シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2011年11月02日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 人間は、日々絶え間なく印象を受け取っている。受け取る印象のうちで、魂の恒久的、意識的な財産となる領域の、受けとった全体の印象に対する割合は、毎年、海の中で産み出される大量の魚の卵のうち、実際に魚へと成長する割合と同じである。

 (人間の多くの人生のなかでも、目的を遂げる人生は僅かともいえるが、人間の人生は目的にあるのではなく、日々の経験のなかにある。日常の行為のなかにある。)

 人間もまた、自身の魂のうちで、上記の過程を経験している。すなわち魂のなかの広大な領域のうち、非常に僅かな一部の領域だけが、絶えず、目的(目標)に達しようとする(覚醒)意識に現れる。

 隠された潜在意識を覆うベールを少し持ち上げ、覚醒意識へと現出する大洪水のようなファンタジーや思考の様相(夢は、睡眠中に過ごす無限に豊かな精神の営みの最後の残像を提供する)を垣間見るなら、(覚醒)意識には、はっきりと上らないような非常に多くの印象を常に受け取っている、という事実に意味があることに気づく。

 (フロイトのいう氷山の一角というものだろう)

 というのも、明確な(覚醒)意識に上る印象は、人間の内面的な(精神の)働きの中で失われ、感覚器官や腺組織の機能、もしくは消化器官の機能に働きかけることができないからである。(覚醒)意識化された印象は、神経や筋肉、骨の機能に働きかけることもない。

 魂の中で意識化された印象、今日の人間が、意識や内面的な魂の内容として、自らの内にもつ印象は、肉体を含む人間全体に働きかける力をもはや失っている。つまり、意識化された印象は、人間全体(潜在意識)という母なる大地から切り離されることで、意識に上る、という特徴を持つからである。

 意識化されなかった他の全ての魂の内容(意識化された思考は、多くの卵のうち魚になる僅かな卵のような割合を持つが)、すなわち、魂の中に入るが意識に上ることのない無数の印象は、人間全体(潜在意識)に働きかける。

 人間の周囲の環境に存在する印象全てが、絶えず、人間全体に働きかけている。ときとして、夢は、意識化された思考だけでは、人間の魂の中に入り保持される印象の総計には全く達せず、足りないことを教えてくれる。



 夢に注意を向けるだけで、いわゆる自然淘汰と呼ばれるプロセスが、絶えず人生の中で起きている事実を見つける。

 例えば、ある光景を夢に見る。例えば、自分とは別の人に話しかけている人の反対側に立っている光景を夢でみたとする。その光景では、自分は、第3の人物となっている。夢の中では、反対側に立つ人物の表情をはっきりと、正確に把握している。

 そこで、「私はなぜ、このような夢を見たのだろう? その夢は、実際の生活で、私の知人のような印象を与えるし、その夢の光景自体が、なんとなく実際の生活にも関係しているように見える。しかし、その夢は、どの出来事からくるのだろうか? この人物は知らないし。」というような疑問をもつ。

 今、その夢を更に追求し、注意深く調べていけば、2、3日前に列車の中で、この人物の反対側にいた事実を知るだろう。

 つまり、全ての経験が、覚醒意識を喚起するのではなく、記憶の傍らを通り過ぎる経験もあり、その経験は、深く精神の中に入っていく。一般的に、夢のなかの事柄を何も知らないのは、単なる観察の不正確さによる。

 (日常生活のどこかで経験している。)

 以上のような喩えのように、夢が目の前に提示する概念は、魂に作用する印象のなかでも、最重要なものではない。最重要な印象は、全く別の印象である。以前述べたプロセスが、人間進化のプロセスを通じて、絶えることなく生じてきたことを思い出して欲しい。

 人間は、骨格機能によりイマジネーションを生じさせ、筋肉機能によりインスピレーションを、神経機能によりインテュイションを絶えず宇宙へと送り込んできた。そして、その全てが今、宇宙のなかに存在している。人間が放出してきた邪悪な放出物は、それを放出した各々の人間が、自分で再び受け取り、自分の運命を通じて運び処理しなければならない。

 (自分が出したゴミは自分で処理しなければならない。)

 しかし、宇宙に受け取られた、邪悪な放出物以外の他全ては、宇宙を建設し、形態を生み、絶えず人間の周囲に、いまも存在する。人間が、地上の世界のために与えてきた全てのイマジネーション、インスピレーション、インテュイションは、古代アトランティスの破局以来与えられてきたものでさえも、絶えずに、今でも存在し、現在の環境の一部となっている。

 人間が提供してきた善良なる放出物は、個々の人間がカルマの進展の中で、再び受け取り処理する必要はない。従って、何世紀にも渡り続いてきた時代を通じて、人間が地球の精神的な大気圏へと送り出してきた放出物は、空気が物質的な肉体のために存在するのと同じように、今地上に生きている人間のために実際に存在している。



 そこで今重要なのは、人間が周囲にある全ての放出物に対する真の関係を発達させること、地球の過去の時代に、人間自身が放出したものに対し、まるで見知らぬものであるかのように、無関係なように接しない、ということである。

 人間が、自ら地球に与えた、この精神の放出物との結びつきを持つには、自らの魂の中に、それらを受け入れる力を徐々に獲得していかなければならない。

 では、この受容力を高めるにはどうすればいいのか?

 地球の進化の精神的な意味を深く探求すれば、アトランティス大陸水没後の人間が、まだ太古の超感覚(霊)的な能力の名残をもっていた時代には、イマジネーション、インスピレーション、インテュイションが、地球の精神(霊)的な大気中へと豊富に伝えられていたことが霊視できる。

 当時はまだ、精神(霊)的な実質が大量に放出されていた時代だった。第4文化期のポストアトランティス時代以来、特に今後、次第に、霊的実質を送り出すことが少なくなるので、むしろ、現代人にかかってくるのは、太古の霊的な実質を受け取る能力にある。






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Last updated  2011年11月04日 08時47分36秒
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