シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2017年02月26日
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カテゴリ: 神秘体験空間
またまた久しぶりに書きたい。

 巷は某ならず者国家の暗殺事件で大騒ぎだが、暗殺というと戦国時代を彷彿とさせるものがあり、戦国絵巻といえば、信長公記が有名だが、私はこの戦国モノは眉唾モノだと踏んでいる。現代でもワンピースが人気で面白いが、やはりそのストーリーの源流を辿ると、三国志に行きつくように思われる。

 三国志の劉備が、信長になったのが大体の信長公記の流れだろう。最近みた「信長協奏曲」がなかなか面白かったのは、個人的に史実だと思い込んでいる八切史観の信長像によく似ていたからである。八切史観での信長像は、英雄というよりも、嫉妬深い普通の人物のように捉えている。

 嫁の奇蝶に頭があがらないが、策略家で、どこかお人好しの面もある、信長協奏曲でいうところの、主人公の未来からきた高校生とその高校生に影武者をやらせ、出奔し、明智光秀を名乗って帰ってきた本物の信長の二人の人物を合わせたような信長像だからである。

 さて、八切史観についてはこれまで何度も紹介してきたので、改めて紹介するのもなんだが、最近、桶狭間の戦いについて、TVでやっていたのをみて、八切史観にはとても及ばない稚拙さを感じたので、桶狭間の戦いについて、八切史観から紐解いて改めて紹介する。

 八切史観では、桶狭間の戦いは、騙し討ちで結果的に奇襲となった見解をとる。今川義元は将軍義輝を軍事で補佐するために、大軍(2万から4万の兵)を率いて京に上洛する際に、信長を臣下に加われと誘って同盟を結ぶ寸前に、大雨が降り、信長は、義元軍の最新兵器の鉄砲隊が使えないとわかると、寝返って義元の首を討ちとった、というのが、それである。

 つまり奇襲というのは後付けで、寝返りである。信長も本能寺で寝返りにあって死ぬのをみれば、自業自得というべきだろう。信長は義元の首をとった後、大雨で使えなくなった鉄砲隊を襲って、鉄砲を大量略奪すると、修理して使い、大量の火薬を海外から輸入するために、南蛮貿易を推奨し、切支丹宣教師を、仏教弾圧に利用する。

 当時の商売の権益全ては朝廷と仏教徒が占有していたので、神道を信仰してきた被差別原住民は、仏教徒を目の敵としてきたので、神主の末裔であるハ田の末裔の小田の信長が、近江に神道の国をつくろうとしたのが、天下統一である。

 戦国時代は、仏教徒と神道徒の身分争いともいえる。信長は身分の低い被差別民を臣下にして、仏教勢力から解放してきたので、いわば奴隷解放運動なので、いまだに人気が高い。だから、秀吉も、家康も卑賎民の出である。何度も改名しているのがその証拠で、お互いを官式名で名乗ったのも卑賎民の身分を隠すためだろう。



 というわけで、文脈が大きく変わるが、前回に引き続いて、シュタイナーの人智学的医術を紹介する。 

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 自然科学-医学研究において、病理学的な現象の根源への帰還とでも名づけたい、真実への探求法が、やはり必要不可欠に思える。近代において、病気の根源である精神=霊性から目を逸らし、物質上の表面で生じている事柄に目を向ける傾向が益々盛んになってきた。

 そして、この事、つまり表面に拘泥し続ける風潮に関連して、今日(1920年)、一般に通用している医学や、病理学の大部分において、疾患型(病気の種類)に関して、調査し始めると、どんな種類の細菌(ウイルス)が、この病気を引き起こすのか、このとき、人体に、何が感染しているのか、ということが教えられる。

 (この教育法は、今日では遺伝子型にそのまま継続されている)。

 さて、この「下等生物に感染する」という命題については、至極単純な論理に基づくので、論破するのは唯物論では容易ではない。つまり、疾患を引き起こす病原菌として、細菌(ウイルス)が発見されるので、この下等生物が、なぜ感染したかの理由を、特に明示する必要がなくなるからである。

 これらの下等生物が様々な疾病に対して特殊な形態をとって出現することも事実なので、この特殊な形態が指摘されて、ある病気と、この特殊な細菌(ウイルス)の形態との関係が示せれば、論理的に矛盾なく、説明できるのは至極もっともにみえる。

