シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2011年04月14日
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カテゴリ: 神秘体験空間
人間の進化(後半)

 第1の人生(前世)と第2の人生(来世)の中間には、死後の生活が営まれている。第1の人生における内的な器官が、死後に変容(メタモルフォーゼ)を遂げ、第2の人生では、外へ向かって開かれる。

 内へ向かって活動していた存在が、次の人生においては、外へ活動を向ける。

 比喩的に言えば、手にはめた手袋を裏返してはめるのと同じである。生命の変容(メタモルフォーゼ)は、個々の器官がそれぞれ作り変えられるだけでなく、全体が逆転する。

 (正しく四次元世界である。アインシュタインは、三次元空間に、時間を含ませて、四次元時空間を提案したが、それは、ミクロやマクロの世界でしか、あてはまらない。なぜなら、ミクロやマクロの世界は人間の思考力でしか捉えられない世界だからである。

 記憶力があれば、四次元時空間を概念として構築できるが、物質的な肉体では直接体験できない。物質世界は三次元を超えられないからである。というよりも、生死を超えれば、人間は現に体験しているし、進行中なのである。先祖を遡った全体験の一断面が、現人生ということになる。

 だから、ある人生で、他者を殴れば、その逆体験の他者から殴られる体験が、次の人生で、遂行されるわけである。四次元を通過した時点で、ある人生の逆体験が必然的に生じるからである。

 自ら蒔いた種は、自ら刈り取るように、四次元世界がつくられているからである。三次元空間のなかでは、カフカの小説のように不条理と感じられるのは、四次元世界を想定していないからにすぎない。

 簡単にいえば、ある人生で、貧しいのは、他の人生で裕福だったからである。いまの人生で金持ちなら、次の人生では、貧乏になる。問題は、金持ちか貧乏かにあるのではなく、その体験から何を得たか、なのである。)



 では、一体、残像を産出する眼の能力は、何に由来するのか?

 眼の生命活動としての役割について考察する。眼の生命活動は、残像が証明している。残像は、眼の働き(生命活動)を、しばらく内部で持続させることで生じる。

 では、なぜ眼は働き(生命活動)を内部で持続できるのか?

 単純な例を挙げる。手に、絹糸の束を握ると、絹糸の束のなめらかな感触が残る。

 絹糸の束を手にとる度に、以前の感触が甦る。眼も同様で、残像は、手のこの再認識と似ている。残像を生じさせるような内的な生命活動は、一種の再認識である。

 眼の場合、再認識する対象は、外界に存在する。前日にみた同じ人と、翌日出会う場合、再認識する対象の、その人は外界に生きる存在である。

 現在の人生で眼となった前世の生体内部の器官にも、眼の生命活動の残像形成力に相当する、なんらかの作用が働いている筈である。ただ、前世での能力は、内へ向けられ、内部で何かを再認識しているに違いない。

 体内の何かの再認識とは、思い出す(記憶)能力に他ならない。従って、眼に変容する前の、前世での内臓の器官の作用は、記憶力でなければならない。

 以上のように単純化して語ることは、誤解を招くことになるかもしれないが、一般に、外に向けられている全感覚器官は、内臓の中に対応する記憶器官をもっている。そして、内臓の内的な器官は、同時に記憶器官としても機能している。

 外界の中で、人間は再度、眼前に現れる対象を見る。眼に対応する、かつての前世での内臓の器官に現在相当する器官は、眼が伝達する情報を再認識として思い出す。従って、例えば、音を耳できくとき、耳に対応する体内の臓器は、その音を(前世の記憶として)思い出す。

 以上のように人間全体は、器官を内へ向けて開くことで、記憶器官になっている。人間全体が記憶器官になっている。



 眼が産出する像は、視神経へ移され、視神経でつくられる。視神経以外は、記憶にとっては、四輪車につける五つ目の車輪のようなものでしかない。

 上記のような科学的立場での考え方は間違っている。知覚内容は、視神経以外の他の生体部へと移っていく。神経ではなく、内へ向かう働きをする器官が、記憶と直接関係しているのである。

 (上記の話が真実なら、内臓の働きが衰えると同時に、記憶力が衰えることも明らかになる。逆に、内臓の働きが活発ならば、記憶力もよいといえる。)

 人間全体が記憶に奉仕しているが、各々の器官は、記憶に関しても、各々特殊化されている。

 近代科学は、物質の精神性を考慮しないので、内部の様々な器官が、頭脳よりも記憶に深く関わっている事実を理解できない。



 以上の点で、近代科学は、中世の一面的な禁欲主義を継承しているとも言える。なぜなら、物質界の霊的な側面を知ろうとせず、軽蔑し、否定し、無視しようとしているからである。

