シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2011年05月20日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 土星紀の初期まで来ると、全体像の中に顕著な変化が生じることに気づく。別のヒエラルキアに属する存在たちが、時間のない麻痺した「意志霊」の無限の勇気からなる海の中に入り込み、活動するようになる。

 時間の不在が明らかになる瞬間、他の存在たちの活動に気づく。勇気からなる無限の海の内部の何らかの存在に気づくが、それは不明瞭な意識によるので、まるで、経験しなかったかのような印象を与える。

 この広がりの中に何かが点灯するが、それは稲妻の素早い発光というより、微かな明かりである。それは、最初の区別を明らかにする光だが、明るい印象ではない。

 別の方法から、以上の理解に努めるべきである。例えば、次のようなことを想像してみるのもよい。

 自分よりも多くを知る人物に遭遇すると、「この人物は何と知的だろう!」という感情を抱く。この人物が多くを語り続けるほど、この感情は強くなり、「この人物は賢い、非常に多くを経験している、だから、賢明なのだろう」と思うようになる。

 更に言えば、この人物は魅惑的なオーラを発散しているかのような印象を起こさせる。例えば、この魅惑的なオーラの要素が無限に促進されることをイメージしてみる。すると、勇気の海の中に雲が現れ、その中に、稲妻の光というよりは、煌くような放射が見える。

 以上から、全体として、想像できるのは、「意志霊」の内部で活動する存在で、流体として放射するような叡智の存在である。つまり、人智学徒は、超感覚的な知覚による「調和霊(ケルビム)」という存在に遭遇する。「調和霊(ケルビム)」とは、勇気の海に流入する叡智の存在である。

 さて、いま記述した存在以外に、周囲には何もない。実際、これまで強調してきたように、空間も時間もないので、「周囲」もあるとはいえない。だから、存在するのは、「そこに」それがあるという認識だけである。

 以上のようなイメージしかなく、上記に表現した、点灯というイメージも正確ではなく、どこか瞬間的な煌めきというより、燃えるような輝きに近い。というのも、全事象が同時に生起しているからである。ある瞬間に何かが存在し、別の瞬間に消滅する、というわけでもなく、全てが同時に起こる。



 以上が、「土星」紀に遡り霊視する際に得られる最終的なイメージである。「意志霊」が「調和霊」に供儀を捧げる、というイメージを受け取る。それより先は、宇宙がまるで静止し、沈黙しているかのようである。

 「意志霊」による「調和霊」への供儀という経験の程度に応じ、自身の魂から何かが絞り出、浮上してくる。この現象を、言葉で表現するなら、「意志霊」から「調和霊」にもたらされる供儀から「時間が生まれる」、と表現できる。

 しかし、この「時間」は、現代人がいつも話題にしているような抽象的な時間ではない。土星紀の「時間」は、独立した存在である。この時点で初めて、「はじまる」という表現が可能になる。土星の「時間」とは、完全に「時間」から成る独立した存在である。

 土星紀に、「時間」だけから成る存在が生じるが、この存在は「人格霊」で、人智学徒が、ヒエラルキア存在の中の「アルカイ」として知る存在である。「土星」では、「アルカイ」とは「時間」の存在なのである。人智学徒は、「人格霊」を「時間霊」、すなわち「時間」を司る霊としても表現した。「人格霊」は霊として生まれてくるが、実際には、完全に「時間」から成る存在である。

 「意志霊」による「調和霊」への供儀、すなわち「時間霊」の誕生に与ることは非常に重要である。「時間」が生じた後はじめて、「土星」の状態、つまり、現在の地球上の人間の周囲の存在に似た、土星紀の周囲の存在を語ることができる。

 「土星」での周囲の存在、いわゆる熱の要素と呼べる存在は、「意志霊(トローネ)」による供儀の煙であり、「時間」を生じさせる要素である。常に、「土星」は熱の状態として存在する、と言ってきたが、熱の状態とは、土星紀の地球であり、土星状態を、熱で表現できる。

 というのも、現在、地球の周囲にある全要素の中で、「土星」紀にも存在していたのは、熱だけだからである。熱は「意志霊」が「調和霊」に捧げた犠牲から生じた。この事実はまた、火の霊(精神)的本性を示している。

 火や熱をみたり、感じたりする場所では、当たり前のように、習慣的に、現代人が考えるように、火や熱を物質的に考えるべきではない。むしろ、火や熱は、今日においてもなお「意志霊」による「調和霊」への供儀なのである。

 現代人は、周囲の熱の精神(霊)的な要素を霊視できなくても、実際、それは真実である。熱の顕現の背後に立つのは、「意志霊」の供儀である、という真実に到達するには、以上の霊視に通じる他はない。

 著書「神秘学概論」の中では、読者を刺激し、反発させないように、土星紀の外的な状態だけを述べたが、それでも反発を招いた。現代の科学的な知識内でしか考えられない人は、この著書を全くのナンセンスと見なした。

 次のような精神的事象が、実際、何を意味するのか、ということを考察すべきである。



・「調和霊」への「意志霊」の供儀により生じた煙から、「時間」が生まれた。

・「時間」の誕生により、「アルカイ」、あるいは「時間霊」が生じた。

・現代人が知る熱は、「意志霊」による供儀の外的な表現、反映である。

・従って、外的な熱は幻想(マーヤ)である。もし、真実を知りたいなら、熱の顕現の背後には、「調和霊」の前に捧げられる「意志霊」の供儀がある。

 イマジネーション(霊視)能力の発達は、薔薇十字的な秘儀参入の第2段階に相当する。このことは著書「いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか」やその他でしばしば触れている。人智学徒は、健全なイメージから世界に対するイマジネーション(霊視力)を形成する必要がある。



 トローネ、もしくは「意志霊」は完全な献身をもって「調和霊(ケルビム)」の前に跪くが、それは卑屈な感情ではなく、献身的な感情から生じる。

 強さと勇気に基づき、喜んで供儀を捧げようとする「意志霊」たちは「調和霊」の前に跪き、捧げものを差し上げる。「意志霊」たちは、泡立ち、燃え上がる熱として供儀を送り出すため、供儀の炎から立ち上る煙は、翼をもった「調和霊」に向け燃え上がる!

 人智学徒は、以上のような精神的な事実を描写できる。この供儀から生じるものは、まるで人間が空気中に向けて発した言葉が、「時間」という存在になるような感じで、以上のような精神的事実全体から、「時の霊」、もしくは「アルカイ」が生じ、現れる。

 以上のように、「アルカイ」を発生させるイメージは、非常に力強い。いま、魂の前に置かれた、このイメージは、隠れた叡智の領域へと益々深く参入できるようなイマジネーション(霊視)にとって、究めて強い効力を持っている。

 イマジネーション(霊視)から受け入れたイメージを、上記のように、変容させることは、人智学徒が成し遂げるべき課題である。たとえ形成されるイメージが原始的であり、擬人化され、翼をもった人物という形で描写されても、その表現自体は重要ではなく、問題ではない。





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Last updated  2011年05月20日 16時54分59秒
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