シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年12月17日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 これまで特徴づけてきた、アリストテレスが、アレクサンダーに与えた教えは、単なる出発点にすぎない。この教えは、内(精神)的な体験に関わっていた。事態を大まかに素描してみるなら、次のような結論に到達する。

 アレクサンダーは、師アリストテレスを通じて、 「外の宇宙(世界)に、土、水、空気、火のエレメント(元素霊)として生きている存在は、人間の内(精神)にも生きている」 、という事実を知るようになった。

 このような事実との関連から、人間は、外である大宇宙(マクロコスモス)に対する、真なる小宇宙(ミクロコスモス)であり、人間のなかの、例えば、骨のなかには土のエレメント(元素霊)が生き、血液の循環、すなわち生命として生きている液体全てのなかには、水のエレメント(元素霊)が生きていることを学び、また、空気のエレメント(元素霊)が、呼吸や呼吸の刺激を起こし、言葉の発話のなかに作用し、更に、火のエレメント(元素霊)は、思考のなかに生きている、という事実を理解した。

 (アレクサンダーは、アリストテレスにより、エフェソスの秘儀の教えを教えられたといえる。)

 アレクサンダーは、宇宙のエレメント(様々な元素霊)のなかに、自分が生きている事実を知った。宇宙のエレメント(元素霊)のなかに生きる自分を感じることで、古代人は地球との密接な親和性をまだ感じていた。

 今日の現代人は、東西南北へと旅行するが、その方角から、自分に押し寄せてくる全てが本質的に何なのかを感じることはなく、外(物質)的な感覚が知覚する対象しか見ない。現代人は、知覚できる地上的な物質だけを見て、エレメント(元素霊)を知覚できず、見ない。

 しかし、古代では、アリストテレスは、アレクサンダーに霊的な存在を教えることができた。

「地上を東へ向かえば、益々一層、乾燥を発生させるエレメント(元素霊)のなかへと参入するだろう。もし、東に、あなた行くなら、乾燥地帯に足を踏み入れることになる(下図右側参照)。」

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 (乾燥といっても、物質的な湿度を意味するのではなく、魂の乾燥、精神の乾燥である。例えば、「乾燥」とは、竹で割ったような性格という感じなのだろう。湿っぽくない、というような感じである。)

 アレクサンダーは、マケドニアにおいて、自分に言い聞かせた。

「いま、自分のなかには、ある程度、湿った作用がある。東へ向かうと、その湿った作用を減少させ、中和できる。」

 人間の身体の表面を撫でると、鼻と眼と口がどう違うのか、を感じ取れるのと同じように、アレクサンダーは、地上を遍歴しながら、地球の霊的な構造を感じた。乾燥地帯のなかに益々一層参入していくときの体験と、西の湿地帯に参入するときの体験とは、いかなる違いがあるかを、感じ取った。

 大まかだが、今日の現代人もまた、方位による違いを体験している。(北半球では)北へ向かえば、一般的に、寒さを感じ、南に向かえば、熱や暖かさを体験する。しかし、北西に出かけても、古代のように湿気-寒気を同時に感じない。

 アリストテレスは、アレクサンダーの魂のなかに、前世である過去のギルガメッシュが西への道を辿ったときの体験を喚起した。そして、その帰結として、弟子のアレクサンダーは、直接的な内(精神)的体験として、北西に向かって、湿気と冷気の中間状態を体験し、つまり水(の元素霊)を知覚できるようになった。

 アレクサンダーのような人間が、北西に進軍する、とは言わずに、 「水のエレメント(元素霊)が統治する場所に進軍する」 、と言ったのは、単なる比喩的な言い方ではなく、現実的な言い方だった。また、湿気と暖気の中間状態には、空気のエレメント(元素霊)が統治する場所があった。

 古代ギリシアの大地の秘儀や、古代サモトラケの秘儀や、アリストテレスにより、直弟子に教えられた事実とは、上述のような元素霊の統治領域のことだった。

 そして、冷気と乾気の中間状態、つまりマケドニアからシベリアへの(北東)方向には、地(土)の元素霊、地上的な存在が統治していた領域を体験した。

 (風水の方位の、鬼門は北東だが、この講義からいえば、土「固体」の元素霊の統治領域となる。土とは固体で、物質のことになるから、物質のことを古くは、「鬼」と称したので、鬼門ということになる。



 地(土)のエレメント(元素霊)とは、固体である。暖と乾の中間状態に相当する、当時では、ギリシアから南東のインドに向かうと、火のエレメント(元素霊)が支配的だった地域が体験された。インドへの進軍は、次のような感じだった。

 アリストテレスの弟子(アレクサンダー)は、北西を指し、「水の霊たちが地上へと働きかけるのを感じる。」と言い、また、南西を指し、「ここには、空気の霊たちを感じる。」と言い、北東を指し、「そこでは、主として、地(土)の霊たちが漂っているのが見える。」と言い、最後に、南東のインドの方向を指して、「火の霊たちが漂っているのが見える。」と言い、火のエレメント(元素霊)を見た。

 さて最後に、アレクサンダーの次のような発言から、自然や道徳に対する、深い親和性を、現代人も感じるようになるだろう。

「私は、冷たく、湿ったエレメント(元素霊の領域)から、火(の領域)に突入しなければならない、インドへの進軍を行なわなければならない!」 というアレクサンダーの発言である。



 当時ではなお、過去の時代の大いなる秘儀について、師と弟子の内密な授業で語られることもあった。その後、人類は論理や抽象というカテゴリーだけを一層取り入れ、その他の分野は、拒絶するようになった。

 従って、このような古代人の態度から、同時に、人類の世界史上の進化における途方もない激しい変化が示唆される。東洋との関係におけるヨーロッパ文明の全経過のなかで、最重要な転換点である、アリストテレスとアレクサンダーの会話については、また次の講義に譲る。





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Last updated  2010年12月21日 17時09分48秒
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