 さて、実は以上のように、表面的に全体像を見渡すだけでも、病気の本質、つまり一次的病因から、全く逸れている、という誤謬が露呈してくる。

 というのも、何らかの病気の経過のなかで、肉体の何処かの部位に、多数の細菌(ウイルス)が現われたら、たとえ細菌でなくても、どんな異物でも、病状を引き起こし、炎症を生じさせるのは至極当然だからである。

 さて、病状全てを、この細菌の働きに帰するなら、本質的に、この細菌が行なうことにしか注意を向けないことになる。つまり、本当の病因から、注意が逸れている。

 というのも、下等生物が、その発達に適した土壌を、人体のなかに発見したときは常に、他ならぬ、この適した土壌というものが、本質的な一次的病因として既に作り出されているからである。この一次的病因のある領域に、一度注意を向けてみる必要がある。



 地球を覆っている植物界、すなわち地球の植生全体を観察すれば、地面から宇宙空間に向かって生長するだけでなく、ある力により引っ張られ、つまり、既に述べたことだが、この植生の至る処で、地球から植物内に働いている力と全く同様に、植物の生長の一部となる力が、宇宙空間から働いている事実について、はっきりと理解しなくてはならない。

 地球から植物のなかに働く力と、地球外の宇宙から植物に働く力との間に、絶え間のない相互作用が成立している。

 さて、このような宇宙からの力が、外界の周囲に常在しているわけで、

 では一体、この力とは何なのか?

 宇宙からの力が、地上に100%現われたなら、つまり、宇宙の力が植物を完全に捉えたなら、或はまた、地球の周囲の惑星が、この宇宙の力を妨害することなく、植物を完全に包み込むように配慮したなら、植物は、茎から花や種子へと生長していく際に、動物となる傾向を持つようになるだろう。



 つまり、注意すべきことは、植物には本質的に、塩(鉱物)化の傾向、つまり植物に相応しい物質を沈殿させ、鉱物化する傾向と、その逆の、物質を溶かし、炎症を生じさせる傾向、つまり動物化する傾向があり、その間で、中庸を保っている、という事実である。この事実は、外界の自然のなかの至る処に常在している。

 また、今述べた事実は、人体にもコンパクト化されて常在している。人体は、肺を持つことで、小さな地球をもち、そして植物の、地球からの力と同じように、人体の上部にある肺から、下部に向かって、塩(鉱物)化の傾向を呈する力をもつ。

 この地球の塩(鉱物)化の力、つまり人体では、肺の呼吸と、心臓の働きを通じての新陳代謝全般に対抗(相対)する力は、外の宇宙の力のように、人体では上方に向かって働く(図参照)。

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 さて、人体には不可欠の事実がある。心臓の働きのなかに最終的に集約される人体下部の働き全般と、肺の働きのなかに最終的に集約される人体下部の働き全般とが、分離され、隔てられていなければならない、という事実である。

 心臓と肺の二つの活動は、両者の間に、いわばエーテルとアストラルの横隔膜がなければ、互いに作用してはならない。つまり、この二つの活動は互いに隔てられていなければならない。すると、次のような疑問が浮かぶ。

 「このような非物質性の、人体上部と、人体下部の間を介する横隔膜とは一体何なのか?」

 このような横隔膜は実在し、そして、この横隔膜の実体は、外的には、実は呼吸のリズムとして現れる。この横隔膜は、人体上部と人体下部を相互に調律することで実存している。

 人間の律動(リズム)活動とも呼べる、この横隔膜は、外的には呼吸のリズムとして出現する。

 この呼吸の規則的な振動が、エーテルやアストラルの活動にまで継続され、人体上部の肺に集約されている地の力と、宇宙から地球の中心へと作用し、人体では下から上へと作用し、心臓のなかに集約されている天の力とを、仲介し、互いにわけ隔てている。

 いま考察している規則的なリズムが、適切に働かない場合を想定すると、上下のリズムの衝突が起こり、いま比喩的に用いた、物質でない、いわゆるエーテル、アストラルの横隔膜も乱れる。すると、植物での地(鉱物化)の力に類似した力が促進されて、人体に出現する可能性がある。

