シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2015年11月16日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 前回は、臓器移植で性格が変わる話を紹介したが、では性格とは何なのかを、シュタイナーの話から紹介する。前回は心臓移植により肉食から菜食に転換した人物の話を紹介したが、これまで肉食の欠点を紹介してきたことからもわかるが、肉食はエゴを過多にするから、性格を我儘にする。

 肉食は自我をエゴに固執させるが、菜食はエゴを解消し、無我にする。だから修行僧などは菜食中心であることは何度も述べた。

 つまり何を食べるか、好むかで性格も変わる。

 シュタイナーは、食事により、臓器を調整する方法を、オカルト生理学という本のなかで述べているが、人体の様々な臓器を含め、4つの構成要素からなる性格を、4つに大別している。

 つまり、物質体、エーテル体、アストラル体、自我の4つの構成体のうち、どれが主流になるかで、4つの性格を形作ると説明している。

 その話を以下に紹介する。

 ★         ★         ★

シュタイナー「四つの気質(粘液質、胆汁質、多血質、憂鬱質)」(改変)
http://biodynamy.blog.fc2.com/blog-entry-46.html



 血液型も4つ(A型、AB型、B型、O型)なので、そのようなものと考えてもいいかもしれないし、星占いと同じで合っているような、合っていないような感じです。

 しかし、シュタイナーの考えややり方は一見すると奇妙に見えるが、古からの智恵に基づいていることも多く、4つの気質に関しても、西欧では昔から考えられて来たことだった。

 最初に4つの気質の元になる四体液説(人間は血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁でできている)を唱えたのが医学の父、ギリシャ時代のヒポクラテスでした。それが紀元前4世紀頃のことです。

 ヒポクラテスの四体液説は、同時代の哲学者エンペドクレスによる四元素説(世界は地・水・火・風からなる)に相応した考え方です。ですから、血液は「熱と風」、粘液は「冷と水」、黄胆汁は「乾と火」、黒胆汁は「湿と地」の性質を持つと考えた。

 この四つの体液のバランスをとることで、自らの自然治癒力を引き出せるというのです。バランスが崩れることによって、歪になり、疾患が出るという認識の仕方だった。

 ヒポクラテスの4体液説と同じように、アジアでも紀元前に確立されたインドのアーユル・ヴェーダにも、ヴァータ=風・冷・乾・軽・速、カパ=水・冷・湿・重・遅、ピッタ=火・熱・鋭・流・変という3つの気質分けが存在する。

 (恐らく、以前紹介したヴェーダ哲学のサットヴァ、タマス、ラジャスの源流だろう。)

 気質というのは古代の一般的な考え方で、それが治療における1つの目安になったのかもしれない。

 ヒポクラテス全集が出版されていますが、あらゆる病気、症状に対する対処方法が記載されていてとても面白く読めます。現代医学と照らし合わせたときの真偽のほどはわかりませんが、シュタイナー的であることは間違いない。

 ローマ時代になり、2世紀のギリシャの医師ガレノスが、ヒポクラテスの四大体液のバランスによって多血質、粘液質、胆汁質、憂鬱質(黒胆汁質)という4つの気質が現われるという「体液病理説humoral pathology」を唱えた。

 この体液病理説は後世にも延々と伝えられていき、9世紀に西欧ではじめて医学校が設立されたサレルノで、11世紀に編纂されベストセラーになったという「サレルノ養生訓」にも四つの気質が出てくる。



 『サレルノ養生訓』では、4体液と気質のそれぞれの特性やその治療法について語られています。

 こうした体液病理説は19世紀ドイツのウィルヒョウが細胞病理学説を唱えるまで、2000年以上の長きに渡って有効だとみなされていた。

 18世紀のドイツの詩人であるゲーテとシラーにとっても4つの気質は自明のことであり、仲の良かった二人は4つの気質を隣り同士の気質の影響を考えながら12分割し、それぞれに適正の職業を当てはめるという「気質のサイクル表」を作ったりしています。

 胆汁質と憂鬱質が混ざり合うと支配者か暴君(職業?)。憂鬱質と粘液質が混ざり合うと哲学者か先生。粘液質と多血質が混ざり合うと詩人や講演者。多血質と胆汁質が混ざり合うと快楽主義者か冒険家といった具合です。

 19世紀初めにスイスの医師で哲学者のイグナツ・パウル・ヴィタリス・トロクスラーも4つの気質についてふれています。トロクスラーはシュタイナーに先んじて「人智学(Anthroposophie, アントロポゾフィー)」という概念を受け継いだ人物です。著作『生智学の要素』(1806年)を読んでみたいものです。



 ちなみにこの図は気質の特徴と関係図です。それぞれ横にある気質の影響を受け、向かい側にある気質が現われるとしたら時間差で現われるそうです。前側とか窓側というのは教室で座らせるといい場所を示しています。幼児期には粘液質(エーテル体主導)が一番強く出て、7歳から14歳までは多血質(アストラル体主導)が一番強く出るそうです。

 火の性格 胆汁質 自我主導
 風の性格 多血質 アストラル体主導
 水の性格 粘液質 エーテル体主導
 地の性格 憂鬱質 肉体主導

kisitu.jpg

胆汁質(自我主導)-ジャイアン的
 筋肉質でがっしりとしている人が多い。動作は激しく、はやい。態度や言葉遣いがはっきりしており、愛憎が激しく、怒りやすいが、誠実。 リーダー的な存在 といえば分りやすいかもしれません。

