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ここ数年、企業による合併話がやたらと多い。少しでも世間から離れていようものなら、あっという間に名前が変わっている会社もある。しかも最近では揺らぐことがないと思われていた大企業までもが合併の渦に巻き込まれている。だが、個人の嗜好の多様化によって多くの企業が生き残りをかけた競争に晒されており、自然界の弱肉強食を見るまでもなく致し方ないことなのかもしれない。サッカー界においては経営苦が話題になることはあっても、合併まで行き着くことは前例こそあれどほとんどない。だが、無関係に見える企業の合併も、場合によってはサッカー界に影響を与えることもある。オランダの名門であるアヤックスの胸スポンサーが、来シーズンから変わるそうだ。新たなスポンサーはオランダに拠点を構える世界有数の保険会社エイゴンで、スポンサー料は年16~19億円といわれている。アヤックスの胸スポンサーと言えば、縦に書かれた「ABN・AMRO」が有名である。正確には分からないが、チャンピオンズリーグを制した95年にはそうだったから、少なくとも12年以上も関係が続いていた。そもそもABN・AMROとはオランダにあるABN・アムロ銀行のことなのだが、このたびフォルティス、バンコ・サンタンデール、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの3銀行によって買収が成立した。これによってABN・AMROの名前は消えることになり、自動的にスポンサー契約も続行することが出来なくなってしまったのだ。とはいえフォルティスがアヤックスのライバルでもあるフェイエノールトの胸スポンサーであることからも、名前が残っていたところで契約を続行することは出来なかっただろう。ちなみに余談だが、3銀行が買収する前にはイギリスのバークレイズ銀行との合併話も決まりかけていたのだが、バークレイズ銀行はイングランド・プレミアリーグのリーグスポンサーである。リーグではないが、イングランド代表のユニフォームを供給しているのはアンブロだが、このたびナイキに約670億円で買収されることが決まった。イングランド代表のほかにもプレミア6クラブにガンバ大阪など、世界で100以上のチームにユニフォームを供給しているアンブロだが、サッカー界におけるマーケット拡充を図るべく、またライバルのアディダスがリーボックを買収したことへの危機感もあってナイキの標的になってしまった。ABN・AMROとは違い、アンブロというブランド名は残したままということなので名前が消えることはないのだが、少なくとも確かな功績をサッカー界に残したブランドだけに、一頭体制ではなくどこかの傘下に治まることに寂しさを感じずにはいられない。今後も世界全体が好況に転じない限りは、このような企業合併の話は進んでいくだろう。そしてサッカー人気が凋落しない限りは、企業による進出も後を絶たないだろう。ただ思うのは、ビジネスとしてだけでサッカーを見るのではなくサッカー界全体の未来を見据えた進出や投資であることを祈りつつ、今後もサッカーというスポーツが“強い”スポーツであることを願いたい。ほな、また。
2007.10.29
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突然だが、皆さんはバルセロナが好きだろうか。ここでいうバルセロナはもちろん“街”としてではなく、“サッカークラブ”を意味するのだが、少なくとも「嫌いだ」という人の方が少ないのではないだろうか。かつてのレジェンドでもあり、「美しく勝利せよ」の著書も残すヨハン・クライフの意志がしっかりと受け継がれているバルセロナのスタイルを否定的に見る人間など、おそらくはいないだろう。「攻撃偏重」だの「バランスが悪い」だの意見はあるだろうが、それは勝負を重要視した場合のことであって、純粋にスタイルの1つとして見るバルセロナは多くの好感を持たれているように思う。だが、監督ライカールトを好きか、と問われれば結果は違ったものになるのではないだろうか。個人的な意見を先に言えば、ぼくは嫌いだ。いや、好きではないの方が正しいか。