シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2011年07月13日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 クリシュナが、弟子のアルジュナに「この宇宙樹を、人間の眼に見えるようにする力(霊能力)は、諦め、断念にある」(第15詩-3参照)ということを明言することで、次のようなことが示唆される。

バガヴァッド・ギーター
http://www.ne.jp/asahi/hindu/vedanta/gita/gita_top.html?=gita_body.html

 「人間は、人類進化の遥かな経過のなかで獲得した認識、以前の講義で、特徴づけた認識(現代の覚醒意識)全てを諦め、断念することで、太古の叡智へと帰還できる」、という示唆である。

 以上の示唆は、栄光に満ち、偉大なクリシュナが、いわば先払いとして、1人の特別な(個別の)存在の弟子アルジュナに与える叡智で、他方において、クリシュナは、第4文化の日常体利用のために、全人類から、日曜体を取り上げた。これがクリシュナの本質である。

 では、クリシュナが1人の特別な弟子アルジュナに与える叡智は、どのような形態をとるべきだったのか?

 その形態は、サットヴァ認識となる必要があった。クリシュナが弟子に、このサットヴァ認識を徐々に与えるほど、その認識は叡智に満ち、澄み渡った、冷静な、熱狂を離れた形となる。

 しかし、その叡智は、古代に啓示された(顕現した)認識で、崇高な者、すなわちクリシュナが語り、それから1人の特別な弟子アルジュナが答える言葉としては、驚くばかりに、外から人間へと迫ってくる。

 以上のように、クリシュナはヨーガの主(導師)となる。クリシュナは人類の太古の叡智へと立ち返らせ、霊を覆っている魂を、サットヴァ状態へと次第に克服しようとし、物質(肉)体のなかに下降していない太古の清浄な状態の霊を、弟子の目の前に導き出そうとする。



 クリシュナの出現により、人間の魂にとっては、太古の霊性の時代の最後の時代が終焉を迎える。太古の霊性の時代の出発点では、完全な霊の光が外に霊視でき、その後の時代に、人間が自立するため、物質(肉)体への自我の下降が起き、そして、そのような霊性の時代の終焉が訪れる。

 ポストアトランティス時代の第4文化期の到来により、霊の光が下降した際、一種の相互関係、すなわち、霊と外的な魂との間が、ラジャス状態となった。ちょうど、この時期にゴルゴタの秘蹟が起こった。

 (古代アトランティス時代の終焉に、大洪水の破局が起こり、これは大洪水といっても、徐々に起こったようである。大気中に蒸発していた水分が、次第に分離してきたという。つまり、古代アトランティス時代は、ミストサウナのような大気の状態だったようである。

 そして、ポストアトランティス時代がはじまり、第1文化期がマヌ「ノア」によるインド文化、第2文化期がゾロアスターによるペルシャ文化、第3文化期がヘルメス「トート」によるエジプトとモーセによるカルディア文化、そして、第4文化期がギリシア哲学者たちによるギリシア文化とラテン文化。

現代は、第5文化期のカリ・ユガ「悪徳」の時代
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%A6%E3%82%AC )

 では、この時代の人間の魂を、サットヴァ状態として描写できるか?

 否、この時代に属する魂は、サットヴァ状態では描写できなかった。サーンキヤ哲学の用語を用いるなら、ラジャス状態として描写すべきである。ギーターのような清澄さからでなく、個人的な、様々な感情から、パウロは書簡に描写した。

 パウロは、ラジャス状態から語った。テサロニケ書や、コリント書や、ローマ書の言葉の数々が、ラジャスとして、脈打つのを感じる。怒りの気分のように、しばしば個人的な気分の特徴を帯び、パウロ書簡から脈打ち、ラジャス状態から、身をよじるように発せられる言葉が感じとれる。

 つまり、ラジャス状態が、パウロ書簡の形式と特徴である。パウロ書簡は、ラジャス状態で登場してきた。一方で、バガヴァッド・ギーターは清澄で、個人的気分を離れ、現れた。没落してゆく時代の最高の精華だからである。



 このサットヴァ状態は自ずと没落した。サットヴァ状態は消滅し、サットヴァ状態で語る者も、もはやラジャス時代には、古い物事だけしか語ることができなくなった。新たな時代の出発点に身を置く者は、当時の標準となったラジャス状態から語る必要があった。

 人間の本性が、器官及び物質体を道具として用いる認識を欲求したことで、個人性(パーソナリティ)が人間の本性のなかに引き入れられた。この個人性が、パウロ書簡から語りかけている。この個人性が、パウロ書簡のラジャス的な要素である。

 以上のように、この個人性(パーソナリティ)が、外から物質の闇として、入り込んでくる全てに対して、怒りの言葉を轟(とどろ)かせ、パウロ書簡においては、しばしば、怒りの言葉が轟いてくる。

 更に、パウロ書簡では、バガヴァッド・ギーターのように、厳格な形で、叡智に満ち、鋭い明晰さでは、語ることはできない。バガヴァッド・ギーターのように叡智に満ちた形で語るには、人間が外的な営みから自由になり、クリシュナと合一する霊のなかへと、勝ち誇りながら上昇できるような特徴を人間の魂がもつ場合に限られる。





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Last updated  2011年07月13日 16時54分50秒
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