球にまで達していた。ところが、太古の進化において、月が(地上「地球」から)退き、エーテルも退いた。」

 続けて、アリストテレスは弟子のアレクサンダーに次のように言った。

「地上の死んだ外的で空間的な(物質的)世界は、(月とともにエーテルが退いた為)、はじめはエーテルに浸透されていない。しかし、例えば、春が近づくと、元素霊たちが、植物や動物、そして人間のような、生命体として生まれてくる存在たちのために、月の領域から、エーテルを、生命体のなかへともたらす。だから、月は生命を形成する源である。」



 アリストテレスには、人間と宇宙との関係に関する深い洞察があった。その内容に関して述べている著作を、弟子のテオプラストスは、西洋(西方)にもたらさなかった。アリストテレスの幾つかの書物は、上記のような内容の理解が、まだ存在していた東洋へと戻っていった。

テオプラストス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%AA%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%B9

 その後、北アフリカやスペインを経由して、ユダヤ人やアラビア人を通じ、再び、ヨーロッパの西側にやってきて、これから述べるような形で、ヒベルニアの秘儀からの文明の残余の影響と衝突した。





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Last updated  2010年12月20日 17時51分51秒
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