シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2012年07月18日
XML
カテゴリ: 神秘体験空間
 さて、一見、これまでの話とは関係のないように見える話をつけ加える。その話は、食養生の問題と呼べる話である。このような食養生の問題は、医学上の意味を持つだけでなく、社会的な意味も持つので重要である。

 例えば、マズダナン食餌療法[Mazdaznan-Diaet]などの特殊な食養生法に、正当な意味があるか、というような問題を、大いに議論できる。

マズダナン食餌療法[Mazdaznan-Diaet]
 マズダナン食餌療法は、1900年ごろA. Hanischによって創始され、ゾロアスターの教えに基づく生活様式運動。

 盛んな議論から、養生法を勧められるままに行うと、実践者を非社会的な存在にしてしまうことが問題となる。実際に、社会上の問題と、医学上の問題とが衝突する。

 栄養摂取に関して、特別な食餌をとるように指示されることが多いほど、外の世間の影響全般に対して、非社会的な存在になってしまう。

 キリストの最後の晩餐の意味は、キリストが弟子たち全員に特別な食餌を与えたことにあるのではなく、全員に同じ食餌を与えたことにある。飲食を共にすることには、大きな社会的意味がある。

 (日本では、皆で揃って食べる風習がある。この間、日体大の集団行動をTVでみたが、共同で衣食住を行い、訓練していたのが印象深く残っている。)

 食餌療法によって、健全な社会性を妨げる結果にならないように、やはり幾らか慎重に扱う必要がある。また、人間というものは、放置しておくと、意識だけでなく、器官の作用に関しても、可能な限りのあらゆる食欲や食欲不振を生じさせてしまうことになる。



 主観的な食欲の意味ではなく、人体の組織構成の意味で、本質的に耐え難い食餌に耐えることを学ぶようになり、食欲不振を克服したなら、広義の意味で、つまり、器官組織の構築の意味で、食欲不振の原因となる食物(食べたくないもの)を、長い間、食べないでおくよりは、食べる方が、多くの健全さを獲得する。

 破壊された物質的機能、もしくはエーテルを見れば、新しいとも思える器官修復は、食欲不振を克服することで行われる。まさしく、単なる比喩ではなく、実際、器官修復は、食欲不振の克服にある。

 つまり、器官形成力は、他ならぬ食欲不振を克服することにある。

 逆に、今度は、限度を超えて食することで、食欲の虜になれば、もはや器官の機能を果たさなくなり、器官を肥大させ、機能を退化させ、人体組織を害することになる。そこで、その食物を遠ざけることで回避しようとすると、その食物への抵抗力を失ってしまい、食したときに、かえって人体機構を害することになる。

 逆に、食物不振の対象となっている食物に、徐々に慣らしていくなら、人体機構は強化される。

 (免疫作用と同じ。)

 この点に関して、現代の自然科学は、ほとんど全てを覆い隠してしまった。というのも、自然科学が基本にする「生存競争や自然淘汰」といった外界の原理は、実際、全く表面的なものだからである。ルクスは、この原理を更に人体の器官に転用した。

Wilhelm Roux
 1850~1924 ドイツの解剖学者、生理学者。1895~1921ハレ大学教授。主要著書:「生体組織における各部の闘い」(ライプツィヒ1881) 「生体組織進化のメカニズムについて」(ウィーン 1890) 「進化のメカニズム」(ウィーン 1905)

 しかし、競争や自然淘汰の原理は非常に表面的なものである。このような原理は、内的に起こっている本質を真に観察してはじめて意味をもつ。

 したがって、次のような結論に至る。



 器官の発展(進化)は、反感(食欲不振)の克服の結果としてもたらされ、他方、現存する器官形成は、食事に対する共感の虜になることでもたらされ、食欲は、ある均衡点を超えてはならない。食事への共感と反感は、舌の上の味覚、もしくは眼のなかの視覚だけにあるのではなく、人体組織全体に影響している。

 どの器官も共感と反感をもっている。ある器官は、共感を超える特定の状態から、器官の構築の素になった食物に対して反感を持つ。つまり、器官は、自身が持つ反感のおかげで、構築され、完成に至る。

 外界からの作用に、人体内が抵抗し、反感のなかに自身を放出し、組織化することで、人体機構の完成へと進む事実を考慮するなら、系統発生学的な進化を発見できる。人体組織内での生存競争に良く耐え、器官がもつ内的な反感を克服する代わりに、器官の発展(進化)能力を持てるようになる。

 この事実の考察から、薬の投与量に対する拠り所が得られる。器官の形成過程(プロセス)のなかに、共感と反感の間を継続的に揺れ動く平衡状態を洞察できる。器官の発生は本質的に、共感と反感の形成と同時に共感と反感との間の相互活動に関わっている。

 以上が、人体における共感と反感の関係だが、希釈の程度が低い状態、いわゆる本質的に、物質として投与する場合と、高い希釈量で用いる場合の間にも、同様の関係がある。人体のなかでは、高い希釈は、低い希釈とは逆に作用する。



 つまり、人生の初期の、人体組織に対する特定の形での作用は、後の人生では逆に作用し、前半期の人体での作用が、後半期に逆転する。

 このような事実が根底となり、以前述べたように、統合失調症(デメンティア・プラエコクス)や、魂の絶縁状態などが生じ、この魂の絶縁状態は、後の年齢になって、作用すべきではない人体機構に、作用するようになる。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012年07月18日 11時57分54秒
コメント(0) | コメントを書く
[神秘体験空間] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: