シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2011年02月24日
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カテゴリ: 神秘体験空間
第9講

 人智学運動のための力強い重要な出発点とすべき講義の最終講を、次のように展開する。

 人智学運動の衝動に従って、この連続講義により与えられた様々な観点と、内的につながりながらも、他方では、ある意味、感受力に応じて、とでもいえるような形で、未来を、特に人智学的努力の未来をも示唆できるように展開したい。

 今日、世界を眺めると、確かに、既に数年来、極めて夥しい破壊的様相が現れている。更に、西洋の文明を破滅の淵へと導くような予感を生じさせる様々な力が働いている。従って、次のように言えるかもしれない。

「極めて様々な生活分野において、いわば外的な主導権を握っている指導者を直視すれば、これらの指導的立場の人間が恐るべき宇宙的な眠気にいかに囚われているか、気づく。」

 上記の指導者たちはほぼ次のように考え、つい最近まで大抵の人間は次のように考えていた。

 「19世紀までは、人類の理解力と知性に関しては、非常に素朴で子供染みていた。19世紀以降、極めて様々な分野に近代科学が到来し、今や、末永く真実として保存すべき知識が存在する。」

 上記のように考える人たちは、実に途方もない高慢をもって生きていることになるが、残念なことに、そのことを自覚していない。上記の高慢な認識に対して、今日の人類の内には、上記のような大多数の人々の意見として示したような認識ではない、何らかの予感が現状の事態として現れることもある。

 少し前、ドイツのヴォルフ事務所により企画された講演(1)を行うことができ、非常に多くの聴衆を得て、実際、人智学(アントロポゾフィー)がいかに求められているか、少なからぬ人間が気づいたわけだが、この講演の際、数多くの他愛のない敵対した声に混ざり、1つの声が発せられた。

1)講演;1921年の秋冬と1922年の新年に、ベルリンのヘルマン・ヴォルフ及びユーレス・ザックスが、シュタイナーとの講演旅行を企画した。ベルリン、シュトゥットガルト、フランクフルト、ケルンその他の大都市において、シュタイナーは人智学の本質、人智学と科学、人智学と霊認識といったテーマについて語った(GA80として出版予定)。1922年ミュンヘンにおける不幸な暗殺計画の後、講演者の安全が保障されないことが明らかになった後、シュタイナーは、それ以上の公開講演の義務には応じなかった。



 「このようなこと(ベルリンでの講演で述べたこと)を傾聴するなら、人間たちを今までとは異なる霊性へと駆り立てる何かが、地上だけでなく(ほぼ記事どおり引用する)、全宇宙において起こっている、ということに気づかされるだろう。

 単なる地上的な衝動だけでなく、いわば様々な宇宙の力が、人間に、宇宙での一種の革命、すなわち、新たな霊(精神)性への努力という成果でなければならない一種の革命を要求していることがわかる。」

 以上のような声があった。この声は実際注目すべきことである。というのも、人智学徒が、ドルナハから始める霊的な運動に与えるべき正しい衝動とは、ここ数日間の講義において、様々な観点から主張したように、地上で芽生えた衝動ではなく、霊界で芽生えた衝動でなければならないからである。

 いま、人智学徒はまさに霊界からの衝動に従う力を発達させようとしている。従って、このクリスマス会議の期間中の夕方の講義において、歴史的進化のなかにあった様々な衝動について述べた。霊的な衝動を受け入れるために心を開くことができるように、述べた。

 第一に、地上の世界へと流れ込むように、同時に、地上の世界そのものにとらえられてはならない霊的な衝動を述べた。というのも、正しい意味で、地上の世界が担った出来事は全て、霊界に起源をもっていたからである。

 そして、人智学徒が地上の世界のために、実り多いことを成就すべき運命にあるなら、そのための衝動は霊界から取ってこなければならない。

 上記のことは、このクリスマス会議から今後の活動のなかに、持ち帰るべき推進力が、いかに大きな責任と結びつくものであるか、を指摘せずにはおかない。

 このクリスマス会議を通じて、人智学徒に大きな責任として結びつく衝動の傍に、数分ばかりとどまればよい。過去数十年間にわたり、霊界に対する感覚をもつ者は、幾人もの人物の傍を通り過ぎることができた。霊的に観察し、この霊的な観察から地球の人類に到来しつつある運命に対して辛い感情を覚えながら、傍らに滞在し続けた。

 霊として可能な方法で、地上の同胞の傍を通り過ぎ、多くの人物を観察できた。睡眠中に、物質体とエーテル体を去り、自我とアストラル体とともに霊界に滞在するときに、多くの人物を観察できた。

 過去数十年間にわたり、多くの人々の睡眠中の自我とアストラル体の運命の上方を、霊能者は逍遙するが、このような経験が既に、霊的な認識を獲得できる者に対しての責任の重さを指摘する経験への切欠となった。

 入眠から起きるまで、物質体とエーテル体を離れていた魂が、過去数十年間から、しばしば境界域を守る守護霊へと近づいていくのが見られた。



 (霊界への境界域の守護者はドッペルゲンガーとして神秘学では名高い)

 少なからぬ伝説や神話(最重要な事柄は、歴史的伝承という形ではなく、伝説や神話という形で維持されるのがよくある)が、過去において、様々な人物が境域の守護者と遭遇し、この守護者から、霊界への参入と、物質界への帰還方法が教えられたことを示している。

 (スウェーデンボルグは特に有名である。その著に、境界域の守護者が登場し、ボルグを霊界への参入に導いたとある。)

 というのも、霊界への正しい参入には全て、どの瞬間においても物質界へと帰還できるという可能性が伴わなければならないからで、参入者は、夢想的な神秘家ではなく、全く実際的で思慮深い人間として物質界のなかに現実的にしっかりと両脚で立つ可能性をもっていなければならない。

 結局のところ、霊界への参入を目指す何千年にもわたる人間の努力全てを通じて、境域の守護者に対して求められたのは、物質界への帰還方法だった。特に19世紀の最後の3分の1の時期には、覚醒状態のままで、境域の守護者まで達する人間はほとんど見られなくなった。





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Last updated  2011年02月24日 16時52分07秒コメント(0) | コメントを書く
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