 この塩(鉱物)化の地の力が強くなりすぎると、植物は物質に恵まれ、植物のままで居られ硬くなって生長する。すると、植物が地から生長するように、人体内では、エーテルの植物とでも呼べる力が促進され、肺の硬化の誘因となる。つまり、植物での鉱物化の傾向が、人体でも強くなり過ぎ、肺の硬化を誘発することが想定できる。

 塩化(植物)の傾向→肺の硬化(肺の植物化)

 また逆に動物化の傾向が強くなりすぎる場合もある。動物化の傾向が強くなりすぎると、人体上部に、本来あるべきでない下部の活動領域が作り出される。

 動物化の傾向→植物性動物(動物化した植物)の感染  

 この領域に相応しくないエーテルの器官ができてしまい、人体にとっては促進されてはならない、つまり小さな細菌(動物化した植物)の生息に好都合になる。人体上部に、小さな植物性動物の生育にとって好都合な領域が作り出される。だから、これらの植物性動物がどこから来るのかの、興味を持つ必要は全くない。

 興味を持つべきことは、植物性動物に好都合な領域がどのようにして作り出されるのか、という事実である。このような領域が人体にあってはならない。このような領域は、人体では、万遍なく、全体に拡がるように調整しなければならない。特別な領域として生じてはならない。

 この領域が全体に拡がれば、全体の生命を維持するが、特定の小さな領域として機能すれば、人体を病気にし、少なくとも後から、その多くが検出される、小さな植物性動物を生育させる環境となる。

 以上のように、リズム活動と、その障害に遡ることによって、人体全体に拡がらずに、異質の小さな領域を発生させる一次的病因を追求し、細菌が蔓延る謎を解いていく必要がある。しかし、霊的な病因に遡らないと、この謎は解けない。

 地上の植物と同じように、動物や人間にも、地の力と天の力の均衡が生じている。人間や動物にも、植物と同じように、地球外の宇宙からやってきて、体内に影響を与えている地の力に対抗する力が影響を及ぼしている(上図参照、黒色)。

 地球の内部から来る力(地の力)の影響が、人体では上部の器官に制限されているのに対し、宇宙から流れ込んでくる力の影響は、人体では主に下腹部に属する器官に制限されている。更に、上述のように考察した上下2つの活動の間に、隔壁が作り出されねばならない。この正常な分離の制御は脾臓の働きによってなされる。

 (脾臓は人体全体のリズムを司り、霊と物質の割合を調節しているという。) 

 以上のように、人体では正しい均衡を基にしたリズムが機能しているのがわかる。ただし、このリズムは、呼吸のリズムとは狭義の意味でまた別のもので、呼吸のリズムは小さく細やかに振動しながら、全生涯を通じて継続していき、人体上部に病気が発生しないように、規則正しく行われなければならない(短波長高振幅)。

 というのも、下部の消化活動は、上にも下にも拡がっていくので、下部に起因する病気が上部にも起こりうるからである。だから、上下は別のリズムにより区分けされなければならない。

 しかし、人体を、上下に分割された図のように考えてはいけない。上下の器官は、互いに浸透し合い、分割できないからである。とはいえ、地球から来る力のような、人体の上から下への作用と、宇宙から来る力のように、下から上への作用との間には、隔壁が必要である。

 実際、人体上部からくる力を高めることで、下部の力に対抗して均衡を図り、両者の間を調整するリズムが必要となる。だから、覚醒(目覚め)と睡眠(眠り)との間に均等な関係が現れるように、リズムを調整する必要がある。目覚める度毎に、このリズムは、一方に揺れ、眠る度毎に、また、このリズムは他方に揺れる。

 覚醒(目覚め)-睡眠(眠り)のリズムのなかに、もっと小さな別のリズムが生じている。例えば、覚醒時では、人体上部は覚醒しているが、人体下部は眠っているので、別の小さなリズムが生じるが、そのような別のリズムが組み込まれている。

 以上のように、人体の上下の間には、絶え間のない、リズムが見られるが、これらの小さなリズム活動は、目覚め(覚醒)と眠り(睡眠)の交替による、より大きなリズムに捉えられている。

 さて、このようなリズムのなかで上部と下部との間にある障壁が破られる場合を考えてみる。

 そのとき、何が起こるか?

