シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2011年02月28日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 境域の守護者の傍らを覚醒意識の状態で通過することが歴史的に全人類に課せられている現代では、前回述べたように、霊界のなかを、逍遙してみると、眠ったままの魂が自我およびアストラル体として境域の守護者に近づくのが益々一層見つけられる。

 今日の霊能者に獲得できる重要な形象(光景)とは、覚醒状態では、境域の守護者に近づく力を持たないため、睡眠中に接近し、眠れる人間の魂の集団に取り囲まれた厳格な境域の守護者である。

 その際、生じる光景を霊視すると、不可欠な大きな責任の芽生えとでも呼びたい道徳に結びつく考えへと到達する。上記のような睡眠状態のままで、境域の守護者に近づく魂たちは、人間が睡眠中にもつ意識(覚醒意識に比べて、無意識、もしくは潜在意識に相当する意識)をもって、霊界への参入や、境界域を踏み越えることを要求する。

 数え切れないほど多くの厳格な境域の守護者の警告の声が聴こえる。

「お前はお前自身の救済のために境域を踏み越えることは許されない。お前は霊界への参入を許されない、お前は戻らなければならない。」

 というのも、境域の守護者が、睡眠状態の魂たちの霊界への参入をあっさりと許すなら、睡眠状態の魂たちは、境域を通過し、今日の学校や教育や文明に与えられた概念とともに、霊界に参入してしまうからで、今日の人間が、ほぼ6歳から、地上生活が終わる死までの間に、成長していくべき概念や理念を、霊界へと持ち込んでしまうからである。

 地上の概念や理念には霊界とは全く異なる特性があり、現代の文明や学校を通じて生じる概念や理念とともに、現代人の認識が獲得できたわけだが、現代人の概念や理念をもって霊界に参入すると、現代人は魂的に麻痺してしまう。

 すると思考も理念も空虚な状態で、物質界に戻ってくることになる。もし境域の守護者が、睡眠状態の魂、すなわち現代の人間たちの多くの魂を、厳格に突き返さずに、霊界に参入させてしまうなら、現代人の魂が、再び帰還し、覚醒状態で戻ったなら、以下のような感情を抱くだろう。

「私は考えることなどできないし、もはや私の思考は、私の脳を把握できない、私はもはや考えることなく物質界を歩いて行くしかない。」



 (霊界に入った途端に、地上の理念を失ってしまう。つまり、無になって帰ってくるので、生まれたての赤ん坊と同じになる。)

 そして、今日通常思われている以上に数多くの魂が今日の睡眠中に実際に体験している光景を見ると、次のように言う。

 「おお、これらの魂が睡眠中に体験している経験を、死後にも体験しなくてもすむよう、これらの魂たちを守ることに成功できたら!」

 というのも、以上のように境域の守護者の前での体験の状態が充分に長く続き、今日の学校で受容され、人間の文明を通じて受け継がれ、保存される理念の下に、人間の魂が長くとどまるなら、魂は、眠った状態で生き続けるようになるからである。

 人間の魂は死の門を通過して霊界に入っていくだろうが、地上での理念の力を再び次の地上生(転生)へともたらすことができなくなるだろう。今日のような思考とともに霊界に入っていくことはできるが、その思考とともに、また霊界を出て、戻ってくることができないからである。魂的に麻痺した状態で再び出てくることしかできない。

 (地上での経験や認識は、地上でしか獲得できない。人間の魂は、地上の経験や認識を獲得するために、生まれてくる。

 子供のとき全てが新鮮にみえ、やがて、それに馴れ、当たり前になるとき、あの世の感覚では、魂的に麻痺した状態といえる。全てを忘れないために、睡眠があり、魂をいわば活性化している。)

 現在の文明は、長期にわたって育成されてきた霊的生活の形式に基づいているが、物質生活そのものは、霊的形式に基礎を置くことはできない。現代の文明はしばらく続いていく。

 魂が、境域の守護者に対して、何らの予感もなく、いきなり覚醒し、麻痺してしまわないように、睡眠状態のときに、境域の守護者により拒絶される。もし、拒絶されないで、霊界への参入を続ければ、未来の地上生のなかで、知性も、人生における理念も示せない種類の人間が生まれ、思考や理念をもつ生命体は、地上から消えてしまうだろう。

 地球は、病的で、本能的な人類を住まわせるしかなくなる。理念の力に導かれることのない、劣悪な感情や情動だけが人類進化のなかに蔓延るだろう。悲惨な形象(光景)が霊視者の前に現れる。それは以前描写したような、境域の守護者の前に、霊界に参入できないで佇んでいる魂たちの観察だけではなく、別の関連からも現れる。

 以前、特徴を述べた、境域の守護者の前で眠っている人間の魂を観察できる逍遙の際に、今度は、西洋ではなく、東洋の文明に起源を持つ人類を見てみると、いわゆる東洋人から、西の文明に対する恐るべき非難のような霊の声が高まってくるのが聞こえる。



 そのとき、人間たちは理念を持たず、本能のなかだけで生きる。お前たちも落ちぶれたものだ! お前たちが東洋の古代の霊性に背いたからだ。」


 実際、人間の課題として、これまで霊界を描写してきたような観点こそが、強い責任の所在を明白に示せる。霊界の描写を聴きたい人たちにとって、霊界に対する、あらゆる重要な直接的体験に関して語ることのできる場所が、ここドルナハに必要である。

 考察の限りを尽くし、論理を操る経験的な現代の科学性のなかに、霊的存在の微かな痕跡がある、という事実を示唆する力だけが見つけられる場所でなければならないというのではなく、ドルナハが、課題を実現する場となるのなら、霊界において歴史的に生じ、衝動として起こり、次いで自然的な存在のなかに入り込み、自然を支配する存在により、霊界が明らかにされていなければならず、真の体験や真の力について、霊界での人間の真の本質について聞くことができなければならない。

 ここドルナハは、真の人智学の大学でなければならない。これまで描写してきたように睡眠状態の人間を厳格な境域の守護者の前に導いていく、今日の科学性の要請を前にして、今後、今日の科学性から退却することは許されない。

 ドルナハにおいては、いわば(霊的な意味で述べるが)霊界に真正面から真に対峙し、霊界を経験する力を獲得できなければならない。

 今日の科学理論の不十分さについて、論理を弄ぶような長弁舌を振いたいわけではなく、地上の学校において、通常、その末端として教育されている科学理論に人間が貫かれ、どのような状態で境域の守護者の前にやってくるか、に関して注意を喚起する必要がある。



 人間たちが境域の守護者に本当に出会うこと(覚醒状態で遭遇すること)ができ、文明そのものが、境域の守護者の前で耐えられる文明になるような次の受肉を見つけるための必要な働きへと導いていくことができる。





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Last updated  2011年03月01日 09時10分40秒
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