愛ことば･心の散歩路

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2022/01/12

^-^◆　【改訂】ＪＲで遭遇した心動く景色＜６＞

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テーマ：自分らしい生き方・お仕事(37608)

カテゴリ：ＪＲにまつわるほのぼの話

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^-^◆　【改訂】ＪＲで遭遇した心動く景色＜６＞
　　　　　　　　ー半世紀超の列車通勤の思い出ー

……列車の中の若者 [上]……

　　　９０歳を越えられた恩師が、
　　　しみじみと語られた…………(ー_ー)

　毎月一回、お勉強会で博多に出かけるんですが……、
高齢ですから列車で行くんですよ……。
快速電車が、早く着きますが、暇な身分ですから
各駅停車でボチボチと行くのが常です。

　各駅停車の電車の良い所はですね……、
比較的お客様が少ないんですね。
ですから……たいていの場合座れるんです……。

　その日も、いつもの様に博多行きの各駅停車の電車に、
乗りました。珍しい事に席がすべて埋まっていました。
皮肉なものでしてね……、座りたいと思う時ほど、
席は空いていないものです……。それでも車内全体を、
ずーーと見渡しますとね、
一番向こうの先の、横向きに４人掛ける席がひとつ空いている
ように見えたので、そちらに移動しました。
近づいてみますと空いていなくて大きなボストンバッグが
置いてあったんです。

左の端から高校生らしい若者が二人座っておりまして、
その横にボストンバッグが置いてあり、
バッグの隣の若者がそのバッグに肘を乗せるようにして
しきりに話し込んでいます。その又隣には若い女性が
小さな女の子を膝に乗せて座っています。

この青年……バッグを網棚に上げてくれたら、
このご婦人も膝の上でむずがっているお嬢ちゃんを、
そこに座らせてやる事ができるのに……と思うと、
少し腹立たしい気持ちになりました。

その日は……私、
体がだるかったので座りたい気持ちが強かったのですが、
……前の青年はバッグを上に上げて「どうぞ……」とも
言ってくれませんし私も「ここ空けて下さい」とも
言いません。

口では言わないのですがバッグと彼の顔を交互に
何度も見ていました。ふと目が合う事もありましたが……、
何も起こりません。

「目は口ほどにものを言う」と云いますが……通じません。
無視して、隣同士話に夢中です……。
その内、向かい側の席がひとつ空いたので私はそちらに
座りました。
座ってみると、疲れているのがよく分かります。
ホント……ほっとしました。(^。^)

　その日はお客さんが多くて……、全然席が空きません。
新しく乗ってきたお客さんが、その青年の前に立って、
私と同じような事をしていますが……何も起こりません。
その誰も私と同じように「ここ空けて下さい」とは
言いません。

……みんな、そんなものですね……。
……そして、

２つ３つ先の駅で降りる際に、その若者を睨みつけるようにして
降りて行きました……。電車を降りてから振り向いて睨んでいる
人もいました。
何人も、何人も……。

気持ち……とてもよく分かります。

　　＜続く＞

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