 大抵は、人体上部から下腹部に向かって、上部の活動が侵入するようになる。

 すると、エーテルの突破が起こる。人体上部でのみ活動すべきエーテルが、下腹部に侵入し、突破が起こる。そして、この突破が下腹部に起こることで、下腹部にはあってはならない上部の活動領域ができてしまう。

 このような突破の帰結として、下腹部に中毒、重い下痢の症状が出る。人体上部の活動が、下部に出現すると、下腹部の活動は不規則になる。更に、下腹部に新たな領域として作り出された、本来上部にあるべき活動領域は、多くの場合、動物性植物(植物化した動物)のような下等生物の生息に好都合の環境となる。

 だから、次のような結論に至る。

 「上から下へのエーテルの突破を通じて、腸チフスとなる病因が引き起こされる。」

 その付随現象として、下腹部に特異な領域ができ、チフス菌などに適した生息環境が作り出される。

 以上のように、一次的病因(下部に特異な上部領域ができる)と、その二次的病因(細菌の感染)とを明確に区別でき、次のような結論に至る。

 「疾病の一次的病因(根源的病因)と、多数の動物性植物、もしくは腸内細菌の感染による、特に小腸での炎症(二次的=副次的病因)とを区別すべきである。」

 細菌を含め、物質として小腸などの器官に出現する二次的病因、つまり、動物性-植物が出現する要因は、人体上部の活動が、横隔膜(障壁)を突破し、下部にまで侵入した一次的病因の結果に付随した反応なのである。

 これら二次的(副次的)病因は、一次的病因の結果として生じる現象である。従って、二次的(副次的)病因に向かうのではなく、一次的病因に向かうことにより、治療法を探すのが重要となる。治療法については、後ほど、もう少し述べていきたい。

 というのも、治療法を語るには、エーテルの横隔膜にまで、病因を追跡できなくてはいけないからである。今日(1920年)一般に通用する医学では、ほとんど不可能で、というのも、このような医学では、物質から霊に移り変わる過程についての観察を排除しているからである。

 しかし、あらゆる物質の根底には霊が存在する。上述の議論に注目すれば、腸チフスの病因も容易に理解できる。ただ考慮に入れるべきことは、この病気は、肺のカタル性の症状、更には意識障害とも結びつくことが非常に多い、ということである。

 肺のカタル性の症状とは、上部の働きが、下部にまで侵出し、下部で、上部の働きが生じてしまい、上部から、その働きが奪われるのに起因する。上から下へのエーテルの突破が起こると、下部で生じる働きが、もはや上部で行われなくなる。

 同様に、上部での意識伝達も、下部への突破が起こり、下部で意識伝達が生じてしまうと、その活動を、もはや上部で正常に行えなくなる。だから、一次的病因に注目すれば、腸チフスの全体像が理解できる。

 通常、外見からは補完関係にみえない特徴が、一次的病因の関係から、結びつく過程が描き出せるようになる。勿論、場合によっては、その結びつきが、意識下(潜在意識上)で強力に働き、肉体に現れる前に、いわばその予兆や警告として表出したい、という意欲が現れる場合もある。

 すると、上部で行われなくなった働きを、補完しようとして、壁に青い斑点で何かを描こう、という意欲が現れることがある。例えば、芸術家になる使命が自分にあると感じてはいるが、絵画の技術を、あまり学んでいない人物の体内を、次のように霊的に理解できる。

 このような人物が、下腹部に絶えず現れようとする病状を抑えられるほど十分に(エーテル体が)強靭で頑健であるなら、下腹部に病気を発症する代わりに、壁に斑点で絵画を描こうとするだろう。このような人物が描く表現主義の絵画のなかに、一次的病因の産物を見つけることができる。

 このような事実から、多くの赤や黄の色彩で表現する、表現主義の絵画を描く人の下腹部に病因を探したり、また青紫色の色彩で表現する人の人体上部や肺に病因を探したり、もしくは詩句を頻繁につくる人の肺から頭に至る器官などに病因を探したりできる。