確かに彼は就任後、リーグ2連覇にチャンピオンズリーグ制覇も成し遂げた。結果を残したのだから賞賛されて叱るべきだろう。だが、タイトル以外に彼がクラブに何を残したと言えるだろう。それこそクライフ時代から受け継がれているフォーメーションに、クラブが獲得した選手を当てはめただけの仕事しか、彼はしていないのではないだろうか。例えば能力のある監督なら、チームがピンチに陥った時は的を得た選手交代で流れを引き戻したりする。彼の交代でリズムが劇的に変わった試合など過去あっただろうか。正確には過去何度かあった。だがそれはテン・カテがアシスタントを務めていた時代であって、ニースケンスが後任に就いてからはほぼ皆無である。テン・カテがライカールトと選手の橋渡し役を見事に務め上げ、アメのライカールトに対しテン・カテがムチをふるうことで役割分担もしっかりとしていたことがリーグとチャンピオンズリーグのダブルの大きな要因だったように思う。だがニースケンス就任以後はビッグタイトルの獲得はなく、それまでは1枚岩に見えたクラブに亀裂が露になってきている。例えばエトーのチームメイト批判問題、例えばロナウジーニョの夜遊び問題である。仮にテン・カテがクラブに残っていれば、このような問題は起こっていたであろうか。良くも悪くもテン・カテはテン・カテであり、ニースケンスはニースケンスなのである。ということは通じて監督の座に収まっているライカールトの選手管理能力を問われても仕方のないところであり、責任の多くはライカールトにあるのではないだろうか。先週末に行われたビジャレアル戦を1対3で落としたバルセロナ。ライカールトは試合後にコメントを残しているのだが、これまた自身の能力の低さを示す内容だった。「今夜はディフェンス面がチームとして機能していなかった。 言い訳は好まないが、現実問題として我々はここ2週間、 チームとして練習出来なかった」この前週にはユーロ予選が行われていたため、代表選手を数多く抱える我々には練習が不足していた、だから負けたのだとでも言いたげである。だが同週に行われたエスパニョール戦で1対2の敗戦を喫したライバルのレアル・シュスター監督は、「代表戦が悪影響を及ぼしたとは思わないし、 負けた言い訳には出来ない」と自らの敗戦を素直に認めている。両者とも腹の底では代表戦の影響を考えているであろうが、ビッグクラブゆえの日程であると受け止める広い心と狭い心の差が端的に表れているのではないだろうか。選手時代は別にして、監督ライカールトもまた負けず嫌いな面があるのだろう。勝負の世界に身を置くものとしては必須ではあるが、劣勢を跳ね返す独自の策を持つわけでもなく、相手を褒め称える潔さも見出せない限り、ぼくは彼を好きにはなれない。ほな、また。
2007.10.28
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亀田興毅の謝罪会見を見た。あらかじめ用意された文章ではなく、自らの言葉で語られた言葉には情が入っていたように思う。今後は父親から離れ、亀田家長男ではなく1人の亀田興毅として1本立ちしなければならない。だが個人的には3兄弟の中でも実力は1番だと思うし、裏工作などなくても世界を狙えるだけのモノは持っていると思う。これまではパフォーマンスばかりがクローズアップされ嫌悪感さえ抱いていたが、今後に期待を抱かせるような会見だった。前置きは長くなったが、このような親子のことを心理学では「父子密着」というらしい。そしてサッカー界にも「父子密着」の終わりを告げている選手がいる。少し前、ドログバがフランスの新聞のインタビューに答え、チェルシーを退団したいと語った。その後すぐにクラブの公式HPで謝罪ならびに否定のコメントを出していたが、これは騒動を静めるための措置であり、ドログバの本心は退団に傾いていることだろう。ドログバが前監督モウリーニョを慕っていたのは事実であり、ドログバをチェルシーに誘ったのもモウリーニョである。モウリーニョが周囲の批判に晒されていたとき、真っ先に擁護したのがドログバであり、周囲を見返す結果を残したのもドログバだった。