シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2013年06月11日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 さて、今回は誰もがよく知る事実から始める。この事実は自然科学や、医学的思考との関連では全く正当に評価されていないが、人間と、外の自然との関係に対する判断の基礎を提供する。

 それは、「人間が、3つに大別される人体の機能、すなわち、神経-感覚機能、循環、もしくは律動機能、新陳代謝機能からなり、新陳代謝機能においては、外の自然、例えば植物界のなかで生じる事象に対して、ネガ(陰)の関係をもつ」、という事実である。

 更に、次のような事実を描出する。

 さしあたり、外の自然のなかの植物界を観察すると、炭素が「植物」として集積し、炭素を基盤とする傾向が認められる。人間は、植物に囲まれることで、炭素に基づいた生命体に囲まれる。

 (シュタイナーは、農業の著書で、「賢者の石」の正体が、炭素であることを明かしている。)

 植物の基礎を成す炭素が、人体にも現れていることを思い出して欲しい。人間は、発生の初期の、いわゆる発生期状態[Status nascendi]という段階で、炭素を基にした植物の発生を止揚し、終結させ、代わりに、植物の生成とは反対(逆)の状態を取り入れた。

 この初期過程の一端は、人体下部のなかに見つかる。人間は、炭素を沈殿(燃焼分離)させ、自らの力で植物の発生をはじめた後、この植物化の抑制(止揚)を、人体上部から誘導しなければならない。

 人間は、炭素を燃焼させ、酸素と結合させることで、炭素を止揚し、つまり炭素を炭酸に加工することで、人体内の植物化に対抗する経過を誘導しなければならない。

 外の自然とは正反対の経過をもつ人体内の経過に注意してほしい。というのも、自然とは真逆の人体内の生成過程に注意すれば、人体の本性を、次第に根本的に理解できるようになるからである。



 脳の重量は良く知られているように平均1300グラムだが、脳の下の面が圧迫されることはない。脳がもつ重量で、脳の下にある組織が圧迫されたなら、その領域に広がる繊細な血管が全て押しつぶされてしまう。

 脳が自らの土台となる組織を圧迫する重量はせいぜい20グラムにすぎない。これは、脳水のなかに脳が浮かぶために、良く知られたアルキメデスの水圧の原理に従う浮力を得た結果、脳の重量の大部分が重力として作用せず、浮力により止揚されているからである。

 脳水の浮力により、脳の重量が克服され、人体自らがもつ重量ではなく、その重量を破棄するなかの、いわゆる物質の重量とは反対の力のなかに、人間が生きていることは、人体の他の経過でも同様である。

 実際、人間は、自然現象[Physis]が作り出す経過そのままに生きるのではなく、自然現象の経過を止揚したなかに生きる。

 (自然を陽とするなら、人間は陰となる。)

 実際、外の自然のなかの、例えば、植物界において最終過程に至る経過を、そっくりそのまま体現するなかに、人間は生きるのでなく、その植物化を止揚(克服)するなかに生きる。

 以上は、病気に罹っている人体と植物薬との間に橋を架ければ、当然、本質的な問題となってくる事実である。

 さて、以上のようなことは、いわばちょっとした短編小説風に叙述できる。人間を取り囲む、素晴らしい植物[Flora]の世界に眼差しを向ければ、当然のことながら、とても大きな歓びを感じる。けれども、羊を解剖し、解剖直後の、羊のなかの植物(腸内細菌)[Flora]を目にするときはそうではない。

 羊の体内の植物相は、発生(生成)過程という点では、外の植物相の発生(生成)過程に類似するが、羊を死後に解剖し、この羊の体内の植物相(腸)から漂ってくる腐敗臭を感じれば、この腸内の植物相[Darmflora]に対して歓びを感じるどころではない。

 このような差異に特に注目すべきである。なぜならば、外の自然では、植物を成長の軌道にのせる経過が、人体のなかでは、克服されねばならず、腸内に、植物が発生してはならないことが明白だからである。

 外の植物と人体内の植物の違いのなかに、いまだ探求されていない広範な研究領域が拡がるので、比較的若い、勉学中の医学生の学位請求論文のために、この領域から多くを役立てることを勧めたい。



 とりわけ、羊を解剖すると、腸内の植物により、酷い腐敗臭が発散されるのに、鳥類の場合、腐肉を食する鳥の場合でも、腐敗臭はなく、解剖しても、比較的心地よいとさえ言える匂いが発せられるのはなぜなのか、一度、その隠れた事情を探究して欲しい。

 以上のような事柄についての非常に多くが今日(1920年)まで、学問的にほとんど研究されていない。腸の構造の研究については特になされていない。少し考えれば、鳥類と、哺乳類、そして人類の本質的な差異が、腸の差異から示されることがわかる。

 鳥類については、例えばパリの医師メチュニコフのような唯物論的な医師たちが、これまで述べてきた事実について、いわば最大の勘違いをしてきたわけだが、鳥類は、膀胱と大腸が、極めて未発達で、走禽類となってようやく、大腸、および膀胱の形態としての、ある種の膨隆[Ausbuchtungen]が見つけられる。

 以上の差異から、重要な事実が示される。つまり、生体内に一定期間排泄物を貯蔵し、随意に排出することは、鳥にはなく、食物の摂取と排泄との間に継続的な平衡状態が成立する。

メチュニコフ

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%83%A4%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%83%81%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%95





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Last updated  2013年06月11日 14時42分45秒
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