 上述のような霊的な洞察力(神通力)を獲得していくと、外への行為全般と、体内の活動全般との間に、不思議な一致を発見できるようになるだろう。絵画の描き方から、体内の機能不全などを霊的に洞察できるようになるだろう。

 (体内に上下を仕切る壁=横隔膜が欲しい代わりに、外の壁に向かって絵画を描く)

 というのも、外界での人間の活動全てが、実際、神経だけで成立している、と信じるのは全くの間違いだからである。

 人間の行為全般は人体全般に関わっている。絵画は、人体そのままの投影像なのである。

 だから、子供のときに描いた絵画から、この知性の持ち主が、元々どういう性質なのか(どういうエーテル体をもつのか)、どのように後の年齢に向かって成長していくのか(どのようにエーテル体を完成させていくのか)、というような人物像=人体構造を、霊的に直観視できる。

 (例えば、男の子が、乗り物やロボットなど機械の絵を立体的に描く傾向にあるのは、地の力の鉱物化の傾向で、肉体を完成させたい、という意欲の表れといえる。対照的に、女の子が、人間や動物や花など生物の絵を平面的に描く傾向にあるのは、天の力の動物化の傾向で、精神を完成させたいという意欲の表れといえる。だから、同じ年齢なら、女の子の方がマセている。)

 例えば、前世でのあらゆる障害を、来世での発育不良として引き継ぐ運命を選んだ人は、エーテル体の作用がなかなか人体上部にまで届きにくい為に、ぎごちなく、重々しく歩く、という動作が、幼年期に示されることがあるが、このような例を霊視すれば直観できる。

 子供が比較的軽やかに歩くのか、それとも重々しく歩くのか、という歩き方から、子供の成長についてのイメージが思い浮かべられる。同様の数多くの現象から、歩き方や仕草全般は、その人の体内の活動がそのまま外への運動として現われたものに他ならない、という事実が探究できる。

 医学研究のなかに、以上のような事実が受け容れられるのが望まれる。というのも、このような事実を受け入れるのにそれだけの能力が必要だからである。

 二十代はじめの若者なら、能力開発の余地があり、大きな機会が与えられれば能力を獲得できる。三十代に達すると、開発の余地を失ってしまう。一度失うと、もはや、この能力を開発するのは容易ではない。

 このような霊的洞察力(神通力)を獲得するには、究めて強力に自己教育、自己修練しなければならない。また、現代の中等教育、とりわけ高等教育の破壊的な調教(強制)にも関わらず、子供のときから、天性の素質により、維持されてきたイメージ力のなかへと回帰することで、霊的な直観力へと、自らを修練していくこともできる。

 医学研究において、物質よりも微細な、つまり霊的な解剖学及び生理学に正しい価値が置かれるようになれば、人類全体の治療の、非常に大きな助けとなるだろう。

 以上に述べたような一次的病因が存在するので、流行性の疾病でも、一次的病因に従って観察しなければならない。というのも、例えば、呼吸が粗く、不規則なリズムをもつ人は、頭部-胸部のリズムに支障をきたしやすい傾向を持ち、気象などの影響を非常に受けやすい、という素質が見られるからである。

 呼吸が健全に調整されている人は、気象などの影響に対して抵抗がなされる。例えば、いま冬の天体配置、つまり太陽の影響が、火星、木星、土星という外惑星を通じて強い場合を考えてみる。

 このような冬の星位は、太陽から火星、木星、土星が遠く離れていることで、太陽の直接の影響が特に強いのとは逆の働きをする。このような冬の星位では、呼吸のリズムが粗い人の場合、気象や天体の影響を受け易く、粗い呼吸に対して強い影響が及ぼされる。

 体内のリズム調節が行き届き、健全な横隔膜をもち、呼吸のリズムが規則正しい人は、このような星位によって、逆に、リズムの規則正しさが強められる。呼吸のリズムに揺らぎがなく、頑強な人は、外見的には細身の可能性がある。このような人は、呼吸のリズムが常に規則正しく、更にそれに応じて頭部-胸部の人体上部のリズム全般が規則正しく調整される。