 把握力に優れ、すばやく物事を理解し、 はっきりとした結論を出したがる。決断力に富み、 他人に対し影響力を行使しやすいが、権力的になりやすい 。真剣になり過ぎ、かっとし、血が騒ぎやすい。他人に対して厳しい評価を下しやすい。それは 自我が強いからである 。

 そのため理性を失い、怒りを爆発させて短気で癇癪持ち、 暴力へと流れてしまう欠点がある 。

憂鬱質(肉体主導)-のび太的
 血色はあまりよくなく、小さな字を書く。失望してしまったり、苦悩に陥ったり、非社交的で孤独を好む。多血質と正反対でパーティーに参加したがらないタイプ。

 外に対して一見無関心のようにとても客観的だが、実はとても深刻に考えている。深刻であるためにすぐに失望しやすく、不満を抱いたり苦悩におちいったりしやすい。

探究心が強く、懐疑的であるので注意力が発達している 。独創性に徹しており、想像力が豊か。しかし他方では固定観念にとらわれがちである。芸術家に多いような気がします。

肉体の重みを現実として感じ取っているので、自分自身の限界を感じ、壁を意識してしまう 。

 そのため、人の言葉や行為に傷つき、 全てを否定的にとらえ、悲観的になりがちで、殻に閉じこもってしまいます 。

 目に入るものは苦しみばかりで、いつまでも悩み苦しむことになってしまう。しかし、 自分よりも弱い人、悲しい状況の人がいることを知ると、その人のためになろうとする 。

多血質(アストラル体主導)-スネ夫的
 世の中のあらゆることに関心を持ち、楽しいことが大好きで、 喜怒哀楽、快不快に敏感で活発な感情生活を営む 。社交的で、ユーモアがあって明るい人柄。心配事はすきではない。楽しいことが好きで、すぐいっしょにことをおこなうが、飽きてやめるのも早い。 美的感覚が鋭い。

 思考的には他人の考えをすぐに理解することができ、思いつきも想像力も豊かだが、遊びの要素が多く、徹底的に突き詰める態度には不向き。理解力があり、想像力も豊かだが、熟慮するタイプではなく、簡単に結論を下す。結果、大きな仕事が出来ない。

感情に支配され、絶えず変化する特徴を持っているためこのような気質になる 。

 あまりにこの気質が突出すると、何をしても三日坊主で、仕掛けたことも放り投げてしまうようになり、せわしなく、興味が飛び、とんでもないアイデアに身を任せ精神錯乱的なとっぴな行動をとるようになる。

粘液質(エーテル体主導)-ドラえもん的
 外見的には、太っている人が多い。言葉遣いや態度はゆったりとしていて活気が無く、鈍重な感じがする。歩き方もゆったりとしており、休む事、食べる事、眠ることが好き。そのために太りやすいのでしょう。

 感情的には好き嫌いをあまり、表に現さず、慎重な判断をする。かっとすることが少なくばかげたことはしない。持続力があり、ひとつのことを長く持続して考えることができる。待つことが得意なのでチャンスに恵まれやすく、それを逃さない。

 公正な態度を維持できるが、それが非常に冷淡で残酷な態度ととられてしまうこともある。

 滅多にやる気を起こさず、楽な状態に安住しがち。しかし、非常に意志の力が強く、いったんこうと決めたら多少の障害は問題にせず、最後まで貫く持続力がある。

のんびり、ゆったり、穏やかに過ごすことを好むため。その状態が続きすぎると周囲に対して関心を失い、無関心になっていく。ところが、美味しいものを食べたいという気持ちは衰えることはなく、過食症になる危険がある 。

 そして、ここからはシュタイナー教育における4つの気質のはなしです。

 ここで取り上げたいのは、ヘルムート・エラーの本「4つの気質と個性のしくみ」です。西川隆範編訳「人間の四つの気質」、高橋巌著「シュタイナー教育の四つの気質」と比べると、ヘルムート・エラーの「4つの気質と個性のしくみ」は気質のみに限定されていること、気質の様々な現われ方とその対処例が多いこともあり、最も分りやすい本でした。この本は家庭や幼児教育にとって必要な、四つの気質のバイブルと言ってもいいでしょう。

 ここでは、食べ物、色、算数と四つの気質に関係に関して取り上げてみます。

食べ物と四つの気質

 水の要素を持つ粘液質(エーテル体主導)は、同じく水の要素を持った米を食べると良いそうです。

 多血質(アストラル体主導)はキビです。キビはなかなか食す機会がないでしょう。ものごとに集中することが苦手ですから、糖分を摂るとさらに集中力が散漫になってしまいます。

 憂鬱質(肉体主導)はとうもろこし。砂糖を多めに与えるのが効果的だそうです。

 胆汁質(自我主導)には燕麦(オーツ麦)。エネルギーに満ちあふれた胆汁質には、エネルギーたっぷりの燕麦が合うそうです。

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 字数制限を越えるので次回に続く。





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Last updated  2015年11月16日 16時51分11秒
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