 近代科学によると、眼他の感覚器官が、知覚内容を受け取ると、それは神経系に伝えられ、更に曖味模糊となっている器官(海馬)に伝えられる、ということを前提にしている。

 しかし、上記の記憶の概念は間違いである。

 知覚内容は、感覚器官から、他の身体部分へ伝えられ、生体の様々な器官が、その刺激に応えることによって、記憶が生じる。

 そこで、頭部と、その他の身体部分との重要な対応関係に着目する。その対応は、まず時間的関係の中に現れる。

 例えば、今日、夕食の時間に、きちんと食事をとったとする。生体は、明日も、同時刻にきちんと食べることを求める。しかし頭部は、別の時刻になる。今日、食事した成分が、頭部に摂取されるまで、頭部は、7日待たなければならない。

 頭部は、例えば日曜日に生体が摂取した養分を、次の日曜日まで待たなければ受け取ることができない。7日前に生体に摂取された成分が、7日の周期を経て、再び別次元の頭部で繰り返される。つまり、物質が精神に変わるまでには、1週間を要する。

 生命の変容では、前世においては7倍もの長い時間を要した出来事(プロセス)が、現世での人生では、数時間の中で繰り返される。その際、内臓の器官が、空間的に機能を進化させるだけでなく、プロセスを逆転させることで、変容を遂げる。

 時間的には、頭部系は、他の生体の7倍待ち続ける(遅れる)ことになる。

 実際、近代科学が考えるほど、人間は単純な存在ではない。人体の様々な器官は非常に複雑な組織である。人体を研究しなければ、人間が宇宙のどんな運動に参加しているかも研究できない。

 従って、近代科学をみれば、近世初頭以来の天体運動の研究は、人間に対する認識を排除し、抽象的に論じられてきた、と言える。

 宇宙の運動を研究して、人間と関連づけることが、天文学にとっての緊急な課題である。勿論、それには、近代科学とは、違った観点を導入しなければならない。

 ゲーテは、ベニスのユダヤ人墓地で、割れた羊の頭骨を見つける僥倖に遭遇し、人間の頭骨が背骨の変容だ、と直観した。彼は羊の頭骨を1つ1つに分けることで、人間の背柱の椎骨が頭蓋骨に変容したものと考えた。

 近代科学は、この観点を受容し、比較解剖学者カール・ゲーゲンバウアー(1826~1903)の興味ある観察や仮説を、高く評価しているが、本質的には、ゲーゲンバウアーはゲーテの直観を曖昧にさせてしまった人物である。

ヴュルツブルク
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%83%A5%E3%83%AB%E3%83%84%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%AF#.E5.87.BA.E8.BA.AB.E8.80.85

 ゲーゲンバウアーは、背柱の椎骨と頭蓋骨の個々の部分との正しい対応関係を明らかにできるとは思っていなかった人物である。彼がそのように思ったのは、彼には、逆転の思想が持てなかったからである。従って、頭蓋骨全体が脊椎に似ている、としか言えなかった。

 実際は、頭蓋骨の形は、死から再生(転生)までの期間、人間に働きかける力によって作られる。従って、他の骨の形とは本質的に異なり、逆転した形になっている。この逆転を考察する必要がある。

 例えば、人間の上部や頭部を図式化して考えれば、全作用が外から内へと向かっている事実がわかる。また、頭部以外の他の人体部も図式化すると、全作用が内から外へ向かっている事実がわかり、作用が生体内に留まっている事実がわかる。

 上記のように、人間は頭部を通して、外界と関わり、頭部以外の他の生体部を通して、人間内部(精神)の営みと関わっている。

 抽象的な神秘家は次のように述べる。

 「お前の内面を見つめよ。そうすれば外界の本質が見えてくる。」

 しかし、上記のような言い方は、抽象的思考に由来し、現実とは一致しない。外界から働きかけてくる全作用を内的に考察しても、外界の本質はわからない。もっと問題を深化させ、自分を二元的な存在と観じ、頭部とは全く別の生体部から、内面の世界を甦らせなければならない。

 大切なのは、24時間内に生じるプロセス(経過)と、次いで7日後に生じるプロセス(経過)を取り上げることである。なぜなら、観察の対象を、内的に受容できるには、7倍の時間を必要とするからである。

 しかし、上記のように受容したもの(記憶)が、再び新しく生まれるには、7年が必要なのである。7年後に、はじめて、再び(魂の)表面に甦る。しかも、逆転した形である。

 人智学協会が1901年頃に始まった後、忍耐強く7年間待ち、更に14年間もの間、表面に現れてくるもの(精神)を待ち続けていた理由は、ここにある。

 (外界のプロセスが記憶として残るには、7日間かかり、その記憶が蘇るのは7年間かかるという話なのだろう。シュタイナーは7年毎に人間が成長することを説いている。)





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Last updated  2011年04月15日 11時28分04秒コメント(0) | コメントを書く
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