 このような規則正しい呼吸のリズムにより精神が安定した人は、外力によって、容易に妨害されることはない。このリズムを妨害するには、非常に強力な攻撃が必要とされる。

 しかし、呼吸のリズムが不規則な人には、いま説明したような影響が究めて強力(相乗的)に影響する。

 不規則なリズムは、その不規則さが強調され、更に不規則になる傾向を持つので、呼吸が不規則な人が、上述した星位が特に影響する場所に住むと、例えばインフルエンザなどの流感に罹る候補者となる。インフルエンザなどの流感の第一病因を探求するなら、このような事実を是非考慮に入れるべきである。

 このような事実とは別に更に複雑な事実がある。人体のリズム(律動的)活動は、大凡、次のような状態にある。

 「体内の個々のリズムいずれもが自立してつくられ、その振動を持続(継続)している。呼吸活動から、外来の粗い物質性のリズムを獲得するのもあり、更に睡眠(眠り)と覚醒(目覚め)のリズムに影響されるのもあり、これら様々なリズム全てが互いに影響しあって一体となり、全体として統一されている。」

 そして、人体上部のリズム、つまり頭部-胸部のリズムが弱くなることで、下部のリズムが相対的に強く働く、という場合も生じ得る。上部のリズムが弱くなりすぎる場合、つまり規則正しい状態から逸脱する場合、この上部のリズムは下部のリズムにより、更に不規則にさせられる傾向を持つようになる。

 そして、その場合、脾臓などの活動から発する下部のリズムが上へと強力に作用するようになっていき、様々な併発(合併)症状を伴うような、上部にあってはならない消化活動の肥大が引き起こされる。

 そしてまた、ある下等生物の生息条件に適した環境が作り出される。このような生物が出現する背景には、人体上部に、炎症や麻痺を誘発させる下部の働きの侵入がある。しかも、上部のなかに器官の奇形化や腫瘍形成の発端すら示される場合もある(ジフテリアの病像)。

 これは、上から下へと起こるチフス症の突破とは逆に、下から上への突破とでも呼べる病像で、本質的には、上述したような不規則なリズムによって引き起こされる。

 勿論、以上全てに、年齢を考慮に入れなければならない。幼年期の人体は、(エーテル体もアストラル体も未完成なので)人体上部と下部の完全な共同作業でつくられるが、つまり、上下を媒介するリズム(律動)活動が、後の年齢とは全く異なるのを考慮すべきである。

 例えば、幼年期には、人体下部に対して、上部の影響が強く及ぼされる必要がある。

 実際、子供は大人よりも、「思考する」。奇妙に聞こえるが、これは事実である。ただ、子供の思考は意識されず、人体のなかに入り込み、その発達や形状のなかに現われる。特に幼少期には、思考力が肉体をつくるのに用いられる割合が非常に高い。肉体がほぼ完成に達し、思考力をそれほど用いる必要がなくなると、肉体づくりの代わりに、記憶力の基礎となる。

 従って、記憶力は、肉体づくりがほぼ完成してから、はじめて現われてくる。というのも、記憶力の基礎は、肉体づくりの器官形成力から作り替えられたもので、幼少期では、器官などの肉体づくりに特に多く用いられるからである。

 根本的に、全ては霊による変容の原理(メタモルファーゼ)に基づいている。霊が眼の前に現れるには、物質性をまとい、物質として作用しなければならず、その物質性を放出すれば、また元のように霊になるだけなのである。だから、子供では、下腹部などで生じるリズムに対して、上部の強い抵抗力が必要なのが納得できるだろう。

 下腹部には特に、天の力、つまり地球外の力が現われるので、次のようなことを考慮に入れる必要がある。

 「惑星と太陽の配置による特殊な星位があり、地球外(天)の力として、下腹部に特に強く影響する。」

 その結果どうなるか?

