シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2011年04月13日
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カテゴリ: 神秘体験空間


 人間の進化(前半)


 著書『神秘学概論』を通読すれば、宇宙の進化を人間に関係づけて素描していることに気づくだろう。土星紀の進化から、太陽紀、月紀を通って、地球紀にいたるまで、先ず土星紀においては、人間の感覚能力の最初の萌芽が作られ、宇宙の進化が同時に人間の進化と結びつけて追求している。

 今日の自然科学でも、宇宙と人間を、2つの互いに無関係な存在として考察せずに、進化を両者の相互関係の中で考えている。宇宙の特性や作用や運動などについて語るときは、両者の関係を徹底して考慮する必要がある。

 そうするには、人間を、相応しい観点から考察する必要がある。自然科学は、人間の本質の解明を、もっとも不得手としている。

 自然科学は、人間の身体の形態が他の生物の形態から次第に進化してきたとし、従って、胎児において、この形態が(母胎内で)短期間に繰り返される、と述べる。

 人間を、他の様々な動物の頂点に立つ存在と考え、動物性を考察し、動物性に見つけられる全てから人間(の概念)を組み立てる。

 つまり、人間以外の存在を考察し、次いで、人間のなかに最後の終着点があり、その終着点で、人間以外の動物的な存在が終結し、人間(の概念)に到る、と述べる。人間自身を、その本質から考察するのではない。

 人間自身から考察するのは、今日の自然科学にとっては、非常に不都合なのである。従って、自然科学では、人間という存在の真実が見えてこない。

 今日、本当に必要とする考察は、人間の本質という問題を考える際に、ゲーテの自然科学的考察、特に彼の色彩論の考察を参考にすべきである、ということである。彼の色彩論の中には、今日とは全く異なる自然科学的考察方法が用いられている。



 例えば、特定の赤い色面を見た後で、素早く白い色面に眼を向けると、緑色の残像が見える。つまり眼は、ある意味、直前に体験した印象の下にある。

 いま、緑色の残像が何故生じ、その原因は何かを調べるのではなく、体験後も、眼がその体験の余韻を保ち続ける、という一般的な事実について考察したい。

 人体の周辺に対する体験を眼はもっている。眼は人体の外側についている。眼の体験は、限られた時間内、余韻を残している。その後は、体験が消滅し、体験の影響なしに、他の体験へと向かう。

 そこで今度は、人体の特定部に位置する器官の現象ではなく、人間全体と関係した現象を考察する。

 先入観をもたずに観察すれば、この体験もまた、眼の体験と共通することに気づく筈である。人間全体の体験は、眼が色を体験するのと同じように、1つの体験をもつ。その時の余韻は、何ヶ月経っても、何年経っても、記憶像として現れてくることもある。

 全体としての現れ方は、眼の体験とは、少し異なるが、記憶像が眼の残像と似ているという事実を否定できないだろう。

 では、以上の2つの現象は、どのように関連しているのか?

 上記の問いに対して、現代の自然科学的な考察方法では答えることができない。なぜなら、この考察方法には、「変容(メタモルフォーゼ)」という普遍的な意味を理解できないからである。

 変容(メタモルフォーゼ)は、人間の場合、1つの人生の中で完結するのではなく、輪廻転生の過程の中で、はじめてはっきりと現れてくるからである。

 そこで人間全体を考察するために、人体を頭部、胸部、代謝系腹部-肢体部の3つに分けるのではなく、頭部系とその他の生体部分との2つに分けて考察する。

 頭部を考察する際、頭部が人間の進化全体と関連する事実を知るべきである。頭部は、人体のなかでは、後期の変容(メタモルフォーゼ)であり、その働きは、頭部以外の生体の変形である。



 (つまり、前世の頭部以外の部分、つまり胸部や腹部や四肢が、次の来世の頭部になる。簡単にいえば、手や足を頻繁に的確に動かした前世をもつ魂は、来世で、賢い頭をもつ。現場で労働するほど、実力社会での組織の上層部に出世するのと同じ、ともいえる。)

 かつての前世の頭部以外の生体の変容(メタモルフォーゼ)が、後の来世の頭部なのである。この変容(メタモルフォーゼ)の相互関連の理解には、次のことに眼を向ける必要がある。

 頭部以外の生体に属する、例えば、肝臓、もしくは腎臓と、頭部系組織とを比較すると、本質的な相違に気づく。

 すなわち、頭部系組織以外の器官は、内へ向いている。腎臓を例にとると、その活動は全て、人体内に向けられ、排泄作用まで考慮されている。この臓器を、頭部の器官、例えば眼と較べてみると、正反対な形を示している。

 眼は外に向いている。そして、外との相互関係の中での体験が、人間内部で意識化され、理解される。以上のように頭部の器官は、他の生体の器官とは対極的な形を示している。

頭部以外の生体の器官は、内部へ向け、頭部の器官は、外へ向けて開いている。





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Last updated  2011年04月13日 16時51分19秒
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