だがインタビューにも答えていたように、「何が起こり、誰がモウリーニョを辞めさせたのか誰もが知った今、大きな打撃を受けた」と父のように慕っていたモウリーニョがクラブから去った原因がクラブ内にあると分かったことで、モウリーニョだけでなく自分さえも裏切られたという思いが芽生えたのだろう。決してチェルシーというクラブを愛していたのではなく、モウリーニョを、そしてモウリーニョが率いるチェルシーというクラブとそのファンを、ドログバは愛していたのである。最近、ドログバはバラックに対してもコメントを出しており、「バラックはチェルシーに向いていない。 ユナイテッドやアーセナルに行っていたら、もっと楽な時間を過ごせただろう。 バランスではなく個の能力に頼ったチェルシーには適していない」とあまりにも単刀直入にバラックを、そしてチーム戦術さえも批判している。確かに昨シーズンあたりからドログバの個人技に頼るところの大きかったチェルシーではあるが、モウリーニョのいた昨シーズンなら絶対口を突かない言葉だったであろう。モウリーニョが去ったことで、ドログバにも親離れの時間がやってきた。それが来年の1月なのか6月なのかは分からないが、いずれにしろチェルシーを離れる日は2,3年後ではないだろう。だが現在もチェルシーに所属している以上、チームの和を乱すような発言や行動は慎まなければならない。たとえ移籍を果たしたとしても、移籍先にモウリーニョがいるとも限らず、同じ問題を起こす可能性もある。ドログバももう少し“大人”になる必要がある。ほな、また。
2007.10.27
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来年行われる北京オリンピック出場を賭けたアジア予選において、日本代表が窮地に立たされた。先日行われたアウェイのカタール戦、先制しながら追いつかれ、後半ロスタイムに逆転を許し敗戦を喫してしまった。これにより日本はカタールと同勝点ながら2位に転落し、グループ首位のみが通過できる本選への自力突破の可能性が消滅してしまった。残るベトナム、サウジアラビアとの2連戦でまずは連勝することが最低条件だが、川淵キャプテンを中心とした協会関係者だけでなく、オシムまでもが全面バックアップを表明している。反町監督と選手にはそれらの思いを十二分に感じ取ってもらって、来月の2連戦に臨んでもらいたい。曇りのち・・・快晴をもたらしたワンダーボーイ北京に臨む日本代表同様、来年のユーロを目指すイングランドも窮地に立たされてしまった。日本がカタールに逆転負けを喫した同じ日、アウェイのロシア戦に臨んだイングランドは、前半オーウェンのパスを受けたルーニーがボレーで叩き込み先制点を奪う。だが後半、そのルーニーがPKを与えてしまい、これをパブリュチェンコが落ち着いて決め同点に。さらに4分後にもパブリュチェンコがミドルシュートを決め逆転に成功する。試合はそのまま2対1でロシアが勝利を収めた。結果順位の変動こそないものの両者の勝点差は2に縮まり、試合消化数の関係からイングランドの自力での予選突破の可能性はなくなってしまった。今回のロシア戦に勝てば予選突破が決まるという大一番の前に、マクラーレン監督はこうコメントしていた。「ロシアは勝たなければならないプレッシャーにさらされているはずだ。 この試合は重要な意味を持つ。 選手達も何をすればいいか分かっているはずだ」その言葉通りに前半はイングランドのペースで試合は進んだ。先制点も奪った。だが、大舞台の経験ではヒディングの方に一日の長があった。後半開始と同時に中盤を厚くする選手交代を行いペースを引き戻す。そしてPKで同点に追いつき、イングランドの混乱が冷め切らないうちに逆転に成功する。マクラーレンは3人同時交代というギャンブルに出たが結果は出ずじまいに。イングランドの残り試合は、既に予選突破を決めている首位クロアチアとのホーム戦のみ。一方のロシアは共にアウェーのイスラエル、アンドラ戦を残している。イングランドが予選を突破するにはクロアチア戦の勝利が絶対条件。その上でロシアが1勝1分以下の成績を残す必要がある。逆に考えればロシアが2連勝しなければいいのだが、それでもクロアチア戦に勝利しての話である。試合前は相手にかかっていたプレッシャーが、90分後にはそれが自身に乗り移ってしまうとはマクラーレンも思いもよらなかっただろう。しかもクロアチア戦はDFファーディナンドと先制点を挙げたルーニーが出場停止と、まさに崖っぷちに立たされたイングランド代表。それでもマクラーレンは試合後、こう言った。「我々は試合を支配していたが、結果的に負けてしまった。 自力突破の可能性はなくなったが、予選はまだ終わっていない」諦めたら、そこで試合終了である。ほな、また。
