シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2011年02月22日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 昨年(1922年)の大晦日に人智学徒にもたらされた出来事(ゲーテアヌムの火災)を、歴史的な光(叡智)のなかに見ても、苦悩が癒えることはない。

 全体と調和するように設置された建物(ゲーテアヌム)の演壇の上に最後に立つ機会が与えられたときの聴衆の眼差しや魂の眼差しを、地上から、意志や叡智や霊的な宇宙の光を表している星々の領域へと、私(シュタイナー)は導こうとした。

 あのときも描写したように、中世において、弟子たちを教えていた魂の持ち主たちのなかの、少なからぬ人数の導師たちが、当時は人智学徒として、その講演に立ち会っていたことを知っている。最後の言葉を語った1時間後に、私(シュタイナー)は、ゲーテアヌムの火災のため呼ばれた。人智学徒は、昨年の大晦日の夜に、ゲーテアヌムの火災の傍らで過ごした。

 以上の内容を語るだけでも、人智学徒全員の心や魂の前に、名状しがたい感情が湧き起こる。しかし、人類の進化における聖なる存在が奪いとられたときでも、いわば物質的存在が消滅した後も、なお霊(精神)のなかで、物質が供犠として捧げられ、霊のなかで作用し続けることを誓った者もいた。

 そして、ゲーテアヌムの災厄から1年目を迎える現在のこの瞬間に、ここ(ドルナハ)に集い、次のように述べる機会が与えられた。

「物質的な像、物質的な形態を通して、ゲーテアヌムとともに物質的な視覚の前にも置かれ、ヘロストラトス的行為により、物質的な視覚から奪いとられた魂を、人類を前進させる進化の波を通じて、更に精神(霊)において担っていくことを、人智学徒全員が誓うなら、その魂は、我々とともに常にあるという正しい気分を持つ。」

 かつてのゲーテアヌムには、苦悩がこびりついている。今日の記憶のなかでは、誰もが魂のなかに担っている最善の神的存在の前で、かつてのゲーテアヌムのなかに、その外的な形態として現れた霊的な衝動に忠実であり続けることを誓うときにだけ、ゲーテアヌムの建築により人智学徒に課せられた精神に相応しい存在となるだろう。

 かつてのゲーテアヌムは、人智学徒から取り上げられた。このゲーテアヌムの精神は、人智学徒が真に誠実で率直であろうとするなら、もはや取り上げられることはない。

 人智学徒の愛したゲーテアヌムから炎が燃え上がった1年前の、あの時点からまだ間もない、この真に厳粛な時間、この瞬間に、単に苦悩を新たにするだけでなく、苦悩から脱し、かつて10年間にわたり、この場所に建設する機会を与えてくれた、神的な精神に忠実であり続けようと誓うなら、このゲーテアヌムの精神が奪われる畏れはほとんどない。



 以上のように、言いようのない悲しみで満たした、あの恐ろしい火焔を振り返ることができる。

 しかし、いまは、自身のなかの最善な神的存在に誓って、心のなかの聖なる炎を感じよう。人類を前進させる進化の波を通じて、この聖なる炎の意志を担い続けることにより、ゲーテアヌムのなかに意図されていた宇宙的な計画を、この意志の炎で霊的に照らし暖めなければならない。

 この瞬間、1年前のほぼ同じ時刻に、私(シュタイナー)が語った言葉を、いま深めつつ繰り返そう。あのとき、ほぼ以下のようなことを語った。

「私たちはいま大晦日を生きている。私たちは、宇宙の新たな年を迎えて、いままた生きなければならない。」

 ゲーテアヌムがなおいまも、人智学徒のもとにあり、上記の激励を今、この瞬間に新たにできるなら!

 苦悩は生まれなかっただろう。

 しかし、もはやゲーテアヌムは、人智学徒のもとにはない。もはや、ないからこそ、上記の激励の言葉を、現在のこの大晦日の晩に、その何倍もの力をこめて発する機会が与えられる。

 ゲーテアヌムの魂を、宇宙の新たな年へと担っていき、新たなゲーテアヌムのなかに、かつてのゲーテアヌムの肉体に相応しい記念碑を打ち立てるべく努めよう。

 人智学徒の心を、人智学徒が様々な精神的な要素へと委ねていかなければならなかった、かつてのゲーテアヌムに、結びつけてくれますように!

 人智学徒の心を、このゲーテアヌムの精神(霊)や魂に、結びつけてくれますように!

 自身のなかの最善の存在へと、上記の誓いとともに、単なる新年へと生きていくだけでなく、力強く意志し、霊を担い、魂を導きながら、(神々が企図する)宇宙(計画)の新たな年へと生きていこう。



 今こそ、立ち上がり、人間の本性を象る像のなかに見つけることのできる最善の力とともに、ゲーテアヌムの精神において、更に活動し続ける、という誓いの証(あかし)を建設しよう。

 人間の魂を、神々の魂に結びつける意志に従い、人智学徒が意志できる限り、この意志を持ち続け、この神々の魂に精神において誠実であり続けよう。ゲーテアヌムで、人智学を探求した人生のあの時、あの瞬間に、神々の魂に対する誠実を、その精神から追求した。

 そして、いま、この神々の魂への誠実を守ることを理解すべきである。

 (外から、奪われることにより、奪われたものに対する内からの創造性「精神性」が発揮される。光を奪われれば、内部に光をつくろうとする。生物の原理は、ここにあるように思う。

 神々を怨むのではなく、その配慮に感謝すべきなのである。火を奪われたなら、心に火を灯せばよい。)





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Last updated  2011年02月23日 11時59分44秒
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