シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2012年10月30日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 前回は、ドリールの書から、カバラの意味と、現代の聖書の解釈の間違いを紹介した。そして、人間の意識は、神の意識に倣ってつくられ、神の意識は、一なるバランスの中庸精神なので、一から出た意識は、一に還るから、自らが行ったことが、自らに還ることを紹介し、老子の第81章につなげた。

 生命の樹の解説ばかりを続けていると、退屈な話になりかねないので、少し身近な話を紹介して、老子の第81章につなげる。

 昔の日本人は、現代よりも、中庸精神をもっていたことが、建築物から伺える。日光東照宮の逆柱などは、その代表例である。

逆柱
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%86%E6%9F%B1

 逆柱などは、人間がつくる建築物が、自然破壊につながってはいけないので、自然との調和を配慮して、あえて、未完成にすることで、陽に陰を加え、自然に対して反抗心がないことを現しているものと考えられる。

 自然を破壊すれば、因果から、今度は、自然から破壊される番となる。自然を破壊しなければ、自然から破壊されることもない。

 つまり、中庸精神の適応を誤ると、そっくりそのまま自分にかえってくる。

 この言い伝えが形骸化し、悪く伝わり、「出る杭は打たれる」となったのだろう。何事もバランスや調和が重要である、というのが、大和魂(精神)につながっているのだろう。



 では、そもそも約束事がどうして生まれたのか?

 古代人は、裸だったので、服は着ていなかった。服は、おそらくオーラから派生したものに思われるが、オーラの性質が形骸化して約束事になったものと思われる。

 それは、服装の約束事が、「会合や式典において、周囲の人々に不快感を与えない服装」であり、「地位と教養に裏付けされた正しい装い」という参加者の意識から生じているので、オーラの性質とよく似ていることがわかる。

 ドリールによると、魂は基本色をもち、この基本色はオーラの色ではなく、オーラの色は、前世のカルマにより、基本色が抑えられ、異なった配色になったものだという。オーラの色は、当人の感情や知性や意志などで、絶え間なく変化し、当人の心を反映した色となるそうである。このオーラの性質から、服装の約束事が生まれたように思われる。

オーラ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%A9

 そもそも、可視光線の色とは、白色光線のうちの反射された一部の光を情報として受容していることからみえるものなので、反射された光線には、なんらかの反射物の構造が含まれているわけで、色とは、その構造を捉えていることを意味する。

 だから、オーラとは、発する当人の身体構造を捉えていることになる。古代人は、霊視ができたので、裸でも、オーラが服のようにみえたが、唯物論が普及するにつれ、ネガティヴ想念から、現代人のように、だんだんとみえなくなり、衣服のような、いわばオーラの着崩しが生まれたのだろう。

 オーラが、基本色のいわば着崩しで、衣服が、オーラの着崩しとなったように思われる。人間は、能力を失うにつれ、変わりに、代替の創造性を開発してきたのだろう。

 スーツが軍服の着崩しなのと同じで、時代が降るに従い、霊からだんだんと物質的に、着崩しされてきた。そもそも、時代とともに人間の意識や価値観が移り変わるのに、古来から、服装が変わらないというのは、自由にも反する。

 勿論、着崩しが、環境破壊や、調和を乱す破壊であってはもっての他だが、冠婚葬祭にお決まりの如く喪服を多用するのは、創造性の枯渇で、奴隷的で、自由意志に対する一種の破壊とも思われる。社会的に高い地位に就きながら、精神性が低い権威主義者は現に沢山いる。



冠位十二階
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%A0%E4%BD%8D%E5%8D%81%E4%BA%8C%E9%9A%8E

 冠位十二階の位階と冠の色などは、オーラをよく表現しているようだ。オーラは、最低色の黒から、最高色の紫まで、意識が高次になるにつれ、変化するといわれている。

 聖書にしろ、服装にしろ、言い伝えられてきた約束事が間違っていたら元も子もない。特に、日本人の洋服の服装に関しては、曲解が誇張されて伝わってきている面が多い、といわれている。



紋付羽織袴
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%8B%E4%BB%98%E7%BE%BD%E7%B9%94%E8%A2%B4

 これなどは、日本人独特の習慣で、同じ東洋でも、白は中国では、縁起の悪い色になるから、特定の日本社会でのみ通用する概念である。尤も、日本でも、江戸時代までは、白は、喪服にも用いられた色だったようである。

