シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2013年06月26日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 今回の考察により、治療法のなかに、従来とは異なる人体全体をみる病理学が浸透し、両者の間の橋渡しとなる霊的な領域へと、益々肉薄していくことで、いわば一種の理想的な治療法を示すことが可能でも、それをそのまま活用できないため、そのための知見を獲得することが必要となる。

 しかし、それでも、患者の治療に際し、その霊的な領域から得られる事実を考慮し、概観するなら、個々の疾病から、様々な治癒法を引き出せ、断片的な診断結果からでも、少なくとも病因を知ることができる。

 特に重要で不可欠なのは、非常に特殊な場合でも、治療に際しては、目の前にいる人間の全体像(人生)に目を向けることである。全体像(人生)を見定めるには、本質的に、人生のはじまりである誕生日まで遡るべきである。

 医療関係者を信頼し、様々な話をするが、よく驚かされるのは、患者の年齢について、答えられない場合が多いことである。次回以降見ていくが、患者の年齢を、かなり正確に知ることは、治療の本質の1つである。というのも、治療(治癒)は、かなりの程度、患者の年齢に左右されるからである。

 以前、ある病気に対して、ある場合には治癒が非常に良く、別の場合にはあまりよくない、という例が引用されたが、この例(ケースバイケース)の治癒度と、患者の年齢との関係に対する疑問は非常に似ている。年齢に対する治癒度については、治療にあたっては、何にも増して厳密に取りあげるべき重要事項である。        

 更に重要なのは、次のようなことである。患者の体格がどうか、つまり、背が低くて寸胴なのか、それとも背が高くて、細長いのか、というような体型を常に正確に見定めておく必要がある。人智学で呼ぶ「エーテル」の作用を、背が低くて寸胴と、背が高くて細長い体格から推定し、読み取ることが大きな意味を持つ。

 「エーテル」などという命名は、やむを得ない表現で、もっと相応しい名称を、色々と考えるが、人体の実在の一部の表現に、「エーテル」云々といった使用を、望まない人もいるだろう。このような表現を、人智学徒ではない人々にとって、多少とも馴染み深い表現に言い換えることもできると思うが、当面は困難で、しかし、いずれは、そのようになるかもしれない。

 今のところは、人智学の理解を深めるために、このような表現を用いる立場を堅持したい。さて、このエーテルの、いわゆる作用強度というようなものが、当人の体格から判定できる。

 しかし、できる限り尋ね、確認すべき事項(先述したように、当人のそれまでの人生全てを尋ねるべきだが、端的に、情報が得られないため、全て考慮することは決して可能とは限らないが、できるだけ全てを知ることが望ましい)とは、当の患者が、幼い頃にゆっくり成長したか、比較的早く成長したか、つまり、長い間小さいままだったのか、幼い時期に比較的に背丈が伸びてしまい、その後の成長はゆっくりと行なわれたかどうか、ということである。



 更に、必要なのは、物質体やエーテルよりも高次の構成要素との関係、すなわち、人智学で呼ぶ「アストラル」や、「自我[Ich]」という、本質的な霊魂との関係についての認識である。このような関係を、患者から読み取ることが必要である。

 従って、例えば、夢をよく見るか、あまり見ないか、といった問診も吝かでない(すすんですべき)。例えば、ある患者が夢をよく見るのなら、患者の本質的な人体全体の構成にとっては非常に重要な意味をもつ。

 なぜなら、夢をよく見るのは、アストラルと自我だけの活動を展開しやすい傾向を持ち、つまり、物質体に、あまり入り込まず、密接に関わらないため、霊魂的な形成力が、物質器官組織のなかに、それほど入り込んでいない状態を明示するからである。

 (器官組織の再生力を奪い、霊魂にもたらす傾向が過多となっている。汗等の分泌を頻繁に行う傾向にあるともいえる。霊魂が、「与える」よりも、「奪う」ことが多い傾向をもつ。現代でいう、鬱「うつ」病である。)

