シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2013年05月22日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 さて、ヒステリーと呼べる機能的な不規則性を生じる現象が現われてこない場合を考えてみる。

 このようなことも確かに起こる。不規則な経過を、エーテルがすぐに物質体に押しつけたため表面に現われてこないからである。だから下腹部の器官には明らかな疾患として現われずに、いわばヒステリーの刻印が内部に潜伏する。

 物質的な器官(器質)に、エーテルの不規則性を、直に押しつけたことで、ヒステリーと呼べる精神的な現象としては前面に現われないが、かといって、厄介な病気、いわゆる器官的な疾患となるには、不規則性が充分強くない。

 器官的な疾患になるには不十分だが、人体に働きかけるのには十分な不規則性を持つ場合、病気と健康の間を漂うというか、中途半端な不規則性が下部から上部へと作用を及ぼし、伝播し、上部での反作用、いわば「上部のネガ(陰)」として現われるような特殊な現象が起こる。

 上部が一方的に、もしくは不規則になると、通常、神経衰弱を誘発する領域に、ヒステリーの最初の物質的な結果として現われる状態が出現し、結核への素因(結核菌に感染しやすい状態)をもたらす。

 これは非常に興味深い関係である。結核への素因は、上述のように、下部の不規則な活動が上部に反映した反作用なのである。完全に下部では終わりきらない経過が、上部に反作用することで生じるような全く独特な相互作用が結核への素因をもたらす。

 人体の原-素因[Ur-Anlage]とでも呼べる状態にまで追究しないと、結核を合理的に取り扱う術を見つけることができない。というのも、人体に寄生生物が蔓延するのは、今述べた原-素因の結果として生じる現象にすぎないからである。

 上述のことは、必要な条件が揃えば結核のような病気に感染する、という事実に矛盾しない。勿論、感染には必要な条件が整う必要があるが、残念ながら、人体下部の器官活動の優越性は、今日の人類の極めて大多数に現われているので、実際、結核になりやすい素因は、今日驚くべき範囲に広がっている。

 人智学的な探求で、原-素因を指摘できるとはいえ、「感染」という概念は、医学ではやはり有効な概念である。結核に酷く病んでいる人は、周囲の人々に不規則な作用を及ぼすからである。結核患者の体内で起こっている不規則性に曝されると、通常の単一な不規則な反応にすぎない経過が、今度は「感染」の原因となりえるからである。



 普段それほど親しくない友人に道端で出会う場面を思い描いてみる。悲しそうな友人に出会い、その友人の悲しみの理由を聞くと、その友人の友人が死んだことを知る。

 悲しんでいる友人に出会い、その友人が悲しみを告げることで、自分もその友人に共感し悲しくなる。友人は直接の原因から悲しみ、その悲しみを聞いた自分は、間接的な悲しさに共感することで悲しくなる。この場合、確かなことは、この感染の条件は、友人と自分との関係にある、ということである。

 従って、初発と感染という概念は、特に結核においては極めて有効である。

 ただ、初発と感染の双方の概念を、合理的な意味において、正しく用いなければならない。結核療養施設が他ならぬ人工の結核感染場と化していることが少なくない。結核患者を結核療養施設に詰めこめば、施設を何度も繰り返し取り壊して、別の施設に作り替えるようになる。

 結局、一定期間の後に、結核療養施設を大衆から更に遠ざけるようになる。なぜなら奇妙なことに、結核患者自身が特に感染しやすい素質をもち、重篤な結核患者の近くにいなければ、改善している病気が一層深刻になってしまうからである。

 さて、とりあえず、結核の本質を指摘するだけのつもりだったが、この結核を1例として、人体のなかの様々な過程(プロセス)が、互いに密接に関連し合っている事実が理解できる。

 人体のなかの様々な過程を正しく洞察できれば、ポジ(陽)とネガ(陰)が互いに相対しながら対応し、人体の上部と下部を形作る、という事実を常に考慮すべきことがわかる。





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Last updated  2013年05月23日 11時28分27秒
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