2007.10.19
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長居に日本代表戦を見に行ってきた。結果はご存知の通り、4対1と日本がエジプト相手に勝利を収めた。特にアジアカップ以降は、日本代表について何度か批評してきたが、今回も出来るだけ客観的に見るようにしようと思っていた。だがそれは無理だった。完全ホームの客席にいれば、誰だって我を忘れるのではないだろうか。しかも神戸の大久保が2点、実は同じ誕生日の前田とガンバの加地がそれぞれ1点の計4点も叩き出してくれたのだから。前田は個人的親近感だが、大久保と加地は同じ関西圏のクラブに所属しているとあって、ぼくの周囲の反応も尋常ではなかった。これまで何度かクラブの試合には足を運んだことがあるのだが、実は代表戦はこれが初めてだった。だからこれまでとは違う声援だったのだろうとふと思った。だが裏を返せば、日本代表という栄誉もそれだけ重いものであるということを改めて再認識させられた。さて試合のほうだが、4得点を決めたことに間違いはないが、それ以上入っていてもおかしくない展開だった。前半はほぼ圧倒的に日本のペースで進んでいたし、前田などは1対1のチャンスを潰してもいた。主に左サイドからの攻撃が多かったが、駒野と山岸の連携は良かったのではないだろうか。ただ最後のところで1呼吸遅くなって相手に詰められたり、クロスの精度が良くなかったりしていた。駒野のそれは相変わらずだが、山岸がもっと絡んでくるようになれば違った展開にもなっていただろう。また山岸以前に国内組でこのポジションを任せることの出来る選手を探す必要があるのではとも思った。海外から俊輔を呼べば遠藤がそのポジションに就くのだろうが、あるいは松井も呼んで海外組で十分なのかもしれないが、国内組に最低1人バックアップがほしいポジションのような気がしている。今回の4得点のうち3つまでを先発FWで決めた。高原は当確として、残りの1枠が今回の試合でサバイバルになったように思う。個人的には今回の大久保や田中達也のような選手が推したいが、オシムが寵愛する巻に、佐藤、矢野、今回は出場しなかったが播戸も控えている。それぞれにタイプが違うだけに評価の比較は難しい。また高原がタイプにこだわらない選手なので、どのユニットがより威力を発揮することが出来るのか。オシムにとっては嬉しい誤算だったのではないだろうか。後半に入ると、エジプトも徐々にカウンターから巻き返してきた。今回の来日メンバーに欧州組は不参加だったので、試合を見るまでは個人的に若干なめていたのは事実だ。だが彼らはテクニックに優れ、キープ力やスピードもあり、組織的な攻撃を披露していたように感じた。だがアフリカの宿命なのか、まだまだ組織の完成度の面で日本に遠く及ばず、個人技が逆に浮き彫りになってしまっていた。だが組織プレーの重要性を理解しており、よりテクニックに優れた欧州組も含めたベストメンバーが仮に来日していれば、当然今回のような大差にはならなかったのではないだろうか。そう思うと、今回のエジプトをアジアカップでのサウジアラビアに当てはめることは出来ないだろうか。あの時は個人技とスピードに完全にやられてしまった。だが今回はセットプレーからの失点が1あるとはいえ、それ以外の場面では(何度かピンチはあったものの)よく押さえていたほうだろう。中澤の体を張ったディフェンス、鈴木のカバーリングなどは目を見張るものがあった。それでも主にカウンターを喰らった際、止めにいくのか仲間の帰りを待つのかの判断や意思統一が個々でバラバラだった。言い方は悪いが、このレベルでこれほどのピンチを迎えれば、より上のレベルでは明らかに確実に決めてくるだろう。今回はトゥーリオではなく阿部が中澤とコンビを組んだが、やはり阿部では心もとない部分がある。CBは中澤とトゥーリオに任せるのが無難であり、自然だろう。興奮状態の中で感じたことを列記したまでなので、冷静に見れば違ったことを思うかもしれないし、見当違いのことを書いているかもしれない。だが、やはりスタジアムに行かなければ味わえない部分も多々あった。それは皆さんが実際にスタジアムに足を運んで味わっていただきたい。ほな、また。
