シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2013年05月23日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 前回説明した結核への感染準備が整う、というような極めて特異な現象を手懸かりにして、人体構造上の不規則な経過から、更に、病気の本質を研究できる。

 そこで、結核に感染しかかっている、つまり近い将来、結核に罹患する人に究めてよく見られる症状を取りあげる。

 結核に感染しかかっているような人が咳をすること、また、喉や胸の痛み、もしくは四肢の痛みも感じていることに、おそらく気づくだろう。更には、ある種の疲労感、とりわけ盗汗(寝汗)に気づくだろう。

 これらの症状の原因は一体何なのか?

 これらの症状を目の前にするとき、一体どのようにその原因が生じるのか?

 今挙げた症状全ては、前回述べた人体の不規則な相互作用の結果として生じる。しかし、同時に、もっと深い根源に対する、人体のある種の闘いでもある。

 人智学徒には既知のことだが、いかなる場合でも、咳(まずは単純な現象から、もっと複雑な現象に移っていく)を我慢することは、良くない。人体にとっては、咳を故意に引き起こすのが必要な場合もある。

 人体の上部の機能が、下部を充分に制御できない場合、咳を引き起こすための刺激が現われるのは、咳をすることで、体内に侵入させない健全な反応なのである。従って、直ぐに咳を止めてしまうのは、場合によっては、有害になる。

 咳をしないと、肉体が有害なものを受け入れてしまうからである。当人のその時点での体質では、有害なものに耐えられず、取り除こうと、咳をする。咳への刺激は、人体に何かが欠けているために、なかに侵入させない防御の必要性を示すものに他ならない。



 逆に、例えば、結核感染の素因に早期に気づいたら、咳への刺激を適度に誘発し(咳への刺激を起こさせる方法は、後に述べるが)、また特にある種の食餌療法によって疲労感の症状を誘発してでも、防御するのが良い場合もある。

 更に例えば「痩せる」ことも、1つの防御手段になる。なぜなら、上部機能が制御できない下部の不規則な経過は、太る場合に生じる経過に他ならないので、痩せることで、制御できない不規則な経過が一時的にも生じないように、自らを守ることができるからである。

 従って、例えば、痩せていく場合、太らせるような食餌療法を施すのではなく、痩せることで下部の不規則な過程を起こさせない防御機能などを個別的に研究することが非常に重要となる。痩せることが、人体に現れる様々な不規則な経過にとって、非常に良い効果をもたらす可能性もある。

 そして、結核にはまだ感染していないが、結核に罹りそうな場合、とりわけ有効なのは盗汗である。なぜなら、盗汗は、睡眠中に実行される活動だが、本来なら、覚醒時に、霊的-心的な活動の下に完遂すべき活動だからである。

 盗汗とは、本来ならば昼間の覚醒状態で行うべき活動が行われずに、夜の睡眠中になって行われた結果として現れる症状である。盗汗は、行為の結果として現れる現象だが同時に防御手段でもある。霊的な活動から、人体が解放されると、人体は盗汗として現われる活動を行う。

 上述したような事実を完全に理解するには、発汗も含め、分泌現象全般が、霊-魂の日常の活動と密接に関係している事実について、少しばかり知る必要がある。

 生命の本質的な構築過程とは、無意識(潜在意識)的な基盤をなすだけである。対照的に、覚醒時の魂の意識的な組織活動は、分泌過程を生じさせる。人間の思考も、脳の構築過程から生じるのではなく、分泌過程、すなわち分解過程から生じる。

 盗汗という現象は、本来、通常の日常生活では、霊-魂の活動と平行して進行すべき分泌過程だが、人体上部と下部が正しい応対関係にないので、霊-魂の活動から人体が解放される夜まで持ち越される。

 だから、病んでいる人体の成長や構築に関する現象を注意深く研究するなら、様々な病気の症状のなかに生じる相互作用全体にまで導かれることがわかる。

 痩せるのは、病気にみられる症状だが、結核感染への素因との関係においては、下部の不規則な経過が、結核感染に向かって、僅かに活動し始めるなかで、様々な症状として現れる相互作用の1つである。

 その様々な症状をみていくと、その根底に現われる相互作用全体から、観念上の人体とでも呼べるもの(エーテル)が成立しているのがわかる。そして、ある1つの症状は、ある意味、他の症状にも属している。



 古代の医師たちは、上記のようなことを、医師のための、いわば意味深い教育原理として語ってきた。古代の医師たちは「医師のリスクとは、病気を取り除けるだけでなく、病気を引き起こせることだ」と語った。

 つまり医師は、病気を治すのと全く同程度に、病気を引き起こせる、というわけである。遺伝的な霊能力により、このような関連に対して、多くのことを知っていた古代人たちは、医師が悪意を持てば、人々を健康にするだけでなく病気にもできる存在であることを想定していた。

 しかし、医師が病気を治すのと同等に病気を引き起こすことは、他の病気の症状との間に正しい関係をもたらすために、あえて病気を引き起こす必然性と関係する。とはいえ、いずれにせよ、症状自体も、病気の1つであることは確かである。

 咳、喉の痛み、胸の痛み、痩せる傾向、疲労感や、盗汗の症状等全ては、確かに病気の症状でもあるので、これらの症状を誘発しても、病気と捉えられる。     

 以上の症状を引き起こし、治癒半ばの時点で、病人を、その成り行きに委ねてしまうことはできないので、この時点で、治癒の第2の経過を導くべきことがわかる。





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Last updated  2013年05月23日 11時13分20秒
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