 更に確認すべきことは、あまり愉快でない質問かもしれないが、当人が活動的で勤勉なのか、それとも怠惰な傾向があるのか、という事項である。というのも、怠惰な傾向の人は、アストラルや自我において、内的な活動性をもつからである。

 理屈に合わないように思えるのは、この内的活動性が、意識されず、無意識だからである。この内的活動性が意識されないため、当人は、意識においては、勤勉でなく、大体において、怠惰となる。

 というのも、怠惰とは全く逆とみなせる勤勉は、当人の高次性をもって、低次性に介入していく能力、つまり、アストラルや自我から、物質体やエーテルへと活動力を、実際に導いていく能力だからである。怠惰な場合、この能力が非常に少ない。従って、怠惰な人とは、本質的には、人智学的に見れば、(意識の上で)眠っている人になる。

 (指導力があるかないか、という感じらしい。)

 続いて確認すべき事項は、患者が近視か遠視か、ということである。近視というのは、いずれにせよ、自我やアストラルが、物質体に対してある種抑制されている。近視とは、当人の霊魂が、肉体-物質体に介入しないことの、最重要な徴候の1つである。

 (近視の人は、霊的に眠っている傾向をもつらしい。)

 更に、将来、実現の可能性をもち、病気の治療にとって極めて重要に思われることを指摘しておきたい。このことは、個々の職業にも、道徳性が浸透していけば、実践できるように思える。



 歯科医が治療の度毎に、患者に成長概略図をわたし、情報を活用できれば良い。その概略図には、歯の成長に関する全活動の記録と診断、例えば、早期に、齲(う)歯[Zahnkaries 齲触症、齲歯、虫歯]への傾向があるかどうか、比較的、高年齢まで歯が良く維持されたかどうか、といった記録や診断である。

 これは、次回以降見ていくように、人体全体の判定に非常に意味をもつことである。そして個々の病気の症例から、治療を行う医師が、歯の成長図、いわゆる健康の指標を、歯の状態からでも読み取れるようになれば、重要な治療の指針となる。

 さらには、患者の、いわゆる食事に対する嗜好についても知っておくことが非常に重要である。特に重要なのは、例えば、塩分を矢鱈と摂取したがるか、あるいは他のものを欲しがるかどうか、ということの確認である。

 当の人物が、どのような食品を特に欲するか、聞き出しておくべきである。塩分全般を欲するなら、当人の自我やアストラルが、物質体やエーテルと強く結びつき、いわば霊魂と物質-肉体とが極めて強い親和性を示すことがわかる。

 同様に、以上のような強い親和性を裏書きするものは、外(物質)的な機械的運動、例えば、身体を急速に回転させる等の、機械的な運動時に、眩暈などの発作を起こしやすいかどうかの確認である。



問診の重要項目
 1.生年月日と年齢→治癒度
 2.幼年次の成長力と体格→エーテルの作用強度
 3.夢をみるかどうか→霊魂の内的活動性
 4.怠惰か活動的か→霊魂の肉体介入力
 5.近視か遠視か→霊魂の肉体介入力
 6.塩分を好む等の食事の嗜好→霊魂と肉体の親和性
 7.機械的運動に際し、眩暈を起こすか→霊魂と肉体の親和性
 8.分泌の障害等→霊魂と物質体との結合障害

 以上は、患者に対するときに、基本的に知っておくべき知見を、1つ1つ順次に挙げたものである。具体的に挙げたが、当の問診の項目が、人体構成に関わる限り、その構成自体が、どのような方向に進むのかが、読み取れる。

 (このようなことから、例えば、織田信長が、京料理の薄味を嫌い、濃厚な塩分の料理を好んだというようなエピソードから、信長が、霊魂と肉体の強い親和性をもつ人物だったことがわかる。中世社会では、京や関西の薄味から、親和性が弱い人間が多く、信長のような人物が異端児であったことが、このようなエピソードからもわかる。)





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Last updated  2013年06月26日 09時37分58秒
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