シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年12月18日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 さて、よく熟考すれば、アレクサンダー大王のなかに入り込んだ個体(個人、魂)は、ギルガメッシュの時代の、今日でいうブルゲンラント地方に至る西への旅のときに、ヒベルニアの秘儀に触れた。ヒベルニアの秘儀の叡智は、依然として西洋に古代アトランティス時代の強い余韻があった時代に、この人間(ギルガメッシュ)の個体(魂)のなか、非常に古い形で生きた。

 この古い形の叡智は、死と新たな誕生(転生)との間に(霊界で)経過する魂の状態を通じて担われていった。それから、2人の友、すなわちエアバニとギルガメッシュは、今度の転生において、(アリストテレスとアレクサンダーとして)まさにエフェソスにいた。

 そして、このエフェソスの地で、以前の過去生のギルガメッシュの時代に、多少ともまだ潜在意識的に、神-霊的な世界との関係を体験した経験を、(転生後)非常に意識的に体験した。このエフェソスの時代は、以前の過去生(前世)のときの活動的な時代に魂のなかに引き入れた体験を消化し加工する、比較的穏やかな人生だった。

 (ギルガメッシュは、イシュタルの秘儀に疑問をもち、ヒベルニアの秘儀に触れたが、次に転生して、アレクサンダーとして、エフェソスの秘儀の地に生まれることになる。)

 さて、熟考するなら、この両者が、古代ギリシアの頽廃期のマケドニアの全盛期に再び出現する前に、この古代ギリシアを通過していった変化とは何だったのか!

 海を越えて拡がりエフェソスをも包含し、小アジアの奥にまで入り込んでいた古代ギリシアの叡智は、古代の神々の時代の余韻を、 「影像」 のなかに全てもっていた。人間と霊界との関係は、「影像」のなかでまだ体験できた。

 しかし、古代ギリシアの精神は、この影像のなかから徐々に抜け出し、そして、ギリシア文明がいわゆる神(天上)的な文明から、純粋に地上的な文明へと入り込んでいく様を、歴史的に、いまでも段階を追って見ることができる。

 今日の唯物論的で外面的な歴史では、歴史的生起のなかの最重要な出来事が全く触れられていない!



 このような出来事が段階的に起こった。古代の神々の時代では、なおも直接感じられていた存在が、古代ギリシア時代では、芸術的な像(影像)のなかに出現する様子を、アイスキュロスの劇のなかにまだ見ることができる。

 ところがソフォクレスになると、人間は、いわばこの神-霊的な存在と自分とを1つに感じることから、引き離される。そして、それから、世のなかには様々な観点があるが、霊的な観点からすれば、有名無実な歴史家の名前と結びつく歴史書が登場する。

ソフォクレス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%9D%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%B9

 実際、古代ギリシアでは、歴史を記述することは必要なかった。一体、何のために人間は歴史(を記述すること)が必要なのか?

 当時は、重要な過去の出来事を示す生きた「シルエット(影像、影絵)」があった。歴史は、秘儀において、啓示される真実のなかに読みとられた。活力ある生きた「影像」が存在した。一体、歴史として何を書き留める必要があるのか。

 やがて、これらの影像が下の世界(潜在意識)に沈んでしまう時代がやってきた。人間の意識はもはや影像を受け取ることができなくなった。この段階に至ってはじめて、「さあ、歴史を書こう」、という動機が生まれた。

 このとき、最初の歴史の散文家ヘロドトスが登場した。そして、この時から多くの歴史家の名を挙げることができる。いわば人類を、神-霊的な存在から引き離し、純粋に地上のなかに据えることだけを常に目指すようになった。

ヘロドトス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AD%E3%83%89%E3%83%88%E3%82%B9

 しかし、古代ギリシア精神が完全に地上的になっていく、その上には、常に1つの輝きがあった。次の第6講で述べるが、この輝きはローマ精神にも中世にも受け継がれなかったが、常に輝きがあった。古代ギリシア文明の黄昏のなか、光を失ってゆく影像から、それらが神的な起源を持っていた事実を、なおも感じ取り、感受していた。



 エフェソスとは、ある時点まで、古代東洋の叡智を維持してきた存在だった。そして、アリストテレスとアレクサンダーに転生した2人もまた、ヘラクレイトスよりも少し後になってから、その叡智を経験できた。東洋の秘儀のなかにあった太古の叡智が、エフェソスの秘儀のなかに遺産として残されていた。

 エフェソスの秘儀に生きていた本質は、特にアレクサンダーの魂と密接に結びついた。そして、歴史的な出来事が起こる。愚者は、この出来事を表面的な偶然とみなすが、この出来事は正しく人類の進化の内(精神)的な関連に奥深い根拠を持つ出来事である。

 この歴史的な出来事の意味を見通せるように、魂の前に以下のことを呼び起こしてみる。

 熟考すれば、後にアリストテレスとなった人の魂と、アレクサンダー大王となった人の魂の、この両者の魂のなかで、太古の時代(前世)に由来し、内(精神)的に加工された叡智(ヒベルニア)が生き、次いで(転生で)、エフェソスにおいて彼らにとって途方もなく価値のある叡智が生きたことがわかる。

 (ここで少し要約すると、後にアレクサンダーとなるギルガメッシュは、イシュタルの秘儀から発したウルクの都市を侵略し、霊界を良く知るエアバニとともに平和に統治したが、イシュタルの秘儀に馴染めずに、あるとき疑問をもつ、すると、イシュタルの神が試練を与え、エアバニは殺され、ギルガメッシュは永遠の生命を求め、西へと旅に出て、ヒベルニアの秘儀に辿り着き、秘儀の一端に触れたが、完全ではなく、霊界からのエアバニの援助でなんとか古代の秘儀を再興する。これがギルガメッシュの前世だった。



 アジアがまるごと、とでもいえる叡智が、ただしエフェソスで、古代ギリシア的になった形で、この両者の魂のなかに、特に後にアレクサンダー大王となった魂のなかに生きた。





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Last updated  2011年01月05日 10時58分45秒
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