2007.10.17
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負けるな、クラスニッチ腎臓移植手術を行ったブレーメン所属のクロアチア代表FWクラスニッチが、先日トップチームの練習に復帰したようだ。「少しも痛みはないし、何の問題もないよ。 監督に言われればプレーする準備は出来ている。 復帰してプレーすることが、僕の夢だったからね」リーグでは現在3位とまずまずのポジションながら、怪我人が続出しているブレーメン。チャンピオンズリーグでは2試合が終わった段階とはいえ、勝点ゼロの最下位と低迷している。病気の重さゆえ、無理な、そして過度な期待は禁物であるが、チームにとっては何よりなニュースである。adios7210は、クラスニッチを応援します。ほな、また。
2007.10.13
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サッカー界の更なる発展を目指し日々邁進する、FIFAブラッター会長。そんな会長が今回提案した改革案は、クラブの先発メンバーに占める外国人選手数の制限。具体的には、各クラブの先発メンバーにその国出身の選手を6人以上入れなければならないようにしようというものである。サッカーの先発メンバーは11人であるから、つまるところ半数以上はその国の選手で構成し、若手選手の育成に努めようではないかという裏があるのだろう。これまでも何度か議論の対象になってきた1つでもある、この外国籍選手に関する問題。一番のネックになっているのは、EU(欧州連合)が、EUに属する労働者に対して移住の自由を認めており、サッカー選手も労働者として扱われている点である。1995年のボスマン判決以降、EU所属国のパスポートを持っている選手は移籍の自由を認められ、契約が切れた選手の移籍には移籍金がかからなくなった。またEU所属国なら違う国でも外国人扱いを受けず、各国が設ける外国人枠の対象外になったことで、極端なクラブなどは先発メンバーに自国選手が1人もいないということにまでなってしまった。ぼくがこのニュースを最初に見たとき、「じゃあアーセナルはどうするんだ?」とまず考えた。上の極端なクラブこそアーセナルであり、最近のアーセナルにイングランド人選手が先発メンバーに名を連ねることはほとんどない。そしてやはりというべきか、最初に反対の立場を示したのもヴェンゲルだった。「国籍などは関係ない。 大切なのはどういう選手なのかということだ」確かに選手を見るのに、まず国籍からは入らない。どのようなプレーをし、それがチームにどのような好影響をもたらすか。判断基準はまずそこであり、国籍は二の次である。監督やクラブの色に沿った選手がたまたま外国人選手なら、それは仕方のないことではないだろうか。もちろんヴェンゲルを含む全ての監督は、同時に国内選手の育成についても考えていないわけではない。先日チェルシーを退団したモウリーニョも、大物選手ばかりを獲得しながらも若手国内選手育成の重要性を唱えていた1人である。同じ能力の国内と外国籍の2人の選手がいれば、ある1つのネックさえなければ国内選手に目を向けるだろう。そのネックがあるから外国籍選手に目を向けざるをえないのである。ネックとは何か?移籍金である。例えば自分が日本のあるクラブのフロント職に就いているとする。多くのクラブからの視線を集める若手選手がいて、どうしてもその選手が欲しいとする。だが他クラブも同様の意思で獲得に参戦しており、あの手この手で自らの持ち物にしたいと考えている。結果行き着くところは複数クラブによるマネーゲームであり、資金に限界のあるクラブは撤退を余儀なくされるだろう。もし自分のクラブが撤退してしまったらどうするだろうか。仮に外国籍ではあるがその若手と同等の能力を持った選手が安く獲得できるなら、年齢など考慮すべき点はあるだろうが、獲得を視野に入れるのは当然ではないだろうか。