愛ことば･心の散歩路

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2006/11/07

^-^◆映画エキストラ出演の体験[2]

(26)

テーマ：自分らしい生き方・お仕事(38363)

カテゴリ：カテゴリ未分類

『地球は舞台　人類皆役者』

という言葉を聞いた事がある。

宴席の余興などではナルホドと

思う面はあったが……。

　……１１月５日、熊本は人吉。

「川上哲治記念球場」での映画ロケで思い知った。

神山征二郎監督『北辰斜にさすところ』ロケ。

総勢７００名のエキストラ出演。出演の文字通りまさに演技が

求められる場面である。

それも、全くの素人集団に対して…………。

北辰３.gif

……しかし、まぁその見事な対応振り……ショックを感じる程の

名（迷）演技の数々にこちらも引きずり込まれてしまった。

ワンカット、ワンカット観客役に対して指示が出て、

それに、即応した演技をしなければならない…………。

しかしまぁ、いやはや、見事なものでした。

ロケ４.jpg

■鹿児島大（七高）と熊本大（五高）の野球対決シーン

＜指示＞

　９回裏１対１同点、延長戦は無しのルール。守備、七高。

勝ちは無くなった七高……何とか引き分けに持ち込みたい。

ダグアウトからマウンドに向かうピッチャーに拍手と激励の声を

かける場面。

　　◆　監督のスタートの声を合図に、大観衆の大拍手と共に

　　　「頼むぞ」「締まって行こう」の声援。

　　　それが、極めて自然でこっちも、乗せられる。

　　　思わず「抑えるぞ、抑えるぞー」と、叫んでいました。

＜指示＞

　ツーアウトで、五高の大打者（既に戦死している）の幻が

バッターボックスへ……。そして、フルスィング……。

レフトへの大飛球……ホームランで……あわやサヨナラ敗け。

悲鳴をあげる七高応援団。

……しかし左翼手がダイビングキャッチ…………、

悲鳴が大歓声に変わり…………試合終了の場面。

　　◆　ホンモノの悲鳴がスタンドにこだまし、捕球と同時に、

　　　躍り上がる人々。……自分も。

　　　七高、鹿児島大ＯＢの、エキストラが圧倒的に多いので、

　　　余計に、臨場感が出てくる。

　　　テストを繰り返すたびに、盛り上がっていく。

＜指示＞

　折角の七高ランナーが、セカンドで相手ビッチャーの牽制球に

刺されて……アウト。ふがいなさに……ブーイングの場面。

　　◆　立ち上がって、本気で怒っている人がいる。つられて、

　　　２、３人がこぶしをかざして怒っている。……凄い。

　　　みんな、素面……。アルコール禁止。………凄い役者達。

＜指示＞

　バッターボックスの七高選手に、ラッパ、太鼓……

三三七拍子で声援。バッターの見事な送りバントに……

大歓声と、拍手。

　　◆　おーーーぅ！！！……と立ち上がって万歳したのは、

　　　ははははっ、私でした。乗り乗りです。

　　　不思議に恥ずかしくないんですよね。

＜指示＞

　幻の大エースがリリーフで出てきて……、

いきなり空振り三球三振……に大狂喜。クライマックスシーン。

　　◆　ホントに、大観衆が狂気の歓声…………。

　　　スゴイを通り越して、これは現実ではないかと錯覚する。

　場面が野球だから、なかなか監督の指示通りに球が飛ばない。

エラーもあるし………ワンカット、ワンカットの準備にも時間が

かかるので総時間９時間の長丁場……。

快晴に腹が立つような暑さだ。バスタオルを頭から被って、

耐えた…………。

８０歳前後の老齢ＯＢは、……休み休みの出演だ。

ロケ１.jpg

　報道では見ていたものの、初めて現場を見たが、

カメラをスライドさせて俳優を追っかけるために、

線路を引いて、その上に台車を乗せる作業。

　これが、誠に良く出来た折りたたみ式、組み立て式の線路で、

まぁ、手際の良いこと。

　車や、その他の手段では、この、上下ブレの無い滑るような

移動は難しかろう。

　暑さの中で、俳優の演技は何回でもやり直し、

監督のイメージがあるから……。

スタンドの演技は、１～２回でオーケーがでる。

素人の自然な感じが良いのだろう…………。

　脚本家の室積さんと話すチャンスがあったので聞いてみたら、

本日の、９時間のロケ。上映時間は、約２分……とか。

ダハーーー……。こりゃー、映画創りは大変だ。

　しかし……、７００人のボランティアも大いに満足し、

美味しいロケ弁に、舌鼓を打った人吉の楽しい一日でした……。

『北辰斜めにさすところ』三國連太郎主演……来春封切りが、

待ち遠しい。

ロケ２.jpg