 人体上部と下部との間のリズム(律動的)活動が安定している大人には、この星位はほとんど影響しないが、子供の場合、宇宙(天)の力が、下腹部に強く影響するので、上部に強い抵抗力が生じなければならない。

 つまり、この特殊な星位によって、子供の下腹部が非常に強く刺激されると、上部は究めて強く抵抗せざるを得なくなる。だから、その特殊な星位により、本来は強く抵抗すべきでない上部の力が、不自然に強く抵抗することで、流行性の脳脊髄膜炎を引き起こす。

 従って、以上のことから、外にある自然から、どのような力が、人体に作用しているのか、がわかる。直観力の背後にある霊眼も獲得できれば、頚筋の強張りに至るまでの髄膜炎の全体像を描ける。というのも、子供では、人体上部に、極度の緊張が起こることで、上部の器官、つまり脊髄膜や脳に炎症が生じ、更に、他の症状も引き起こすようになるからである。

 以上の事実から、人体内での一次的な相互作用について、更に、人体内と、地球外も含めて外にある自然との相互作用について、これまでのように人間を総合的に見ることが必要不可欠であることがわかる。

 以上のように明らかになった多くの事実関係から、非常に馬鹿げた星占いなどが増加してほしいなどとは勿論、全く望んではいないが、星占いなどの由来がわかるのには十分だろう。そして、また治療法を探すのに、以上のような事実関係が、どれほど必要不可欠か、がわかるだろう。

 というのも、矩象(九十度座相)の星位が、人間にどのような影響を与えるか、といったような星占いは、治療にはほとんど役に立たないからである。このような占術の類は、場合によっては、宇宙からの力を診断するのには役に立つかもしれないが、重要なのは診断ではなく、人体の治療である。

 それで、今回行なった観察から、次回は外の自然のなかにある物質、つまり、上述のような人体に影響する力に対して、抵抗する人体内の作用や物質となる力の観察に進んでいきたい。

 ともかく、この点に関して、医学のなかに、上述したような人体上部と下部という認識が、もっと広まるのが是非とも必要である。というのも、健康への関心について、医師たちの共同作業が生まれるのは、このような認識にはじまると思うからである。医師が臓器別などに専門化すると、人体全体への関心を失う。

 医師は専門化すべきではないなどと言いたいのでは毛頭なく、時代と共に様々な技術が出現し、専門化するのは仕方がないことである。けれども、専門化していく医師たちの相互の共同作業や共同社会もまた、更に一層活発になる必要がある、と述べたい。

 上述の認識は、聴講者の質問にもあった、歯槽膿漏、つまり歯茎の化膿を考察するときにも明らかになってくる。歯槽膿漏が起こるのは、一般の人が信じているような歯周辺のみの局部を扱うだけでなく、少なくとも人体全体、つまり全体のバランスの悪さが、歯の周辺に局所的に出現しているわけで、そういった全体像を把握できなくてはならない。

 例えば、この病気に早く気づいた歯科医が、別の医師に、例えば、次のように配慮し、慣例になればよいだろう。

 「歯の化膿が起こっているので、糖尿病に注意してほしい。」

 というのも、以前、大まかに特徴を述べた糖尿病というのは、その病因が人体上部にとどまっている限りは治療し易く、つまり歯槽膿漏の段階では治療し易いからである。

 人体下部の働きが上部にまで波及し、肥大か、不都合な貧弱化か、が上部か、下部に起こる、というような、下部と上部の相互作用が考慮されることは滅多にない。炎症が、人体上部に現われるか、下部に現れるかで、全く正反対の病気の兆候が現われるので、上下間の相互作用は究めて重要である。

 従って、次の事実にも、納得がいくだろう、

 「人体の成長力を司っているエーテル体は、幼年期と、老年期とでは全く正反対に働く。」

 幼年期には、エーテル体は、物質(肉)体のなかに入り込まなくてはならない。エーテル体は、いわば働きの足場となる器官(臓器)を持たなくてはならない。エーテル体が物質体に作用する足場を持つのは、特に胎児には必要不可欠である。

 このような事実から、幼少期に、足場となる器官がつくられるだけでなく同時に、物質体に見合った形を与える彫塑力を育てなくてはならず、この彫塑力の土台となる器官が幼少期に必要不可欠となる。

 従って、例えば胸腺のような、また、ある年齢までは甲状腺もだが、このような器官が幼少期の人体には必要不可欠なのである。これらの器官は幼児期に、その最大の課題(エーテル体を物質体に注ぐ)を果たし、その後、物質力にあまりに強く捉えられるようになると、退化しながら変成していく。

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 幼年期の人体、つまり物質体には化学力(エネルギー)が必要不可欠だが、その後、この化学力は、熱力に交替していく。