 だから、色とは、習慣でもあり、色は、人間の意識に影響を与えるから、色使いにより、病気の治癒にも導くことができる。ドリールは、色彩療法を、「療法の真義」で展開している。黒は、あらゆる光線を吸収する色であり、白は、逆に総てを反射する色である。

 何色が好ましくて、何色が嫌悪されるのかは、多種多様で、外見よりも、中身が重要なのである。精神性や意識が重要で、何を着ているか、ではなく、どういう精神なのか、が重要なのである。例えば、「療法の真義」でいえば、高血圧の人には青色を、低血圧の人には赤色を想い浮かべることが治療となる。

 また、いかに物質的に金をかけた葬式をしようとも、他界した霊に参加者の意識が伝わらなければ意味がない。派手にやり過ぎて、破壊に繋がらないようにすべきである。

 聖書に人間が従わされては駄目で、服に人間が着られては駄目で、本末転倒である。権威主義者は、神の名を語って人々を従わせようとするから、真意を掴むことが重要である。

 そのことを、老子は第81章で説いているので、例のごとく紹介する。

  ☆  ☆  ☆

第81章 信言は美ならず、美言は信ならず

原文
 信言不美、美言不信。善者不辯、辯者不善。知者不博、博者不知。聖人不積。既以爲人己愈有、既以與人己愈多。天之道利而不害、聖人之道爲而不爭。

書き下し文
 信言(しんげん)は美ならず、美言(びげん)は信ならず。善なる者は弁(べん)ぜず、弁ずる者は善ならず。知る者は博(ひろ)からず、博き者は知らず。聖人は積まず。既(ことごと)く以(も)って人の為にして己(おのれ)愈々(いよいよ)有し、既く以って人に与えて己愈々多し。天の道は利して而(しか)して害せず、聖人の道は為(な)して而して争わず。

英訳文
 Reliable words are plain, and decorated words are unreliable. Good people are reticent, and talkative people are not good. Wise people are not erudite, and erudite people are not wise. The saint who knows “the way” does not save up. He acts for others and gets important things. He gives to others and gets richness of the heart. Heaven’s way benefits all things without harming them. The saint accomplishes everything without competing with others.

現代語訳
 信頼に足る言葉には飾り気がなく、耳障りの良い言葉は信頼するに足りない。善人とは多くを語らないもので、おしゃべりな人は善人とは言えない。本当に知恵がある人は物知りでは無いし、物知りな人に大した知恵は無い。そうして「道」を知った聖人は蓄えをせず、人々のために行動して大切なものを手に入れ、人々に何もかも与えてかえって心は豊かになる。天は万物を潤しながらも害を与える事はなく、聖人は他人と争わずに物事を成し遂げる。

 Translated by へいはちろう

 (続いて、タオの法則より抜粋する。)

 第81章

 人生は逆説の法則に貫かれている


得る者は失い

 与える者は得る

 高くする者は低くされ

 低くする者は高くされる


 聖書の中のキリストの言葉は、老子と共通するものが多い。キリストは「自らを低くする者は高くされる」と言い、老子は「柔弱なる者は最も強い」「真の王者はよくへりくだる」と言った。

 キリストは、「幼な子は天国に一番近い」と言い、老子は、「赤子は、タオに一番近い」とも言っている。水が低きに流れるように、人間もそうあるべきだと老子は言う。

 水は、その謙虚さ、柔軟さゆえに、万物の中で最も強いと老子は言うのである。彼は、他の何よりも水の精を範とし、水の精を導き手としている。水の精は、すべての精たちを陰で支える精霊界の最大の奉仕者である。老子が女性や谷を喩えに用いるのも、その裏には水の精への認識がある。水の精はまた、聖性の精でもあるのである。

 水のようになるとは、謙虚にふるまうことではなく、謙虚な心になることだ。難しければ、天を意識しよう。天に導かれる時、人は真に謙虚となる。そうなって、人は他者に振り回されることのない自己が確立される。自尊心で生きる間は、個であるがゆえに、個に振り回される。

  ☆  ☆  ☆

 過ぎたるは及ばざるがごとし。





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Last updated  2012年10月30日 16時45分35秒
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