話は少し逸れたが、ヴェンゲルにしろ他のクラブ・監督にしろ、好き好んで外国人選手を重用しているわけではない。若手選手を獲得し育てるには資金が必要なのだ。個々の育成方法の是非はあるにしろ、数の論理だけで先発メンバー数の制限を設けるのは得策ではない。クラブのファンから見れば自国選手が先発メンバーにいないことへの否定的意見はあることだろうが、ビジネスの鎖に縛られてしまったサッカー界では致し方ないことである。現状を改革していくには大ナタをふるう必要性があるのは間違いない。だが現状を作ったのはブラッター会長自身なのだから、なぜここまでサッカー界を放っておいたのかを説明する必要がある。さらにいえば最近では試合に関係した重傷者が後を絶たない。死者までも出してしまうような大会の乱発や過密日程に対する問題の方が、よっぽど深刻であり早急に対処すべき問題なのではないだろうか。ほな、また。
2007.10.08
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先日のチャンピオンズリーグ、俊輔擁するセルティックが2対1でミランを下す金星を挙げた。昨シーズンの決勝トーナメント1回戦でも激突した両クラブだが、その際は180分でも決着が付かず延長でようやく勝負が決まったわけだが、その後ミランは決勝まで勝ち進み、リバプールにも勝利したことで欧州王座を獲得した。つまりセルティックは昨シーズンのチャンピオンに勝利したわけだから、ホームでの戦いだったとはいえ番狂わせを演じたといっても過言ではない。一方敗れたミランだが、ここ数試合は結果が出ていない。チャンピオンズリーグ初戦ではベンフィカに完勝したが、リーグ戦のほうはさっぱりである。6試合を消化した時点で1勝4分1敗は11位、先のベンフィカ戦(先月18日)を最後に4試合勝利から見放されているのが現状である。試合後のコメントなどを読む限り、終始試合を優位に進めているのはミランのようだが、カカ以外の決定力不足が響き、ディフェンス陣が最後まで持ちこたえることが出来ていないことが不振の原因の1つにはあるようだ。それを裏付けるように、今回のセルティック戦でも先制を許した後すぐに追いついたものの、後半ロスタイムに決勝点を奪われている。先日ミランのある選手がインタビューに答えていたが、ミランは常に欧州王座を視野に入れているらしい。ビッグクラブならば当然の考えではあるが、その選手曰く、リーグよりもそちらのほうにプライオリティが置かれているらしいのだ。昨シーズンのようにリーグタイトルの可能性がなくなったために欧州に重きを置くのならまだしも、まだまだシーズンが始まったばかりの時点でさえそうであると言うのだ。セルティック戦において、セルティックの決勝点が決まったあとファンが乱入し、GKジダと接触するという場面があった。ファンに顔付近を触られたジダは逃げるファンを追いかけようとしたが、数歩走ったところで急にピッチに倒れ込んでしまった。すぐに救護が駆けつけたが、ジダはそのまま担架に乗せられピッチを去ることになってしまった。「ファンに傷つけられた」見ているものや関係者は当然、そう思うだろう。セルティック側の管理責任は問われるし、UEFAに訴えを起こせば試合結果をひっくり返すことも出来るような事件のはずである。だがミランはそれをしなかった。自分達が欧州王者だという理由で。王者としてふさわしい行動を取らなければならないという理由で。もしミランが欧州王者なら、他クラブを引っ張っていくだけの思考を持たなければならず、それを行動で示さなければならない。ピッチにファンが乱入したという由々しき行為に対しては厳しい態度で臨まなければならないはずだ。にも関わらず訴えを起こさなかったということは、ジダの行為が欧州王者らしからぬものであったと推測出来る。選手層やコンディション、戦術面の不備はこの際問題にせず、リーグを見下し、自らを欧州王者と名乗り(実際はそうなのだが)挑戦者の心を忘れてしまっていることが、今の不振の原因の大きな理由なのではないだろうか。ほな、また。
2007.10.07
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