 人間は、生涯を通じて、光のスペクトルに象徴化されるような七色の力、つまり、紫と青に象徴される化学力と、緑と黄に象徴される光力と、赤に象徴される熱力とからなる力を、色彩は単なる象徴でしかないが、獲得していかなければならない。

 人間は、本質的に、上述のような七色の力を獲得し、展開していく(上図参照)。幼年期には化学力を基にした活動に頼ることが多く、その後、光力の活動へ、更に熱力の活動へと移行していく。エーテル体が、物質(肉)体で、その化学力の展開を可能にする器官は、甲状腺、胸腺、副腎のような腺なのである。

 これらの(腺)器官は、各々の目的をもって、化学力と結びつくので、物質体の肉色(肉のような紅色)は、これらの器官の背後にあるエーテルの活動との密接な関係を暗示している。副腎には、例えば人体を青白くしたり、血色を良くしたりなどといった働きがある。副腎が退化すると、そのことが皮膚の色合いに現われてくる。

 副腎の退化による、いわゆるアジソン病(1)に罹ると褐色になるが、この事実を思い出せば、上述のような関係の根底まで見通せる。これらの器官は、人体内の化学現象を示唆している。

 化学力は特に胎児にとって重要だが、また光力は、大体14歳以上の若者にとって重要な課題となってくる。更に、年齢が進むにつれて、熱力が重要な課題となる活動が盛んに現れるようになる。

(1)アジソン病: 1855年、イギリスの病理学者トーマス・アジソン発見の、副腎機能減退による内分泌疾患。心身の甚だしい倦怠感、血圧下降などを伴い、皮膚や粘膜が黒褐色となる。

 以上のような事実には、人生についての極めて重要なヒントがある。つまり、次のような結論に至る。

 「人生のはじめの幼年期には、特に胎児は、過剰な塩プロセスを示し、中年期には、水銀プロセスを示し、年齢が進んだ高齢期には、硫黄、もしくは燐プロセスを示すので、それぞれ、そのプロセスに注意を払い、適切に調整しなくてはならない。」

 人体も、このような三重性のバランス、つまり化学、光、熱と、そして、塩プロセス、水銀プロセス、硫黄プロセスから成ることに注目すれば、これらの三重性が共鳴しながら、バランスをとって、いかに生命体をつくり、人体を成り立たせているかを、はっきりとイメージできるようになる。

 栄養摂取だけでなく、人間の行為全般に対して、子供のときには化学力が、物質体の隅々にまで介入し、若者のときには、光力が介入し、あまりにも強いと、魂による人体の障害を後に引き起こす可能性も生じる。

 また青少年期には、外界の印象に最も敏感になる。この年代に、無秩序な世界に向き合うか、秩序だった世界に向き合うか、ということが、魂にとって、後の人生に大きな意味を持つ。これらや、特に今回述べた病理学上の事実については、次回にもう一度述べる、それから更に治療上の事実に移る。

1-18

 シリカが地上に現れる(地殻の)活動から、人体の(エーテルの)活動が連想できる。人体下部の活動が上部にまで達すると、体内をごちゃ混ぜにし、混沌とさせ、逆に人体上部の活動が下部にまで達すると、体内を区分けし、秩序づけ、器官全般を強く統制し、雁字搦めにする。

 だから、人体内には、下から上への混沌、つまり自由な流れがある一方で、上から下への秩序づけ、つまり様々な器官への区分けや分化の流れが他方にあり、個人の人体が、この2つの大きな流れから、どうやって不規則になりえるのか、というような霊的な直観を身につければ、何らかの異常があるとき、この直観に従って、治療する術を学んでいける。

 このような事は、次回以降も述べていくが、ただし、この直観に従った診察は究めて慎重でなければならない。というのも、外(唯物)的な科学が、人体を調べるときにすることは、例えば、次のようなことだからである。

 「人体の中にはシリカがある。人体の中にはフッ素がある。人体の中にはマグネシウムがある。人体の中にはカルシウムがある。」

 つまり、外(唯物)的な科学は、シリカについて、シリカは毛髪の中にある。シリカは血液と尿の中にある、などと言う。なので、この2つのシリカ、つまり毛髪中のものと、尿中のもの、との違いを次回に取り上げてみる。





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Last updated  2017年02月26日 21時10分56秒
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